今日は、【処暑】
まだ日中は非常に暑い日が続くが、朝夕は少し涼しい風が吹き渡わたり、
気持ちのよいと感じることができる時期となってきた。
処暑とは毎年8月23日ごろ、または白露(はくろ)(毎年9月8日ごろ)までの間をいう。
「処」には「落ち着く、とどまる」という意味があり、このころには暑さが峠を越え、秋らしさ
がしだいに増してくることをあらわしている。
ちょうどいいタイミングでというか、夏期講習の授業での国語教材で、
「あかあかと
日はつれなくも
秋の風」
という松尾芭蕉の句を扱った。
俳句が並ぶ中で、“季節の微妙な推移を表現したものを選べ…”
という問題だった。
照りつける太陽の日差しは、そしらぬ顔であかあかと容赦もなく照りつけているが、
涼しい秋の風が吹いている、というもの。
この句は「奥の細道」で、芭蕉が金沢を訪れたときのものとされている。
この俳句の書かれた句碑は金沢市内に3か所もあるらしいのだが、
かつて金沢を訪れたときに、兼六園の句碑は目にしたことがある。
同様に、季節の移り変わりを鋭い感覚でとらえたものに、
古今和歌集には、藤原敏行の有名な歌がある。
「秋来ぬと
目にはさやかに
見えねども
風の音にぞ
おどろかれぬる」
「ああ、秋が到来した」と目にははっきりと見えないけれども、風の音を耳にして、
はっとして、秋の訪れを感知するというような歌だ。
この時期、昼間の嫌になるような暑さの後に訪れる、爽快な夕方の風だからこそ
対比的にすごく心地よく感じるのだろう。