↑ムラサキシキブの実がいつのまにか
白露の四十四候、鶺鴒鳴、セキレイ鳴くです。
セキレイを見かけることはできませんが、
夜の庭から、虫の声が聞こえてきました。
窓越しの植え込みのほうからは、
松虫、細く可愛らしい、
少し遠くのほうからは、よく透る高い声、
蟋蟀(こおろぎ)…のようです、
自己主張しています。
松虫は、平安の頃は鈴虫といったそうで、
あの源氏物語の鈴虫、横笛で共鳴したのは松虫だったのですね。
源氏物語絵巻 鈴虫二(五島美術館蔵)
鈴虫をうたったものとして、忘れ難いのは、
桐壷の巻、桐壷更衣を失った帝の使者として遣わされた、靱負命婦
更衣の母のところから内裏に戻ろうとして、鈴虫の音を聞く
たまらなくなって、詠じます。
鈴虫の声の限りを尽くしても
長き夜あかずふる涙かな
悲しみにくれる帝と母君ではなく、
それを見守るおそばの女官に異例の心境を語らせる、
だからこそ、読む者に伝わる、計算されてます。
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