紫苑の部屋      

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文楽にそぐわないのってあるんですねー「狐と笛吹き」

2008-05-26 23:52:43 | 観劇
「狐と笛吹き」
歌舞伎で観たときは(梅玉&福助)ひとつの昔話、とそんなに違和感なかったのですが、
これは文楽には不向きです。
北条秀司13回忌追善とかで、50年ぶりの再演、
50年も演目に上がらないのですから、
それは文楽では失敗だったと見るべきことのはず、
再演するからには何らかの手直しが必要、のはず(でももう観ない!)。
もともとは今昔物語のファンタジー、
そのラジオドラマ用に作品化、とのことですなんですから。
観客は最後まで違和感のまま、でしたねー。

文楽になぜ合わないのか、
まず、歯が浮くようなセリフ、合わない!
 愛している!
 あなたがほしい!
だの、シラッ…、
気持ちが入らない、
ちっとも異種男女の哀しさが出ない!
こういうの、大夫さんに語らせてほしくない、
人形遣いもお気の毒!
まあ、とりえは四季の詩情豊かな舞台装置、
 若手文楽三味線弾きたちの琴と胡弓の芸の広さ、
そのくらいです。
あと、結末が歌舞伎などのようにハッピーではなく、やはり心中で終わりそうなというほうがよい、かな。

なにしろ「心中宵庚申」の後に続いたのですから、
興ざめもいいところ、
新聞時評ではしっかりこの落差を書くべきでした!
私の前の席の方々、そっくりお帰りだったのは、知っていたからなのね、
観ないほうがいい気持ちのママ帰れたことを!

こんな外れもあるんだ、と、いい体験だったかもしれません。


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