紫苑の部屋      

観劇・絵画と音楽・源氏物語      
について語ります        

白波五人男華やかに勢揃い!歌舞伎座「青砥稿花紅彩画」

2008-05-27 23:14:05 | 観劇
                 ↑豊国の役者見立絵
2幕目 稲瀬川勢揃の場

これぞ歌舞伎の様式美です。
型の美しさは、
五人男だけではありません。
菊五郎劇団の立ち回りのお兄さんたち、黒で決めています。
かれらは単なるタテ師ではないのね、型の美の一部なのね。
江戸紫の地にそれぞれの絵柄を染めた五人男に
2人ずつ付いて、彼らの脇を黒で締めるの!
見得を切ってニッと突き出た足まで入って、
黄金分割三角形×五??
オオー、美しい錦絵!!

なんといっても、黙阿弥のセリフは小気味いい!
点の言葉の意味つなげようとするのは野暮、
語呂合わせ、連想ゲーム、
これは音を楽しむのね、リズムに酔うのね。

初演の19歳の菊五郎を想定していたであろう、弁天小僧、
当代の菊五郎、ホントはいくつなんでしょう! 
綺麗に化けても、
ふてぶてしい盗人の本性を現わしても、
決まります!
イヤー、極楽寺屋根の大立ち回りには、脱帽ね、お見事!!
(縄を放射線状に絡めたあと真ん中でプツンと切る、
 あの仕掛け、どうなっとる?!しばし悩まされてしまった!
 きっと、失敗のない簡単なマジックのタネね!)
ご存知、弁天小僧菊之助!080526_1758~0002.JPG

今月の掌本で水落潔氏の解説、ちょっとうなってしまいました!
歌舞伎の評論家はやっぱりその道のプロなんですね、当たり前ですが…。
序幕は六月の演目である「新薄雪物語」の序幕を模した時代仕立て、
大詰の山門の場は、五右衛門&久吉の「南禅寺山門」のパロディ、
などというのは、テキストのうち、
「浜松屋」の場に流れる合方(曲)についての解説、これには参った!
 越後獅子の唄で幕が開く、
 鷺娘、
 薩摩さ?!(何と小唄みたい)
 新内
休憩のときに読んだので、この場で耳を澄ましていたけど、
最初と最後(新内は役者のセリフにあったからわかったようなもの)
しかわからなかった!
まっ、それはいいか、楽しみ方は人それぞれで、
というところで落ち着いたのでした。

ところで、白波五人男、
今回、編笠被って登場した忠信利平*三津五郎に、
ああ、いい役者だなー、とつくづく思ったのでした!
声のつくりといい、セリフの言い回しといい、惚れなおしたのでした。

時蔵*赤星十三もいいですね。
赤星十三というと、いつも思いだすのですが、
むかし、ほとんど何も知らずに観た白波五人男、
梅幸の十三がよくって、それだけ鮮明に覚えているのですが、
主人のために盗人する前段の御殿でのエピソードが1場あったのです。
今はその場はないので、省略された場なのか、別のバージョンなのか、
ずーとひっかかっているのですが…。

2008/5/26 歌舞伎座千穐楽


最新の画像もっと見る

コメントを投稿