紫苑の部屋      

観劇・絵画と音楽・源氏物語      
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染五郎の六助&亀治郎のお園ー演舞場の吉右衛門歌舞伎

2008-05-11 13:30:52 | 観劇
昼の部は「毛谷村」から。
染五郎&亀治郎コンビというのは、珍しいのでは?
六助は初代吉右衛門の当たり役、吉右衛門のも定番になっていますが、
染五郎が引き継ぐ形での挑戦、これは意義深いですね。
近頃の、高麗屋はもちろん、播磨屋のをも、つなげていく役目を負う?
かに思われる、芸域を広げる染五郎、
踊りがいいし(三社祭松緑と)、様子もいいし、楽しみです。
お園の亀ちゃんは、期待どおりの出来、
女丈夫と恥じらいの併せ持つ、ぴったりの役ですものね。
私は、余計なお世話ですけど、なぜか、器用に役をこなす亀ちゃん、ちょっと心配。
わたし、あまり器用ではないけれど一所懸命、が好きなだけかもね(海老さまもどちらかというと、こちらよね)

藤娘(福助)の季節感、
5月の三社祭に6月の山王祭(勢獅子)の江戸の風物詩、
見慣れたものでも、江戸の空間にスリットしてくれます。

「一本刀土俵入」
吉右衛門の茂兵衛、
初役の伊右衛門に集中しているせいか、前夜のお疲れか、
「えー」とかがやたら多く、セリフ言い直ししたり、
が気になりましたが、
ボケ役の相撲取り(これもいい味なんです)から、任侠に転身する変わり目、
船着き場でのお腹いっぱいになった茂兵衛、すぐその後の10年後の登場、
このあたりのきめ細かい演技がさすが、吉右衛門です。
任侠の吉右衛門のカッコよさはいうまでもありません。
初役の芝雀さんの酌婦お蔦さん、わたし好きです!
お蔦さんのうたう古里の民謡(なんだったか、ど忘れ)の声が、
もう少し艶っぽかったらもっとよかったのですが…。

ところで、わたし昼の部で何が、たまらなくよかった、って、
「土俵入」で流れる、船大工歌昇さんの仕事歌と相撲甚句(というのかなー?)、
鳴り物無しの正調、甚句のほうは御簾のプロですが、聞き惚れました!
それだけで哀愁が漂い、詩情をかもしだす…。
多くの視覚的な装置に勝る、演出効果!
わたしは、新内もそうだと思います、江戸の街中なら。
いいなー、この江戸の文化!

演舞場でいいなーと思った脇役?の俳優、
いいノドを聴かせてくれた歌昇さん!
「土俵入」での渋い親分役、「四谷怪談」宅悦の
歌六さん!

 08/05/06 新橋演舞場


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4 コメント

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Unknown (恵美)
2008-05-14 12:27:15
演舞場にも当然!行きたかったのですが・・・今回は叶いませんでした TT 。
こちらで様子が伺え、楽しく拝見しました。
お早いご見物、ということはもう一度ご覧になるのかしら?
またのレポ、楽しみにしています!(歌舞伎座も♪)
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演舞場も歌舞伎座も満員 (Sa)
2008-05-16 11:24:55
お蔦さんが唄っていたのは越中おわらのおわら節だったと思うんです。(先回福助さんが聞かせてくれたので)
長谷川伸~いいですよねえ、もう初っ端から涙ぼろぼろです。
吉右衛門さんのでかさも相撲取りらしく、でもやっぱり任侠の世界に入ってからの吉右衛門さんの方が様になってました~

歌昇さんは渋いですよね、今月も勢獅子、ふとしたところで、ああ彼の踊りは物凄く上手い!と驚いた箇所がありました。

で、福助さんの藤娘ですよコケティッシュな藤の精でした。
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新十郎さんのお披露目、あったらしいですね。 (sion)
2008-05-17 20:13:56
恵美さま
歌舞伎座はまだ昼だけなのですが、お披露目なかったのです。
もしかして夜の部で?
今週、歌舞伎座の昼2度目と国立の文楽、来週夜の部、と続きますので、とても演舞場の2度目は…。
6月もあれもこれもあって、うれしい悲鳴…で、歌舞伎の追っかけしてま~す。
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saさ~ま!ありがとうございます (sion)
2008-05-17 20:31:31
越中おわら節!! 溜飲が下りました。
長谷川伸の人情作品を、あんなふうに詩情豊かにするんですから、歌舞伎はホントにすばらしいですよね~!
もう一度聞きたい!

勢獅子の歌昇さん、確かに粋でイナセでした!
福助さんの藤娘、なんかテンポ早かった!
そっか、コケティッシュだったからなんだ!?
フフッ…、
オヨヨと泣くより、コケティッシュな福助姐さん、大~好きです。
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