巨匠ブロムシュテット＆N響のベートーヴェン

第99回になるN響オーチャード定期公演です。
ベートーヴェン交響曲第8,7番の大作、
90歳になるマエスト・ロブロムシュテットの
エネルギッシュなベートーヴェンに感嘆です。
昨年新たにベートーヴェン全集を録音し、ベートーヴェン解釈に新たな境地を示した、
との評価を得ているようですが、
その驚異的生命力もさることながら、
ひたすら新たな挑戦を続ける意欲に人としての崇高さを感じずにはいられません。
ベートーヴェンの新たな解釈、という点は私にはわからなかったのですが、
7番はよく聞いていたと言う連れが、微妙だけどかなり違っていた、
リズムがゆったりしていい感じだったと言ってましたので、
なるほどと思ったのでした。

そしてこの公演の4日前にもサントリーホールでも演奏しているのですね。
さて、今日のコンサートマスターは…ラッキー 篠崎史紀氏です。
ほとんど聴いたことがなかった8番ですが、
第2楽章は聞き覚えのある、きれいな旋律です。

ところでちょっと驚いたのですが、オーケストラの編成が通常と随分違うのですね。
左手後方からコントラバス ホルン 中央にオーボエ ファゴットその手前にはフルート クラリネット、そして右手後方からトランペット ティンパニが並びます。
トロンボーン、テューバ はないのです。
前方は左手から第1バイオリン チェロ ビオラ 第2バイオリン、これも初めて見ました。
(Fl:2 Ob:2 Cl:2 Fg:2 Hr:2 Tp:2 Timp)
この編成、第7番でもっとも効果的かつ迫力を増すことが分かります。

第１楽章の、オーボエからすぐ下のフルートにバトンタッチされる、ソロの主題
第２楽章では、舞台向かって右側のビオラから
すぐ右手の第二ヴァイオリンにバトンタッチタッチされるうつくしい旋律
第３楽章はトランペット、右端のティンパニが活躍、
そして第４楽章では、すべての楽器が一丸となって力強くしかも繊細なハーモニーを奏でます。
その迫力、息詰まる熱気、本当に息が詰まってしまうかと思いましたよ。
拍手にこたえるマエストロにもう十分です、どうぞ休憩してください、と言いたくなりました。
この日の公演、忘れられない演奏会でした。

2018年4月29日
第99回N響オーチャード定期公演
指揮：ヘルベルト・ブロムシュテット　Conductor: Herbert Blomstedt

曲目
ベートーヴェン：交響曲 第8番 ヘ長調 作品93　Beethoven: Symphony No.8 F major op.93
ベートーヴェン：交響曲 第7番 イ長調 作品92　Beethoven: Symphony No.7 A major op.92

ロビーコンサート
ベートーヴェン：弦楽四重奏曲第8番(ラズモフスキー第2番)ホ短調 Op.59-2から 第3,4楽章