読み進むのが、わくわくして同時に困難な、珍しい本。
下手をすると、中世の異端審問と魔女裁判の描写ばかりに気をとられる。
本の帯にはこう書いてある。
「迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で
ヨハネの黙示録に従った連続殺人が。バスカヴィルのウィリアム修道士は
事件の陰には一冊の書物があることを探り出したが…」
ああ、これだけでもう、先に進みたい気持ちで一杯にさせられる。
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この迷宮で事件は起きる。
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これは、神を信じていながらも
自らが仕えるのは神ではなく人類である、と知性で分かっている修道士の物語。
(だと、私は思っている)
ジャン・ジャック・アノーが映画化している。
原作のような壮大さはないけど、
根底の真理を曲解してはいないし、いたずらにサスペンスを強調してもいない。
ロン・パールマンの怪優ぶりがすごい。
主演のショーン・コネリーの演技は、人間味に溢れていて好きだ。
特にラストのシーン。
人間の知性を信じて、それを何とか護ろうとする、悲しい表情…。
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日常生活に疲れて、浮世離れした物語に漬かりたいとき、
この本はぴったりだ。
しかし、さらに非常に疲れるんですが。
下手をすると、中世の異端審問と魔女裁判の描写ばかりに気をとられる。
本の帯にはこう書いてある。
「迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で
ヨハネの黙示録に従った連続殺人が。バスカヴィルのウィリアム修道士は
事件の陰には一冊の書物があることを探り出したが…」
ああ、これだけでもう、先に進みたい気持ちで一杯にさせられる。
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この迷宮で事件は起きる。
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これは、神を信じていながらも
自らが仕えるのは神ではなく人類である、と知性で分かっている修道士の物語。
(だと、私は思っている)
ジャン・ジャック・アノーが映画化している。
原作のような壮大さはないけど、
根底の真理を曲解してはいないし、いたずらにサスペンスを強調してもいない。
ロン・パールマンの怪優ぶりがすごい。
主演のショーン・コネリーの演技は、人間味に溢れていて好きだ。
特にラストのシーン。
人間の知性を信じて、それを何とか護ろうとする、悲しい表情…。
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日常生活に疲れて、浮世離れした物語に漬かりたいとき、
この本はぴったりだ。
しかし、さらに非常に疲れるんですが。