渇く…
水を飲んでも、酒を呑んでも…
お茶を飲んでも、珈琲を飲んでも、紅茶を飲んでも…
渇く…
喉を締め付けられる様な渇きに耐えきれず、是等で潤そうと…
必死になる…
必死になればなる程、その分だけ渇いていく様なそんな感覚を憶える…。
満たされないから渇くのか…?
満たされてるにも関わらず渇いているのか…?
何かを求めてるから渇くのか…?
何かを求めることを止めたから渇くのか…?
渇きの原因を識れないまま、刻は経ち、渇きに喘ぐ…。
ジリジリと渇きは襲ってくる…
何の前触れもなく、唐突に喉の渇きと共にやってきてどんどん、やつがれを渇かす。
渇きは曖昧な感情と記憶を呼び起こす…。
見たくないものを見そうになり、刺激を与える。意識を飛ばしてしまわない様に…眠ってしまわない様に…。
…何故、こうも渇くのか…。
やつがれは何をどうしたいのか…。
最早、見えてきはしない。
どうしたかったのか…。
何を求めたのか…。
どうするべきだったのか…。
答えは見つからない。
分からなくなればなる程、渇きは増してゆく…
頻度も増えてゆく…
その度に考えを巡らせる…
何をどうしようとしているのか、何をどうするのか…
でも、答えが出る前に倦怠感と疲労感が強く襲ってきて、吐気と眩暈も襲ってくる…。
何故?
何故、前に進もうとすればする程…
こんなにも頭の中は霞がかり、靄が掛かった様に思考を意識から離してゆくのだろう…?
そんなにも前に進むことは苦しいのか…?
前に進むことはいけないのか…?
心の奥底で己ですら辿り着けない部分が己を操ってる様で厭な気分になる。
余りにも己が己ではない違和感が強過ぎて、余りにも渇きが強過ぎて…
思考は進まずに、己も前には進まずに…
止まったまま…
刻も止まったまま…
進まねばならないのに…
何故、進めないのか…
もう、分からない…
分からないまま…周りの刻は過ぎてゆく…。
参ったね…本当に…。