花菖蒲

日常やら何やらかんやら気儘に綴ります。気儘に。

孤独な三毛猫 其の玖

2020-01-09 21:55:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
三毛猫は何故、文章化したとは云え素直に話せたのか。
その謎を心に抱え込む羽目になっていた…。
問い掛けてから数日経つ。
それから重たい話にならない様に細心の注意を三毛猫は払いながら白狐と文(LINE)を遣り取りしている。
けれど気の所為だろうか、話す前より何となく距離が縮まった様な感じがあるのだ。
それは三毛猫がすっかり肩の力を抜いたからなのか将又、白狐が歩み寄ってきてくれたのか。
三毛猫には判じる事は叶わないが、それでも三毛猫は遣り取りを楽しんで居る。
ゆったり穏やかな時間。
白狐との時間は自分の過ごしてる時間と別物と錯覚するくらいに三毛猫には滲み入る。
優しさも…
温かさも…
笑いも…
何もかもがゆっくりゆっくり刻を忘れて心に入り込み、滲み込んで征く…
その心地良さを穏やかさを感じると三毛猫は身体の力を最近、抜く様になりつつある。
その証拠に眠くなるのだ。
心と身体のバランスを取る為だけにしか睡眠を必要としない。
と、勘違いされるぐらいに眠らない三毛猫なだけにこの説は信憑性がある。
兎に角、眠る。
多少、整理しきれてない過去を話した事も影響はしているだろうけど。
それでも三毛猫は眠れている。
何故、話せたのかを考えつつも。
素直にありのまま感じた心情を話した。
けれど、それを受け止めて貰って良かったのだろうか?
重荷になってしまったのでは無いか?
三毛猫は自問自答している。
答えが出ない自問自答。
かと云って訊く勇気も無い。
そんな中で子供に対する自分の内側に抱え込んだものと向き合う方が余程、建設的な気がして思考を切り替えた。
三毛猫にとって子供は自らの弱さを象徴するものだ。
嘗て弱かったが故に世間一般的な普通を取り上げてしまった。
そうして誰よりも深い愛情を得る事で己と似た様な道を歩まずに済んだであろう大事なあの娘(こ)を思い出す。
三毛猫はあの娘が存在してくれた事により得たものをその娘に返してあげれなかったのだ。
それは三毛猫の弱さであり、覚悟を貫けなかった結果なのである。
引き摺りつつ三毛猫は生きてきた。
意識しない様に表に出さずに。
あの娘と同じ様な年齢の子を見ると時々、胸が痛むし、あの娘とまだ笑って過ごせてた年齢くらいの子を見ると頬が弛む。
そんな三毛猫の表情を白狐は果たして知ってるだろうか。
否、きっと知らないだろう。
三毛猫はあまり表に出さない様にしているから。
ぼんやり三毛猫は思い返す。
いや、もしかしたら…
気付いてるかも知れないなぁ…

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