読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

今野敏著「デット・エンド ボディーガード工藤兵悟」

2013-10-27 | 今野敏
ボディーガード工藤兵悟シリーズ。元傭兵で数々の死線を潜りぬけてきた工藤兵悟は、フリーランスのボディガードとして要人の命を守ってきた。
そんな工藤も、最近では景気の後退により、依頼が激減し、今では警備保障会社から仕事を回してもらってる日々だった。
ある日工藤は、かつての同僚兵士だったマキシムからの紹介だと語る、カジンスキーというロシア人から仕事の依頼を受ける。
優秀だったマキシムを殺した敵からカジンスキーの命を守りぬけというのだ。
マキシムを殺すほどの敵、ボディがートとしてのプライドを賭け、工藤はまだ見えぬ敵と対峙することに。
やがて最強の暗殺者・ヴィクトルと最強の盾・工藤兵悟がぶつかる。
その警護依頼の裏には陰謀が・・・。
工藤兵悟シリーズとは知らなかったが一気読みできるスリリングな小説ロシアモスクワでのシーンもあり
面白かったが緊迫したアクションシーンは淡白であっさり直ぐ片付いてしまうのは残念だが、ボデーガードとしての気配りや心持など楽しめました。
続編も是非期待したい。
2011年3月角川春樹事務所刊
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今野敏著「欠 落」

2013-09-21 | 今野敏
警察小説『同期』のシリーズ第2作。警視庁捜査一課殺人犯捜査第5係の宇田川亮太は刑事の第一線に配属されている。
同期の大石陽子がSITに配属になったのを喜んだのもつかの間
そのSITに配属になったばかり大石が、主婦監禁事件の身代わりとしての人質になり犯人は大石を連れたまま逃走する。
宇田川は、別の殺人事件を追いながらも、彼女の安否が気にかかって捜査に身が入らない日々だ。
やがて自らが関わる事件は、途中から公安主導の捜査に変わっていき、
宇田川は元同期で警察を懲戒免職になり姿を消しているが公安にいるらしい蘇我との連絡を試みるのだが・・・。
「この組織には、刑事によって解決されるべき謎がある。」
ピーディな展開でTVドラマを見ている感覚、ヒネリの効いた組み立てが面白くて、
一気に読まされたのだが何か言いたいことがあったのか何も残らない感じ。
2013年1月講談社刊
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今野敏著「とせい」

2013-06-02 | 今野敏
極道小説。日村誠司が代貨を務める阿岐本組は今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。
何故か舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが働いていた。役員として会社に出掛ける日々だったが新発想のアイデアが運にも恵まれて、雑誌の売り上げは好調で畑違いの出版社をヤクザが見事に立ち直らせることに。
しかしやがてマル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブルが本業以上の波乱が待ち受けていた。
頭を抱える日村と梅之木書房だったが・・・。
堅気からは嫌われるヤクザだが、その本質は義理人情に熱く、堅気には迷惑をかけない。必ず落とし前をつけさせること。
上が黒と言ったら黒、間違った事でも必ず筋を通すのだ。
ある意味現代人の乱れたモラル・マナーよりスッキリしているのが不思議。
この小説の中のヤクザの方がよっぽど礼儀正しく生きている思ってしまう。

2004年11月実業之日本社刊
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今野敏著「確 証」

2013-01-27 | 今野敏
盗犯を担当する警視庁捜査三課のベテラン刑事・萩尾と、その部下で、捜査一課に憧れを抱きつつも萩尾を慕う女性刑事・武田秋穂が強盗殺人事件の捜査で奮闘する長編警察小説。
連続して強盗と窃盗が、夜と昼との差はあるが2時に起きたこと、犯行現場も近いことに注目した盗犯専門の3課のベテラン萩尾は、指紋認証が必要な金庫が破られたことに注目して元窃盗犯で今は現役を引退した迫田の住まいを訪れる。
捜査の花形エリート意識が強い一課と地味な盗犯を扱う三課の諍いや人間関係の妙。
萩尾が捕えた元服役者との人間関係、女性部下とのギコチナイ関係から徐々に信頼のいい関係になっていく過程など、読後感は良い。シリーズ第一弾だとしたら続編が楽しみになります。
「確証ってのは、説得材料だろう」
「確証は大切だ・・・盗犯係りには、同じくらい大切なもの・・・盗人の気持を理解するということだ」(P247)


2012年7月双葉社刊
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今野敏著「へッドライン」

2012-09-22 | 今野敏
TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、人気報道番組『ニュースイレブン』所属の遊軍記者。
独自の取材で何度もスクープをものにしている敏腕記者だが、会議には出ない、夜遊びがすぎる、など素行に問題ありとしてデスクの鳩村からは睨まれている。一方警視庁捜査一課第二係・継続捜査担当のベテラン刑事・黒田裕介。
偶然にも二人が追い始めた未解決の女子学生猟奇殺人事件、布施はまだ警察が掴んでいない何かに気づいているようだが、行きつけの飲み屋で布施と話した黒田は、手詰まり感のある捜査状況を打開するため、布施に張り付くことにする。
やがて、この事件には「マルガ教団」という新興宗教団体が関与しているのではないかという疑惑が浮上する。
どうやら背後には都会にうごめく巨大な闇が存在しているようだ。
群像劇のように新聞記者の持田や女性キャスターの香山や公安・CIAなども絡んで人間関係が面白い。
布施のキャラクターは面白いのだが生活感がかんじられないし、リアル感が欠如なのは掘り下げ不足か?
すらすら読めて一気読み可能。

2011年5月集英社刊
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今野敏著「防波堤 横浜みなとみらい署暴対係」

2012-07-30 | 今野敏
神奈川県警みなとみらい署の暴対係長・諸橋は「ハマの用心棒」と呼ばれ、暴力団から恐れられている。
昔馴染みのやくざ・神野の唯一の組員・岩倉が身柄を拘束された.素人に手を出したという。
神野がそんなことをするはずがないと陽気なラテン系の相棒・城島とともに岩倉の取調に向かった。
表題作「防波堤」他5編の連作短編集。「暴力で町を支配する
奴らは許さない」横浜を舞台に悪と戦う諸橋班の活躍を描いたシリーズ。
昔気質のヤクザの親分との持ちつ持たれつの奇妙な友情がワンパターンだが楽しく読めた。
2011年11月徳間書店刊
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今野敏著「転迷 隠蔽捜査4 」 

2012-07-06 | 今野敏
警察小説「隠蔽シリーズ」5作目。
身内の不祥事で降格人事の結果、警視長でありながら、大田区の大森警察署長の竜崎伸也は、
徹底した超合理主義者で率直で国のために尽くすことが最優先が彼の信条。そんな竜崎に降りかかる難問の連鎖、相次いで変死した二人の外務官僚。ひき逃げ、麻取とのせめぎ合い、放火捜査をめぐる他省庁とのトラブル。そして娘の恋人のアクシデント。
やがて浮かび上がった驚愕の構図。やがて経緯からすべては竜崎の手腕に委ねられることに。。。。
「隠蔽シリーズ」は番外編も含め全て面白いが今回が一番自分のツボにはまって面白かった。
役所間、部署間の対立が竜崎の「信念を通して、常にブレない、言葉は明快で固定観念に囚われず心は平常心」のキャラで小気味良く切りさばかれていく様子がいい。心理描写や情景描写が少ない気もするが、幼馴染の警視庁の伊丹刑事部長とのやりとりもなど、会話主体の展開で読みやすい。
『適材適所を心がける。その場その場で最善の判断を下すようにする。』(P92)
『対処しなければならない事案を、リストアップして、・・・紙に書き出して、優先順位をつけて並べてみると、やるべきことがはっきりとしてくる。』(P95)

2011年9月 新潮社刊
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今野・東・堂場共著「誇り」

2012-02-15 | 今野敏
警察官の誇りプライドがテーマの短編集。
今野敏「常習者」・・・ピッキングの手口で誰だか解る、盗犯係の刑事が真犯人に迫る。
東直己「猫バス先生」・・・元警察官の再就職先が幼稚園の送迎バスの運転手だったが、ある朝、不審な光景を目にする。虐待でなければいいのだが・・・。
堂場瞬一「去来」・・・捜査情報が漏れて証拠書類が消えた。刑事部長として犯人探しの果てに。
三様の警察小説が一篇ずつ収録されていて読み応えがあり楽しめます。
心にしみる男の生き方に感動しました。
個人的には堂場瞬一氏の「去来」がお気に入り。
2010年11月双葉社刊
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今野敏著「神々の遺品」

2011-12-09 | 今野敏
宇宙と人類の歴史、古代文明の謎解きをモチーフに、米国国防省やロシアのFSBやバチカンのスパイや公安・警察などが絡んだ探偵小説。
元刑事の私立探偵石神とその助手明智が依頼人のタレントの高園江梨子からの依頼の行方不明者の友人を探すことに。
一方アメリカでは超常現象研究チーム『セクションO』が忽然と姿を消し、日本では著名なUFOライターが殺された。
事件の鍵を握るのは、どうやらオーパーツと呼ばれる摩訶不思議な太古の文明の足跡らしい。
アメリカの国防長官をも丸め込み、古代の謎を解き自らを人類の救世主であると信じる危険人物「シド・オーエン」とは何物なのか・・・。
古代文明に関する記述、ゼカリア・シッチンのシュメール文明と粘土版翻訳や古代の天体運行に関する問題、神話、宗教、古代遺跡など盛りだくさんの話題が詰め込まれていて面白かった。
1999年に書かれた物語なのでコンピューターやインターネットについていけない探偵と得意な助手とのやり取りが面白い。
イラク戦争、終末思想など当時の時代背景がバックにあったことなど想像できる。
探偵石神シリーズ第2弾「海に消えた神々」に続く。 

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今野 敏著「 化 合」

2011-09-15 | 今野敏
時はバブルがはじけて間もない1990年、科学捜査の夜明け前ともいえる時期。都内板橋区内の公園でイベントサークル主宰者生田忠幸32歳が刺殺された。第一発見者は35歳の不動産業者田代裕一。
本庁の菊川刑事は板橋署のベテラン滝下部長刑事と組んで捜査を担当した。被害者の身元を調べるうちにその背景には乱れた男女関係、バブル期の借金を取り立てる金融会社の社員、男が執着して通っていた六本木のキャバクラ嬢などが浮かび上がってくる。一方スピード解決を目指すエリート検事の鳥山はある男を独断で容疑者として固めようだ。
「落ちるな。必ず証拠を見つけ出すから」
自白もとにした検事主導の捜査に捜査本部が傾く中、えん罪を懸念し地道な捜査を続ける刑事たち・・・。
検事と刑事の対立や、真犯人究明のタイムリミット迫る中、夜を徹して走り回る捜査員たちと、緊迫感した展開で話が進む。
さすがは警察小説の大家、早い畳みかけるスピード感ある展開に一気に読まされました。

自白の強要、冤罪、DNA鑑定がまだ一般的でなかった時代の血液型などの当時の科学捜査のあり方など冤罪裁判のやり直しが続く昨今の状況を鑑みるにつけぴったりの題材のような気がする。
「人は、なぜ傷つくのか。それは、何かを期待するからだ。それを裏切られたときに傷つく。期待が大きければ大きいほど、裏切られたときの傷は大きくなる。」(P137)
2011年7月講談社刊
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今野 敏著「禁断 横浜みなとみらい署暴対係」 

2011-07-28 | 今野敏
「逆風の街 横浜みなとみらい署暴力犯係」に続く「横浜みなとみらい署シリーズ」第2弾。
最近市内では薬物検挙数が目に見えて増えているという中、大学生がヘロイン中毒死した。
暴力団との繋がりを追う横浜みなとみらい署暴力犯係の諸橋班の城島たち。
それを嘲笑うかのように、事件を追っていた新聞記者の宮本が、さらには暴力団構成員までが次々と
同じ手口で本牧埠頭に死体で浮かぶ。
「ハマの町は俺が守る!」 暴力団を激しく憎む「ハマの用心棒」こと城島警部の闘いが始まった。
展開がのらりくらりとしてイライラした。
読んでいて予想できる真相をあえて違う方向に意識させているのが原因だ・・・後半やっぱりと・・・。
しかしラストの追い込みは面白かった。
逮捕術の天才「倉持」は合気道の心得でもあるのか?
今野さんの警察シリーズはいろいろあって其々面白いこのシリーズも続きそうだ。
2010年6月 徳間書店刊
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今野敏著「惣角流浪」 

2011-07-13 | 今野敏
著者の今野さん自身も空手武道を持っているので、格闘シーンの描写は迫力がある。
江戸から明治へ- 武士の世が終焉を迎えたとき、少年は合気に生きる決意を固めた。
触れるだけで相手を投げ飛ばす奇跡の武術、大東流合気柔術の中興の祖・武田惣角の波瀾の
青春を描いた青春物語。
「進む道は武芸なり」の信念のもと、武士の世が終焉を迎えた維新後もひたすら修行に励む。
のちの講道館柔道の創始者・嘉納治五郎との対決を機に、惣角の流浪が始まる。
西郷隆盛との会話、琉球空手の使い手・伊志嶺章憲との命を懸けた闘い。
合気の道を極めんとする男の壮烈な青春を描いた明治格闘小説。
『秘伝というのが・・・崩しだよ。相手が攻撃してくる瞬間には、相手の重心は移動している。つまり、崩れているんだ。相手が力を入れようとする瞬間も意識の中ですでに重心が移動しているから、体勢が崩れている・・・つまり、技をかける前にくずさなければならないんだ。』(P212)
高校生の時、柔道を少しかじったがそんな格闘技の極意が少し理解できたので面白かった一気に読めました。


1997年10月 集英社刊  集英社文庫
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今野敏著「エチュード」

2011-06-14 | 今野敏
警察小説。題名の「エチュード」は仏語で勉強の意。
美術の世界では、習作、とか下絵。演劇の世界では、即興で演じていく稽古。
音楽の世界では練習曲のこと」(P259)
渋谷・新宿で相次いで発生した無差別殺傷事件。
警察は衆人環視のなか、其々犯人とは別人を現行犯逮捕するという失態を繰り返してしまう。
警視庁捜査一課・碓氷弘一は警察庁より派遣された美人心理調査官・藤森紗英を相棒に事件の真相を追うことに。
心理調査官藤森は、事件の情報が集められ蓄積されるにつれて、犯人の行動を的確に予測していく反面他の捜査係官達からは、「そんなことありえるのか?」という懐疑の眼差しで見つめられるのだが・・・。
犯人を絞り込む過程が面白い。
若干なぜ心理調査官が、そこまで犯人の心理を読めるのか疑問に感じたが、
さすが著者の今野氏は早い展開で日本ではあまり行われていないプロファイリングの手法を駆使して、見事に高精度に犯人の行動まで予測し、高度な心理学を学び身につけた犯人と対決する。
そんな、プロファイリングを駆使した捜査が面白かった。
美人心理調査官・藤森紗英を主人公に続編を期待したい。

2010年11月 中央公論新社刊
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今野敏著『警視庁FC』

2011-05-22 | 今野敏
「FC」 とは、サッカーの「Football Club」ではなく「Film Commission」の略。
映画やドラマの撮影に対し て、様々な便宜を図るための特命チームである。
室長の切れ者と評判の長門以下、4名がメンバー。
いわゆるマル暴担当の山岡諒一。交通部交通機動隊所謂白バイの服部靖彦。
唯一の女性、交通部都市交通対策課所謂ミニパトの島原静香。
そして、主人公の地域部地域総務課の楠木(くすき)肇。
4人とも専任ではなく、本来の業務との兼務である。楠木の勤務する本庁の地域総務課は日勤で週休2日である。定時に登庁して定時に上がる。刑事になるなんて思ってもいない、できれば努力などしないで一生を終えたいという草食系サラリ-マン警察官。
狩り出されて警備についたた映画の撮影中、助監督がロケバスで殺害された。
殺人の捜査は本来捜査本部の仕事で、警視庁FCの仕事ではないはず、と他人事のように思っていた楠木だが、なぜか山岡や室長の長門は捜査に乗り気。
どんどん楠木の望まない方向に・・・。
早く帰りたいまるでやる気の無い警察官がどんどん優秀で熱血な人物と誤解されていく課程が殺人事件なのに緊張感がまるで無い落語の「蒟蒻問答」のようなクスクス笑う展開に。
硬派なイメージの著者の作品でないような不思議な思いがけない展開に吃驚しましたがこんなのもたまには面白い。

2011年2月 毎日新聞社刊
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今野敏著「初陣 隠蔽捜査3.5」

2010-11-30 | 今野敏
竜崎が主役の隠蔽捜査シリーズの番外編とも言うべき幼馴染にして立場の違う同期のキャリア。
このシリーズは第1弾「隠蔽捜査」で「吉川英治文学新人賞受賞と第2弾「果断・隠蔽捜査2」で山本周五郎賞・日本推理作家協会賞受賞。「疑心・隠蔽捜査3」に続く。
今回は伊丹俊太郎の立場から描いた作品で竜崎の特異なキャラクターが際立つ内容。
伊丹と大森署署長・竜崎伸也。警視庁刑事部長という重責ポストに着任した伊丹が組織の壁に悩むながら次から次の難題に苦境に陥るが竜崎のぶれない信念がヒントになり伊丹を救う。
二人の会話は読んでいて本当に愉快で楽しい。
窮地に陥り右往左往する伊丹が竜崎に電話する場面が頭に浮かぶ。
8つの連作短編だが本来のシリーズを読了済みだとより楽しめるだろう。
「3.5」とあるのでシリーズ「4」が、待ち遠しい。


2010年5月新潮社刊
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