愛猫を亡くし、喪失感にうちひしがれていた25歳の営業マン立花明海は、西船橋の古本屋で普段は読まないだろう自己啓発系の本を買う。すると、中に元の持ち主の名刺が栞代わりに挟んであり、明海が最も心を動かされたフレーズにはすでに傍線が引かれていた。気になった明海は悩んだ末名刺の「大滝あかね」にmailする。思いがけず返事があり会うことに。あかねは明るい5歳年上の女性で、日常の物事を幸福感たっぷりに捉えている“幸せの天才”だった。明海には、今まさに恋愛関係に発展しそうな会社の同僚・松原弥生がいたが、あかねの存在が徐々に大きくなっていく。だが・・・あかねには恋人がいた。彼は病に伏し、余命宣告を受けているという。新たな出会いとともに違う人生が現れ、明海は悩み、勇気を奮い、道を決めていく恋愛小説です。「わたしの視界に入ったものすべてを、きらきら輝いたものにしてくれる眼鏡・・・いろんな物事をキラキラしたところにフォーカスする眼鏡を、常にかけたつもりで生活していること」(P162)「人はみんな、生き方と死に方を学んでる学生なんだって」(P337)「「命って、時間の事だからさ。もたもたしてると時間切れになっちゃうぞ」(P359)
2015年11月双葉社刊
グーグルやスマホでヒットし、小一時間で読めます。
その1からラストまで無料です。
少し難解ですが歴史ミステリーとして面白いです。
北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。
読めば歴史探偵の気分を味わえます。