夏休みと言えば、私たち塾の仕事をするものにとっては夏期講習の時期であり、年間を通じても忙しい時期のうちの一つです。
学習塾を生業とする両親を持った私は、幼いころには弟とともに父の実家である宮崎県の田舎で夏休みを過ごすことが何度かありました。祖父母とも私たち兄弟をかわいがってくれ、ジュースや小学生向け雑誌、さらにはカブトムシをたくさん捕って迎えてくれました。とは言え、やはり自宅での生活とは異なり、テレビのチャンネルは東京よりも少ないですし、食べるものも違います。遊ぶ場所も田舎ですから限られましたし、時間を持て余すこともよくありました。少しばかり東京の方が良かったな、と思いつつ兄弟で遊んでいたことを思い出します。
しかし、遠くまで広がる空や、蛇やカエルがすぐそばにいるそんな自然の中にいられたことは今思うと恵まれていたとも思います。
今日は今年の中では最も暑いくらいの猛暑でした。夕食から戻り、夜の授業に参加する生徒たちを迎え入れていると、とても素敵な夕焼け空を見ることができました。中には教室からわざわざ出てきて空を見上げている生徒もいました。こんな空を見ていたら、ふと遠い昔の記憶がよみがえってきたのでした。