今年の夜明けのハイキングは大変な当たり年でした。
山に登る途中、生徒たちの「塾長、何かいる!」の叫び声がしたので、近づいてみるとカモシカがじっとこちらを見つめていました。私も驚きつつ、万が一カモシカがこちらに向かってきてはいけませんから、生徒たちに「さぁ行くぞ!」と声をかけ先に進みました。生徒たちはあまりにもカモシカが動かずこちらを見ていたままだったので「あれはもしかして剥製だったんじゃ無い?帰りに確かめよう。」などと話し合っていました。
次に生徒たちが見つけたのはヘビでした。サイズは小さく、すぐにヘビは草むらに逃げていきました。過去に私がこの夜明けのハイキングでヘビを見たことがあるぞ、と以前話したことがあるものですから、生徒たちは「今年もヘビも見られた!」と怖がるどころか喜んでいました。
山頂に着くと、今度は視界いっぱいに広がる夜空に文字通り満天の星を見ることが出来ました。住宅街とは異なり、真っ暗な中で見る星はその数が普段とは段違いに多く、生徒たちは数十分もじっと夜空を見上げていました。すると、スッと星が流れていきました。「流れ星が見えたぞ!一点を見つめるのではなく、ぼんやりと夜空全体に視野を広げて見ていれば見られるよ。」と教えたところ、ほとんどの生徒が流れ星を見ることができました。
帰り道では、生徒たちは行きに見たカモシカが剥製なのか生きているのか確かめたくて一生懸命探していました。流石に帰り道まで同じところにはいないだろうと思っていたのですが、いたのです!同じカモシカがほぼ同じ辺りにいました。今度は少し動いたので、「やっぱり生きていたか〜。」と、納得したようです。しばらくその様子を見ていたところ、近くから聞きなれない物音がしました。「あ、あそこ!」一人の生徒が指差した先にいたのは…ムササビでした!皆がそちらに目を向けた瞬間、ムササビが木から木へ飛び移りました。何十回もこの山を登りましたが、ムササビを見ることさえ初めてで、さらに飛び移る瞬間まで見ることができて私も感激してしまいました。
一度にこんなに貴重な体験が出来るとは想像もしていませんでした。今年の生徒たちは例年以上に運を持っているようです。これからさらに頑張って志望校に全員合格できるよう、期待しながら彼らとともに頑張っていこうと思います。
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