深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

VMキネシオロジー 3

2012-09-08 17:07:54 | 症例から考える

キネシオロジー・セミナーの宣伝も兼ねて書いているシリーズの第3弾。

この記事はVMキネシオロジー 12の続きなので、未読の方はまずそちらをご覧下さい。用語の説明については1、2で述べたものは省略。

で、BGMも1、2と同じくアニメ『ギルティクラウン』のOSTから「Bios」だ。


一口にキネシオロジーといってもさまざまな種類があるが、ポーズ・ロック(PL)やスタックといった手法を用いるキネシオロジーの場合、それがやっているのは、要するに「情報要素を使ってメモリ空間上に1人の人間を仮想的に構築すること」であり、私が勝手にVMキネシオロジーと名づけたこれは、そのメモリ空間を従来の関節受容器から仮想空間に移したものであることを、これまで1、2で述べてきた。

仮想メモリ(virtual memory;VM)を用いることで、関節受容器の時のような煩雑な操作が必要なくなる、ということが理由の1つだが、実はVM化することで、もっと大きなメリットが得られる。

VM化することの真のメリットとは、メモリ空間の容量を理論上、無限大にできることである。


関節受容器をメモリとして用いる場合、受容器の数が多いという理由で一般に股関節や顎関節が使われるが、その受容器にメモリとしてどれだけの容量があるのかはわからない。恐らく調べた人はいないだろうし、少なくとも現在のところ、それを調べる方法があるとも思えない。

あくまで私が「マインドで聞く」方法で調べた限りでは、安全確実にスタックする(=積み上げる)ことのできるデータは20個、という結果だった(注1)。この20という数字は、普通に臨床で使う上では特に支障のないものであり、だからこれまで誰も問題にしてこなかったのだと思われる(注2)

とは言え、私は(特に自分を治療する時など)平気でスタックを重ねていく(注3)ので、VM化して理論上、スタックの上限がなくなったことは、非常にありがたい。

だが、無限の容量を持つメモリ空間を得たことは、そんなものを遙かに超える可能性を手にしたことになる、と私は考えている。なぜなら、無限大の容量を持つメモリ空間上には情報要素によって1人の人間を仮想的に構築するのみならず、「この世界そのもの」を仮想的に構築し、それを包含することができてしまうからだ。


ここで重要なのは、スタック操作でメモリ空間に入るのはデータ本体ではなく、データ本体の在処を指し示すポインタだけである、ということ。データの本体はどこか別の所(注4)にあって、それはどこにもコピーされない。ただ我々はそのポインタを通じてオリジナル・データの必要な箇所にダイレクトにアクセスしているため、まるでメモリ空間の中にデータ本体が入っているかのように考えても、操作する上で矛盾は生じないのである。


では、スタック操作でメモリ空間に入るのがデータ本体ではなくポインタであることが、なぜそれほど重要なのか?

メモリ空間に「この世界そのもの」を包含しようとする時、入ってくるのがデータ本体だったとすると、いかにVMといえどもメモリ空間もまた「この世界そのもの」の一部だから、メモリ空間が包含した「この世界そのもの」の中には、当のメモリ空間も含まれていなければならなくなる。つまり、「この世界そのもの」を包含するメモリ空間は、自分の中に自分自身も含んでいなければならないのである。これはパラドックスだ


だが、スタック操作でメモリ空間に入るのがデータ本体ではなくポインタであれば、このパラドックスは回避できる。それゆえ、メモリ空間に入るのはポインタだけでなければならないのだ。そしてPLやスタックの操作は、この条件を満たしている。


では、VM上に「この世界そのもの」を仮想的に構築し、それを包含することに何の意味があるのか?

それはもちろん、VM上に構築した仮想的な「この世界そのもの」によって、実体としての「この世界そのもの」を操作できる可能性があるから、である(ちょうどキネシオロジーの治療が、VMに構築した仮想的な人間を介してその人の実体を操作するものであるように)。

ただ残念ながら、今のところ、その試みは上手くいっていない。それは私が、VM上に「この世界そのもの」を十分なレベルで構築できていないせいかもしれない。だとしたら、仮想的な「この世界そのもの」を、あるレベルを超えてVMに構築することができれば、VMを介して「この世界そのもの」を変えることができるだろうか?


上に述べたことは、無限大の容量を持ったVMをキネシオロジーを使ってpracticalに活用する一例に過ぎないが、これだけでもこのVMキネシオロジーの持つ可能性を感じていただけると思う。

そういうわけで、セミナーや練習会へのご参加をお持ちしています。


(注1)「20個が上限」と言っているわけではないことに注意。もっとたくさんのデータをスタックすることもできるが、あまりスタックしすぎると、データの確実性を保証できなくなる、ということ。

(注2)ただスタックするということは仮想的なレベルで相手の体を変化させることになり、相手の身体的な負担が増すので、CBSのセミナーでは、あまりスタックしすぎないように、と注意される。

(注3)過去には自分自身に対する治療でVMに200個を越えるスタックを行ったことがあるが、さすがに重いと感じた。

(注4)例えば、それはアカシック・レコードの中にあるのかもしれない。


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