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「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

映画『ドミノ』の危険な悦楽

2005-10-31 13:43:54 | 趣味人的レビュー
『ドミノ』を観に行ってきた。ハリウッド映画は大半がクズなので、カネをやるから、と言われても観に行きたくない私だが、これは当たりだ。もっとも、誰もが絶賛するとはとても思えない。観る人を選ぶ映画、かな。

映画でも、ほんの少しだけ触れられているが、主人公、ドミノ・ハーヴェイは、名優ローレンス・ハーヴェイの娘。父親の死後も暮らしは裕福で、一時はモデルなどをやっていたこともあったが、どういう心境の変化か、バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)になってしまう。

バウンティ・ハンターとは、保釈金を積んで保釈されながら行方をくらました容疑者を追い、そいつを捕らえることで、積んだ保釈金の一部を報酬として受け取る、という稼業。ある意味、法のグレー・ゾーンをその活動の場とする、極めて危険な仕事で、途中で命を落とす者も珍しくないらしい。

ドミノは、ヴェネズエラ人の男、アフガン人の男らと組んで、”ファースト・レディーズ”事件に関わっていくが、その裏にはFBIやマフィアも絡んでいて、窮地に立たされる…と、映画はそんなお話なのだが、何より鮮烈なのは、そんなお定まりのストーリーなんかじゃなく(と言っても、これはこれでなかなか面白いのだが)、ザラついて荒れに荒れた映像。60~70年代の、あのギラギラした感じ、とでも言ったらいいか。

映画的には、バウンティ・ハンターという稼業のポジショニングやドミノの心象風景を象徴しているのだと思うが、その荒れた画面が何ともいえず心地いいのだ。まるで、自分自身の心の中の荒涼とした部分があぶり出されてくるみたいだ。ヤバイな…

ついでに、登場人物の相関をナレーションと一緒に図で紹介するという、ちょっと人を食ったような仕掛けも楽しい。

ちなみに、ドミノ・ハーヴェイは実在の人物(映画の最後に、実際の本人の姿も出てくる)で、バウンティ・ハンターになったのも事実だが、この映画は主人公のドミノ以外の登場人物は全くの虚構だという。じゃあ、あの映画は全くの作り話なのか…?? 私にはわからない。

ただ、(映画には出てこないが)ドミノ本人は、映画の完成を見ることなく35歳で謎の死を遂げた。

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