先頃、第7回AKB選抜総選挙が行われた。
と言っても、私はAKBグループについては、劇場公演に行ったこともCDを買ったこともなくて、せいぜいドラマ『マジすか学園』シリーズを見ていたことくらい。
件(くだん)の選抜総選挙も、テレビで生中継しているのは知っていたが、見たのはもう終わり間近になってからだった。それはちょうど高橋みなみ(たかみな)のスピーチの途中だったと思う。途中からにもかかわらず、その話は思わず聞き入ってしまうような迫力に満ちていた。
その後、ネットでたかみなのスピーチの全体を知った。それをここに引用する。BGMは当然、AKBの曲を使うべきところだが、敢えてアニメ『血界戦線』のOP「Hello,world!」を使うことにした(埋め込みができないのでリンクで)。その理由は後ほど。
まず、みなさん本当に、ありがとうございました。
私がAKBに入ってから、今年で10年が経ちます。
7回目の総選挙、最後の総選挙でした。
1期生としてメンバーとして入ってきて、たくさんのメンバーの卒業を見送ってきました。
いろんな葛藤や、いろんな思いがありました。
そして、私は、入って1年ぐらいの時にあることに気づきました。
「私はこのグループでは、1番にはなれない」ということです。
同期には前田敦子がいました。次の期には大島優子がいました。
みんなすごくて、カリスマ性があって、絶対的人気があって。
私は歌手になりたくて芸能界を目指しました。
たくさんオーディションに落ちました。
そして受かったのがAKB48でした。
歌手になりたいけど、アイドルになりました。
カワイイとか、アイドルとか全然分からなくて。どうすれば人気がでるのかも分からなくて。
でも、このグループがすごく好きになったから、すごく頑張りたいなって思って。
気付いたらキャプテンになって、総監督になっていました。
そして、総選挙があって。
「私なんかが、1位になりたいなんて言っちゃいけないな」って思いました。
グループが好きだからこそ、グループの先を見ました。
「この人がセンターになったほうがいいな」
「この人が次1位になったらいいんじゃないか」
自分のことなんてどうでもよかったんですけど…。
でも、きっとここにいるメンバーみんなが思っていることを、私も一緒に思っています。
「1位になりたいって、言ってみたいな」ってことです。
私は最後の総選挙で初めて「1位になりたい」と言いました。
確かに、目標としていた順位には届かなかったし、ここまで呼ばれなかったから、1位になろうって思ったけど。
でもね、今、本当に清々しいです。1位になりたいって言って、ファンのみなさんと一緒に、ひとつの目標に向かって頑張ってこれたことがとても嬉しいです。とても幸せです。
ここに立ったら何を言おうかとすごく考えていました。
何を言うのが正解なのか。最後の総選挙で私は、みんなに何を残せるのだろうと。
なので、ここからは、是非メンバーに聞いてもらいたいなと思います。
私は、メンバーに残したい言葉があります。
多分みんな、いろんな活動をしていて、「悔しいなぁ」とか「頑張っても、100頑張っても1ぐらいしか評価されないなぁ」って、たくさん矛盾を感じていると思います。
でもね、人生というのはね、きっと「矛盾と闘うもの」なんだと思います。
色々思うことがあると思う。
でも、頑張らなきゃいけない時っていうのがあるし。
頑張らなきゃいけないときっていうのは、一瞬ではないということを、みんなに覚えておいてほしいなと思います。
272人、今回立候補しました。
呼ばれたのは80人でした。
呼ばれなかったメンバーは、では、頑張っていなかったのか。
違います。
みんな頑張っています。
劇場公演に立ち続け、学業を両立して頑張って、自分のやらなきゃいけないことと一緒に頑張っているんです。
でも、ここに立てるのは80人なんです。
だからきっと、AKBグループにいればいるほど、頑張り方がわからなくなると思います。
どう頑張ったら選抜に入れるのか。
どう頑張ったらテレビに出れるのか。
どう頑張ったら人気がでるのか。
みんな悩むと思うんです。
でもね、未来は今なんです。今を頑張らないと、未来はないということ。
頑張り続けることが、難しいことだって、すごくわかってます。
でも、頑張らないと始まらないんだってことをみんなには忘れないで欲しいんです。
私は毎年、「努力は必ず報われると、私、高橋みなみは、人生をもって証明します」と言ってきました。
「努力は必ず報われるとは限らない」。そんなのわかってます。でもね、私は思います。頑張っている人が報われて欲しい。
だから、みんな目標があると思うし夢があると思うんだけど、その頑張りがいつ報われるとかいつ評価されるのかとかわからないんだよ。
わからない道を歩き続けなきゃいけないの。
きついけどさ、誰も見ていないとか思わないで欲しいんです。
絶対ね、ファンの人は見ててくれる。
これだけは、私はAKB人生で一番言い切れることです。
だから、あきらめないでね。
松村がまさか私の名言を言ってくれるとは思わなかったんですけど。
そうね。ネタにされるよね。
キレイ事だもんね。
でもね。今年も、卒業してからも、言わせてもらいます。
最後なので。まあよく、「アコースティック・バージョン」とか麻里子様にいじられたりしたんだけど。
これが、高橋みなみ・総選挙ラストバージョンです。
みなさん、一緒に言ってくれますか?
いきます。せーの!
「努力は必ず報われる」と、私、高橋みなみは、これからも人生をもって証明します。
ありがとうございました。
キャプテンとして、そして後にはAKBグループの総監督としてグループの前線に立ち、多分何度も矛盾を飲み込み、何度も修羅場をくぐってきたであろう人の言葉は、それだけのものを感じさせるものだ。
BUMP OF CHIKINの『Hello,world!』をBGMに使ったのは、それ自体がたかみなのことを歌っているようでもあると同時に、全く違う言葉でたかみなと全く同じこと語っていると感じるから。例えば最後の部分にはこんなこんな歌詞が出てくるだろう。
さあ目を開けて 君は強い人
その目が見たから 全ては生まれた
選んだ色で塗った 世界に囲まれて
選べない傷の意味はどこだろう
ご自分だけがヒーロー 守ったものがある
恐いのは その価値を知っているから
塞いだ耳で聴いた 虹の様なメロディー
砕けない思いが内側で歌う
悲鳴をあげたヒーロー 世界の真ん中で
終わるまで出突っ張り 自分が見ている
だからもう 死んだふりも意味ない
ハロー どうも 僕はここ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます