ひどい頭痛になった。いつもは違う方法を使うのだが、クラニオによるセルフ・ヒーリング、つまり「自分で自分にやるクラニオ」のセミナーもやってるので、今回はそれを自分でクラニオセイクラルをやって治すことにした。
では、ここからはアニメ『Steins;Gate』OSTから「Gate of Steiner」とともに。
「セルフでやるクラニオ」といっても、手や腕をかなりアクロバティックな形にして頭蓋をホールドする、みたいなことはやらない。
──いや、昔はそういうことをやっていた。バイオメカニカルなクラニオを学んでいた頃のことだ。練習させてくれる相手がいなかったので、自分の体を練習台にしていた。
前にもブログで書いたけど、クラニアル(クラニオ)のセミナーから帰ってくると大抵、頭痛がしていたので、クラニアルを使ってそれをどこまで治せるか、なんてことをやっていた。
ベッカー・ホールドの形なるように手や腕をかなり無理な位置にして、頭蓋の動きを評価し、アプレジャーの10ステップ・プロトコルに倣って施術する。もともと頭痛がしている上に腕もメチャメチャ辛いのだが、それでも1時間くらいは治療を続けたもんだ。それでも治せたのは1回くらいだったか…。
さすがに今は、そんなバカバカしいことはやらないけどね。バイオダイナミクスに転向してからはホールすることさえ要らなくなったので、自分に対するクラニオの治療は本当に楽になった。
さて、今回の頭痛はいろいろ試してみたが、結果が芳しくない。その時ふと静止(stillness)への誘導を使うことを思いついて、それをやってみることにした。
静止というのはクラニオにおける重要な概念の1つだが、バイオメカニクスとバイオダイナミクスでは意味が全く異なる。
バイオメカニクスの場合、静止とはクラニオセイクラル・リズムとかクラニアル・ウェーヴと呼ばれる周期的に生じる律動が停止した状態を言う。
バイオメカニクスはクラニアル・ウェーヴでの各骨の動きを評価し、その動きのアンバランスを病変/障害としてとらえる。そして静止への誘導はパソコンで言う「OSの再起動」のように、クラニアル・ウェーヴを一旦停止させ、再び動き出すのを待つのである。
パソコンでOSの再起動すると不安定だった動作が安定するように、頭蓋もクラニアル・ウェーヴを再立ち上げさせることで、アンバランスだった各骨の動きがバランスの取れたものになり、その結果、全身の状態が改善する、というのがバイオメカニクスの静止への誘導だ。
それに対してバイオダイナミクスでは、静止とは生体を構成する組織、体液、ポーテンシー(生気)が生じるところ、と考える。だから静止への誘導とは、バイオメカニクスが考えるような「動きを一時停止させること」ではなく、究極的には「根源への入り口を開くこと」に他ならない。
そしてバイオメカニクスの静止への誘導は動きを物理的に止めてしまうため、動きが止まれば静止に入ったとみなされ、そこで終わりだが、バイオダイナミクスの静止への誘導はそうした物理的な操作を行うものではないので、静止には階層が存在する。
フランクリン・シルズの『クラニオセイクラル・バイオダイナミクスVol.1』などでは、静止には7階層(7深度)がある、と書かれている。
そして私が今回行ったクラニオの施術で自分の頭痛が消えたのは、静止を第6層まで入れた時だった。
この話は「2」に続く。
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