BARを名のるブログである以上、“お酒”について語らないわけにはいきません。
今回、日本初のモルトウイスキー蒸留所であり、”日本のウイスキーのふるさと”といわれる「山崎蒸留所」の
工場見学に行ってきました。
この山崎、京都の南西、天王山の麓に位置し、竹林が生い茂る豊かな自然に抱かれた地なんですね。
桂川・宇治川・木津川の3つの川が合流して、淀川になる場所にあり、3つの川の温度差によって、
霧が湧く湿潤な気候が、ウイスキーづくりに最適な風土を形成しているのだそうです。
そして、見逃せないのが山崎の名水。山崎は万葉の歌にも詠まれた名水の里で、「離宮の水」と呼ばれる
水が湧き出て、日本の名水百選の一つに選ばれていて…千利休もこの水でお茶をたてたと言われている…。
もうひとつ水について。京都盆地の下には、琵琶湖の水量に匹敵する程の地下水が蓄えられているようで、
この水があってこそ、伏見の酒をはじめ、豆腐、昆布のうまみを引き出す京料理…などなどあるのだとか。
調査の結果、この京都盆地に蓄えられた水の唯一の出口が天王山と男山の間にあるそうで…
…この間の地、天王山の麓に山崎蒸留所があるんですね。
ここで、品質・生産量共に世界で高い評価を受けている“世界の5大ウイスキー”産地は、
スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、そして日本です!
それぞれの国を代表するウイスキーは、原料からつくり方、風味や銘柄の特徴があります。
そして、大麦麦芽を原料とするウイスキーを“モルトウイスキー”、さらに、同一の蒸留所で
作られたモルト原酒だけでつくられたウイスキーが、“シングルモルト”ってことなんです。
ここ山崎蒸留所は、水と立地の素晴らしさに加え、設備や工程において、
多彩な個性のモルト原酒をつくっていることがわかりました。
では、モルトウイスキーのつくりかたを。
製麦:原料となる二条大麦を発芽・乾燥させ、麦芽にする。
仕込:麦芽を細かく砕き、温水とともに仕込み槽へ。
そして、麦汁を発酵槽に移します。ここでは、ステンレス槽のほか、木樽を使用。
木樽は管理が難しい反面、豊かな味わいを生み出すのだとか。
そして、アルコール分7%のもろみが出来上がります。
蒸留:もろみを、ポットスチルと呼ばれる独特な形をした単式蒸留釜を用い、初溜と再溜を行います。
炎を直接当てる“直火蒸留”、蒸気を使った間接加熱の“間接蒸留”を使って、ニューポッド
(蒸留されたばかりの若いモルトウイスキー)を取り出し、再溜でバランスのいい成分だけを取り出すのです。
ポットスチルには、大きく分けてストレートヘッド型・バルジ型・ランタンヘッド型の3種類があります。
この色や形を見て、何に似てるのかしばらく気になってましたが、これでした。
製品は違えど、イメージが一貫してます。
熟成/貯蔵:蒸留された原酒は樽に詰められ、貯蔵庫で永い眠りにつきます。同じニューポットでも
詰める樽によって熟成後は味の異なるウイスキーに仕上がるのです。
樽の種類は、バーレル・ボックスヘッド・パンチョン・シェリー樽があって、
ここには、樽材に日本産オーク(ミズナラ)を使用した樽があります。ミズナラ樽原酒は、
伽羅や白檀の香りとも喩えられる、独特な熟成香が得られるんだとか。
ミズナラ樽の判別法は…左画像のようにNo部分が□で囲われているのがミズナラ樽です。
右の樽には「100周年記念」の文字がありますね。
ブレンド:ブレンダーが数ある原酒より一日200から400種類をテイスティング。
製品それぞれの特徴や、クオリティーをを満たすものを選び、くみあわせて、
一つのウイスキーに仕上げます。
経験・感性・創造、この匠の技を持って、ウイスキーに仕上げていくのです。
山崎10年を、ザ・プレミアムソーダ使って、ハイボールにしていただきました。
次に、山崎12年をテイスティング、その後、オン・ザ・ロックスと山崎の伏流水で天然水割りにして
おいしく飲みました。
画像にはありませんが、アメリカを代表してジャックダニエルを、
スコットランドを代表してバランタインファイネストをテイスティングし、
これらも、オン・ザ・ロックスでおいしく飲みました。
いやはや、どれもが個性的。。。ウイスキーの世界は奥深い…。