うーん、三体2までは面白かったんだけどな、というのが正直な感想。2まではお勧めできる。
という人結構多いんじゃないかと思って調べてみたら同じような人沢山いた😅
著者はこの3巻目を、一般読者よりもコアなSFファンに向けて書いたとのことで、私のこの感想も一般読者としては正当だと思われる。
でもその甲斐あって劉慈欣氏は世界的SF作家としての名声を確立した。
3巻目はとんでもなく飛躍したストーリー展開で、単に著者が宇宙で起こり得る様々な事象について理論展開したかったんだな、という感想。
SFとはサイエンスフィクションの略だけれど、サイエンスは秀逸だとしても3巻目はストーリーに難あり。
スケールを大きくしたかったためか1巻の精緻さと比べて描き方が雑だし、そこまで描きたいのなら行動の主体となる主人公は変えたほうが良かった。
凄く残念🥲
藍色空間と万有引力(戦艦の名前)が大変人類にとって有意な働きを沢山するのだけど、著者が描いた地球側の動きよりもずっと、物語中では省略された2艦の社会の発展が読みたかった。
3巻で突然時空を超えて会うから、そんなに簡単に時と空間座標特定できて待ち合わせとかできるもの?とその後のすれ違いエピソードも含めて余計に????となる。理屈はあれどあんまり納得できない。
サイエンス部分は私の妄想ではカバーしきれなかったので、早く映像で見たい。渦巻きのところもわかりやすく比喩してくれたのだと思うけど( ゚д゚)ポカーンだった。
次元攻撃の所までは良かったけど、下巻が本当に余計だったな…。前二作の闘争物語が結局どうでもよかった感じでスケールインフレ状態。
これなら約束の地で旅の終末に再会する形ですっきりと終わった方が良かった。最後本当に蛇足に感じて、これほど長大で重厚な物語の終わり方としてもったいない〜!😖と思ってしまった。
あと、この物語全体で言われる評価として女性の描き方が気持ち悪いということが言われている。これは女性が読めば言わんとすることは分かると思う。
物語中でも、最近の女性化する社会について半ば批判的描写で物語中に出てくるし、最終的には男性性を再評価して終わる。
これは劉慈欣氏のバックグラウンドに拠るものかな、と思う。1963年北京で生まれ、3歳の時に山西省の炭鉱の町、陽泉に移り住み、本業はエンジニアで、発電所のコンピュータ管理を担当。
物心ついたころは文化大革命の真っただ中。陽泉市は武力闘争が激しかった街で「外で銃声が聞こえ、家から出してもらえなかった」と振り返り文革期は外国の文学は所持することさえ危うかったとのこと。
あの時代を生きぬいた女として、作中では葉文潔が描かれており、この物語の発端となった人物でもある。どことなくグルーミーで人間に期待しておらず、物語の中で唯一リアルな女性として感じることができる女性でもある。
当時を生き抜いた人間からすると、最近の女性というものはふわふわしていて、目的意識に欠けるのかな、という感じであくまで著者の捉える女性性というものが投影されているのかな?と感じた。
とりあえず、読了!
グレッグ・イーガンやグレッグ・ベアなどのハードSFという領域があるということを認識したので、いつか読むかもしれない。