sololoblog

適当に生きている適当な日常メモ(お返しイイネ&followご無用です🙏thanks!更新通知で読んでます)

劉 慈欣『三体』読んだ

2024-08-13 | 
難しい。
物理の素養の全く無い私には大変難しいSFだった。

正直良くわかってない(;´∀`)

雰囲気は幼年期の終わりに近しいのだけれど、著者が中国の方というだけあって、地球外生命体と接触する経緯や国体が非常に中国、といった感じであるし、とても面白かったのは接触した地球外生命もまた同様に非常に中国的な雰囲気を感じる思考回路であった。

なお著者の劉慈欣(Liú Cíxīn)氏は電力エンジニアを専門としており、華北電力大学を卒業、電力プラントでエンジニアとして働いていたそうな。彼の科学的知識とエンジニアリングの経験が、彼のSF作品にリアリティと深みを与えている、とのこと。

三体とは、作中で説明されるが、天体力学の『三体問題』に由来する。(詳細は物語のベースなので省く)

知識がない分、書かれている文の通りに生体が、生体の生存できない環境下に一気に放り出される状況を想像するのが、なんだかリアルでとても怖かった。
映画インターステラーの激しい版みたいな感じ(インターステラー好き。重力津波の所が特に印象深い)。

著者が機電系だけあって、星を継ぐものよりも生物学感が大変薄いので、普通の文系には星を継ぐものの方が取っつきやすいかもしれない。

三体は、2015年のヒューゴー賞長編部門をアジア初の快挙として受賞したとのこと。

これからがいいところ!というところで初編が終わったので、続きを買ってまた積読しておこうと思う。

三体2を買ったら前巻のあらすじがついていて、そういうことだったんだ〜となった(;´∀`)

三体2を読み中だが、相変わらず「なんか不思議な物語だなぁ」というアホみたいな感想をもったまま読み進めているところ。つまらないかというとそういうわけではない。

色々な人の視点で物語が進んでいくし、(あるあるだけど)人名が中国名の人物が多いので、AさんとBさんを取り違えていたり、設定を混同してしまったりする。

難しいけどネタバレは絶対に見ないぞ!と思ってちびちび読んでいる。ちびちび読み進められるので、夏休みにはぴったりの本だと思う。

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』 見た

2024-03-26 | 
両方ともアニメーション映画で、乙野四方字著のラノベ?を原作としている。

辛口です

最近物の見方ひねくれてるのかな〜
自分の感じ方がおかしいのかしらん。

僕が愛したすべての君への方のあらすじは以下の通り。
人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された時代――両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦(たかさき・こよみ)は、地元の進学校に入学した。勉強一色の雰囲気と元からの不器用さで友人をつくれない暦だが、突然クラスメイトの瀧川和音(たきがわ・かずね)に声をかけられる。彼女は85番目の世界から移動してきており、そこでの暦と和音は恋人同士だというのだが……並行世界の自分は自分なのか? 『君を愛したひとりの僕へ』と同時刊行

君を愛したひとりの僕への方のあらすじは以下の通り。
人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界―― 両親の離婚を経て父親と暮らす日高暦(ひだか・こよみ)は、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞(さとう・しおり)という少女に出会う。 たがいにほのかな恋心を抱くふたりだったが、親同士の再婚話がすべてを一変させた。 もう結ばれないと思い込んだ暦と栞は、兄妹にならない世界に跳ぼうとするが…… 彼女がいない世界に意味はなかった。『僕が愛したすべての君へ』と同時刊行

ざっくり感想は、コレでキュンでしょ!と用意された脚本に微塵もキュンも感動もできなかった…

言うなれば僕の考えた最強の並行世界転移型両手に花、もとい、ハーレム的な?
フォルダA「かずねとの思い出」
フォルダB「しおりとの思い出」
みたいな。
(辛辣ゥ_(┐「ε:)_)

もとの小説は大分市を御当地にした小説らしく、地元民としてはなかなかに面白かったという感想も見受けられた。

平衡世界という概念は面白いと思うが、既にアニメ「シュタインズゲート」で既出(女性の運命をなんとかするという意味ではまるっと一緒)であるし、人間のコピーやちょっと違った人間の同一性という概念についてはアニメ「AIの遺伝子」で既出である。

そういうわけで、設定の新規性に欠け、また「女性が待つ側」的な性概念が適用された謎の映画であった。

という感想を夫にしたら、「そういう見方もあるんだね…😳」という反応で「俺はかずねちゃんの方が好み」。シランガナw

最愛の人が、いつの間にかパラレルシフトして来たその人と入れ替わっていると知ったら、同じように愛せますか?という題材らしいが、大体一緒ならまだ救いがあるし、普通に好きだと思う。

たとえば0地点の夫が死んだとしても残りの∞地点で夫が生きている世界線が現実にあるということでしょ?
今私の前にいなくとも、一生会えなかったとしても、そういう世界線が同時並行的にあるなんて救いでしかないのでは。

という話を夫としていて、まさか、ハゲていないふさふさの夫の世界線もあるのでは…!?と言ったら、ハゲは母方の遺伝によると言われているので、もしハゲておらずふさふさだとしたら母(義母)が生まれていないということであるから、それは最早俺ではないと言われて、それはたしかに夫ではないね、という話でひとしきり笑った😂

痴呆になって何十年と暮らしても配偶者がだれかもわからなくなるのが現実世界の認知症なわけで、肉体としては同一人物なはずなのに好きだった人格どころか人間にも成さぬ何かになってしまった誰かと死ぬまで過ごさざるを得ない来たるべき確実な未来の方がよっぽど辛いし、どんなに心の準備をしても耐えられる気がしない🥹怖い。

あー悲しい。

何にも知らぬ赤子の頃なら、純粋にこの世には時限を超えても貫かれる愛みたいなものがあって、この世にはこのような善き感情もあるのだ、とまっすぐ信じられたのかもしれない。

今となってはこの世はまさしく朱に交われば赤くなるであって、善き心を維持するためには善き人と善き環境の中に身を置くことが大事なのであって、良くない環境や人の悪意やいけずや噂話から距離を置く以外の方法はないのだと知ってしまった。

汚れちまった悲しみに泣いてしまうぜ。

というわけで私としてはなんかイマイチな作品でした。ごめんなさいm(_ _)m

中年の今ですら作品にこんな感想を抱いてしまうのだから、もう残りの人生感情を揺さぶられるような作品に出会うことはないのじゃないかしらん、と思ってしまう。

哀しいなぁ。

三千円の使いかた/原田ひ香 を読んだ

2024-03-14 | 
こちらも話題の本。聞いたことあるなーと思って読んでみた。

⚠辛口コメントです⚠

あらすじは以下の通り。
次女の御厨美帆はクリスマスに恋人とプレゼントを贈り合うが、自分が選びに選んで贈った万年筆と明らかに釣り合いが取れないありきたりなペンダントを寄越す彼との関係に、別れの気配を感じている。
長女の井戸真帆も、愛する夫と子供に囲まれ幸せな生活を送りながらも、玉の輿のような良縁に恵まれた友人をどこかで羨んでいる。
かつて「人は三千円の使いかたで人生が決まるのよ」と教えてくれた節約上手な祖母の琴子でさえ、祖父の死後、生活費の確保のために、再び働きに出ようとしている。人生に不可欠なお金。そんなお金の悩みを、個性溢れる登場人物が一人ひとりその胸のうちを語ってゆく。
エッセイでもなければハウツー本でもない。小説という体裁ながら、読感はどこか軽やかで、帯には「知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!」と謳われている。

結構女性ブロガーさん界隈では高評価みたいだけど…

読んだ結果は、果たしてどの世代向けなんだろう…?(?_?)という感想だった。
私でも違和感を覚える前時代感というか…。(※お前はほぼヒキニーだろというツッコミは置いておこう)

と思って調べてみたら記事があった。


2017連載、2018年刊行で「読者層は40~50代の女性が圧倒的に多い」とあるから現5-60代かな?
ギリギリ分からなくはない。60代なら分かる、50後半ならギリ分かる、かな。

ロストジェネレーション世代は男女問わずどう生きていくかという所をおそらく考えざるを得なかった世代なので、それ以前をターゲットとしているのであれば分かるかな?といった感想だった。

ミレニアル世代、Z世代なんかはもっとシビアな感じな人も沢山いらっしゃると思う。
早く海外で就職できるようにしないととか、転勤についていくとかマジでないから別居したまま結婚とか。
実際別居婚は1例ではなく複数例耳にしたし、氷河期世代のとあるパワーカップルはやや別居婚(隣県)のまま子供も作って依然として別居婚のまま生活している。

ということで、若い人にはあんまり向かないのでは…?と思ったりもした。
あと女性全方位的に誰も傷つけない小説というか。
男性陣が読んだとしたら、「なんでよりにもよって男の中でも少数派っぽいのばっかり集めたん」みたいに感じる紳士もいらっしゃると思う。

こういう類の本では実話を上回る学びになるものはなく、若い人で本を読むのが苦でないのなら、私の財産告白 (実業之日本社文庫) | 本多 静六をお勧めする。

割と読んだ人の多くが名著と挙げる本だと思う。

成功体験やノウハウだけではなく、家族に対するマインド(親が死んで金が残ると思うな一切相続させない自分で身を立てろ的な)というか生き様が書いてあるので、より面白い。

というわけであまり褒めてないかもしれないけど、世代と性別によって違う感想になりそうだな、という感想でした。

世界でいちばん透き通った物語/杉井光を読んだ

2024-03-11 | 
令和5年5月1日発行である。
ラジオで知ったが、若い人?に口コミで広まっているらしく私の耳にも入ることになった。

曰く「ネタバレ厳禁🈲/予測不能の衝撃のラスト」というやつである。帯の写真も貼る。


一応ネタバレしてないつもりだけど、気になって情報全く見たくありません!という人はまわれ右してサッサと買って読んでください。

電子書籍はありません。

こういう触れ込みで出回っているので、あんまり詳細は書かないが、触れ込みを知っているとラストの展開がある程度予測ができてしまうので帯や触れ込みも大概にしたほうがいいんじゃないかしらん😡というのが私の感想である。

途中燃やした人は正直分からなかったのでほほぅと思った。

あと、衝撃は実はラストだけじゃないし、むしろ多分こっちがメインなはずなんだけど(大変驚いた😳遅かった)あとがきでもふわっと触れるくらいなので、皆ちゃんとわかった???大丈夫?と不審がっている。

最後は95%くらいの人は気づくだろうけど、そっち分かってる人80%もいるかなー?と疑問に思っている。
流石に大丈夫よね?
ラスト以外もそりゃあ勿論分かってるよ!という人はコメで「気づいたよ」と教えてください。凄い凄いと言い合いましょう。

もし某登場人物の名前が枇摺木 櫂(ひするぎ かい)とかいう名前だったら完璧だったが流石にそれは無理だわな^^;
きっと著者もチャレンジして諦めたと思う(*´∀`)

というわけで、触れ込み通りのお話でした。

ちなみに、途中で京極夏彦先生の名前が出てきて、あの人そんな凄いことしてるの?好事家過ぎて意味不明な変態じゃん(褒めてます)となった。
これ、有名な話なの?
知らなかった〜
この作品でいちばん驚いたのは京極先生のクレイジーさかもしれない(*ノ∀`)

『家事か地獄か』 稲垣えみ子を読んだ

2023-11-26 | 
まず筆者の稲垣えみ子さんのプロフィールを書くと、1965年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員を務め、2016年に50歳で退社。以来、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしのフリーランス生活を送る、とある。

キラキラバリキャリ女子から、その経歴を活かして隠居FIRE女子になっているわけだが、その隠居っぷりは徹底していて上級ミニマリストといった感じ。

冷蔵庫、掃除機、洗濯機がないという、ミニマリストには必須の家電系は持っておらず、食料は干したり漬けたりして常温保存しているらしい。
あと、ガスも契約しておらず、料理はカセットコンロ、お風呂は銭湯通いだそうな。

住まいは都内だし、都会の隠居生活という感じで、なかなか真似しようにもできない人のほうが多いだろう。

本の中身は、ものを減らしていかに快適になったかということがずっと書かれているわけだが、私が参考になったところは主に2点だった。

1つ目は、料理は調理法別に3種類作ること。
  1. 火を通さないおかず(サラダ、漬物等)
  2. さっと火を通すおかず(炒物、焼物)
  3. じっくり火を通すおかず(煮物、汁物)
私が作ると1個か2個や😂

2つ目は、他のミニマリスト系の本にはぜったいに出てこない視点で、老後と認知症の観点から便利な物に頼りすぎずシンプルに暮らすのだ、ということ。

彼女の母親は典型的な良妻賢母型母だったそうで、たくさんの服やモノをきちんと整理し、立派な料理を作っていた人だったようである。
しかし認知症になったことにより、それらはすべて複雑なミッションになってしまった。
また、家電を買い替えようものなら、新しい技術についていけず使い方がわからず使えないまま孤独になってしまったとのことだった。

修道女のように、なにもないシンプルな清潔な部屋で毎日同じシンプルなものを作って食べ、毎日同じシンプルなものを繰り返し着て暮らす、便利なものに頼りすぎず、自分の手や頭を使って来る日も掃除する生活が良いのではないだろうか、ということで、実際にそのような暮らしを初めてはや7年とのことであった。

これは我が親の様子を見ていても本当にそうで、やれテレビが壊れた、掃除機が壊れた、パソコンが壊れた、となっても、使い方がわからず、かえって周りにとっては手間のかかることになり、手間をとっても新しいことは覚えられないので、本人には自己否定感が残り、周りは時間を奪われたと迷惑するという悪循環になっていたので、しごく納得したのであった。

とはいえ、家族がいたり伴侶がいるとなかなか難しいものがある。

いつか伴侶には先立たれ、一人で暮らすことにはなるだろうから(そもそも生きていきたいかは別にして)、こうした先人が実際に行動して様々な示唆を与えてくださるのは大変勉強になる。

生きることを縮小していくのは決して悪いことではないのよ、というのは、老いていく人を見たり、実際に自分がなっていかないとわからないことだと思う。