公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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救急症例を再検討しよう

2016年11月18日 | 研修内容
今週はイベント盛りすぎ一週間でした。
症例発表はあるわ、当直はあるわ、朝まで臨時のオペはあるわ、今日も救急症例報告会だわ。
体力の限界、気力も無くなり……と危うく千代の富士になるところだった研修医名取です。
千代の富士…あんなに偉大だったのに……涙。

疲れすぎて千代の富士の話になるところでした。
今日は救急症例報告会の話をしたかったのです。

当院では本年度から研修医が担当した救急症例が入院後にどのような経過を辿ったか、入院後の主治医の解説を含めて検討する会が発足され、月一回催されることになりました。
この会が本当に贅沢でとても勉強になる!というのを今日もひしひしと噛み締めて参りました。
疲れたけれどやって良かった!

当院の当直は全科当直です。
研修医のみならず、上の先生方も専門外の疾患を診なくてはなりません。
夜間など限られた検査体制の中で専門外の疾患を暫定的に診断し入院判断となることもあります。
その患者さんが入院後に専門科に転科しどのように治療されたか、そして救急時にはどのように対応すべきだったか専門科の先生から解説がなされます。
忙しい日々の中、往々にして専門任せになってしまう中で、振り返って系統的にフィードバックされることは研修医にとってとても勉強になります。
救急対応というのは速さも求められ、その時点では悠長に説明はもらえないため、後日ゆっくり解説いただけるのも利点です。

これだけでも有意義ですが、この会はさらに意外な効果を生み出しました。
この会のギャラリーは当院の全科の先生方です。
たくさんの専門分野の先生方から救急症例が洗い直されることになります。
そうすると、今まで気づかれなかった所見が見出されたりするものなんですね。
三人寄ればなんとやら、皆んなでああだこうだやるのがいいのでしょう。
実はこの部分が原因だった、なんてことも。
研修医どころか、なんと上の先生方すら勉強になると仰っています。
本年度から研修医のために企画され発足した会ですが、研修医が居なければ発足しなかったということを考えると、我々も病院の医療レベルの向上に一役かっているような気がして、ちょっと誇らしくなりました。

相馬の秋はタヌキ

2016年11月14日 | 日記
めっきり寒くなった相馬の秋をたんのうしている研修医名取です。
今週末はタヌキを5匹見ました。
相馬に来てから見た数ではありません、今週末だけでです。

東京23区にあった私の元会社敷地内にも都会ダヌキが住み着いていたので、タヌキを見てすごく驚くことはありませんが、でもなかなか2日間で5匹は見られないですね。
秋だからでしょうか、丸々と太りコロコロと走っていく姿はとてもかわいいです。
最近の私の趣味は夜のドライブなのですが、飯舘村方面に車を走らせるとサルを見ることができ、丸森町方面に走らせるとイノシシが見られます。
ウリボウもかわいいです。
相馬の秋は趣深いです。

前回、当院の研修をさらに良くする具体案を載せたいと綴りましたが、仕事並みのきちんとした内容を載せるとなると文章の推敲が本当に大変。
話も長くなってしまい自分も長考に入ってしまいます。
このままではブログが長いことストップしてしまう。
ということで、その話はいったんお休みにしてタヌキの話をしてみました。
真面目な話だけでなく、こういう話題があるとブログがとても書きやすくなります。

ところで先週は福島県立医大の家庭医療講座の先生が来院しへき地医療のやりがいについて講演してくださいました。
来週は福島ネットワークガイダンスで福島県立医大の学生さんの勧誘活動に行ってきます。
当院の研修環境は随一なのに、田舎にあるというのがネックになるときがあります。
田舎であることが魅力的でやりがいがあり、そして研修環境にプラスに働いている、ということに学生さんに気付いてもらいたいですね。
かわいいタヌキを見たい学生さん募集中です。



侘しい夜もあっての世の中だ

2016年11月04日 | 日記
「勢いだけが必要とされているわけじゃない。侘しい夜もあっての世の中だ。」
漫画の中にでてくる一言を思い出した研修医名取です。

ここ最近、身近な人の侘しい夜を何度か目にすることがありました。
なかなか切ないものです。
今日の夜は自分も何となく侘しさを感じました。

今日は研修医の要望を吸い上げてくれる臨床研修委員会という会が開かれました。
当院の研修体制はまだ出来て3年しか経っておらずまだまだ洗練されているとは言えません。
また、相馬といったらコレといった特別な特徴を自ら打ち出せているわけでもありません。
私がブログに書いているような数々の魅力は、病院自体がアピールしているというよりは、当院の素材の良さに学生や研修医の方が気づいていったと言っても過言ではありません。
でも、素材の良さだけで、学生や研修医の方に気づいてもらうといった姿勢で他の研修病院と勝負はできません。
見学に来てくれた学生さんが当院のそこはかとなく漂う魅力に気づいてもらえたのかいつも心配になります。
やはり病院全体としての研修への一つの方向性が必要だとここ最近おもうのです。
研修医一号の先生もそうでしたが、私は自分の研修が良ければそれで終わりではなく、後輩や相馬のためにも臨床研修体制を良くしていきたいと思っています。

そういうわけで、今日ちょっと研修をより良いものとしたい意見を発言してみましたが、何となく空回り感が否めませんでした。
人にものを伝えるって難しいですね。
共感を得るというのもなかなか難しいことです。
伝える相手も間違っていたかもしれません。
研修のことを日頃からよく考えて下さっている研修委員の方ではなく、病院全体に伝える類のものだったかもしれません。
たくさんお世話になり良くして貰った上で改善案を言うのも心苦しいところがあります。

話が長くなってしまうので具体案は次の機会にでもして、とりあえず、相馬のありのままの姿を選んで貰うのでは心許ないです。
やはり魅力に気づいてもらい、選ばれるにはそれなりの努力や対価が必要だと感じています。
言うだけではなく私も頑張ろうと思います。