公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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うどん

2016年07月27日 | 日記
研修医の濱近です。
さっきベッドから落ちました。
激痛で予定より早起きになったのでブログ書いています。


うどんの話をしようかと思います。
僕は丸亀というところの生まれで、最近丸亀製麺が全国にできたおかげで知名度上がっていますが、
丸亀には丸亀製麺はありません。神戸か大阪辺りの会社みたいです。


香川県人は基本的にうどんを朝に食べます。
うどん屋には二種類あって、普通に11時頃からやっている一般的な店と、
もともとは製麺所で、近所の人むけにちょっと作業所の脇で食べさせてあげてたのが店に発展した、
というタイプかのどちらかで、あとは飲み屋街にある深夜営業のシメの一杯的な店が少数あります。


讃岐うどんブームを生み出したのは製麺所スタイルの店で、麺を打ち出す朝6時頃から営業していて、
麺がなくなる午後2時頃終わり、というところが多いです。
製麺所としての仕事を主にしているところは昼2時間くらいしか開いてなかったりして、
そういう店は大行列になっていたりします。


見た目が民家だったり工場だったりしたり、看板が出ていなくてたどり着くのが超難しかったり、
自分でネギを刻んだり、なんだこいつ!と怒りを覚えるくらい店の態度悪かったり(安すぎて誰も文句言わない)、
あつあつ、あつひや、ひやあつ、ひやひや、そのまま、などなど注文の仕方が独特だったり、
その辺が面白くてブームになった感じです。


味に関しては、「当たりの日」に当たった時は、とにかく美味いとしか言いようがないくらい、感動的に美味しいです。
つるっ、と一気に胃まで落ちていき、香川人的には「飲む」感覚です。
小麦粉の甘さと適度なしょっぱさ、絶妙な麺のコシ、そして好みの温度で頼んでいるので、
味というより食感を楽しむ感じですね。

僕はゆで上がって水で締めた麺を温め直さずに、温かいダシに「そのまま」入れて食べます。
ぬるいので「ぬるかけ」と呼ぶ店もあります。
観光客は地元民が「そのまま!」と頼んでるのを見てよく「???」てなっています 笑
うどんについてはいくらでも書くことがあるので、また書こうかと思います。


昨日は当直明けでした。
ソファでうとうとしている僕に飛び乗ってくる直前のちゃーくんです。

今週末は相馬野馬追!

2016年07月21日 | 日記
今週末の7月23日(土)、24日(日)、25日(月)は相馬の大きな祭り「相馬野馬追」が開催されます。
見に行こうと思っている研修医名取です。
写真は野馬追公式HPから借りてきました。
23日は相馬市など相双の各地区で、24日は南相馬市原町区で、25日は南相馬市小高区でそれぞれ異なった祭事がおこなわれます。
私は南相馬市の野馬追は見たことがあるため、今年はもちろん相馬市の野馬追を見ようと思っています。
戦国さながらの勇猛な騎馬武者は迫力がありますよ。

ところで最近、こっそりと忠告を受けたのですが、
相馬市の人は相馬をとても誇りに思っているのであまり田舎などと書かないほうが良いとのことでした。
確かに相馬市は歴史ある6万石の城下町であり、野馬追も千年以上続く祭りです。
歴史ある土地ですので、先祖代々相馬で暮らし誇りを持っている方が多そうです。
私はポジティブな意味で「田舎」と書いていたつもりなので、誤解を受けないようにしないといけないなと反省しました。

このブログは主に医学部の学生を対象に書いているため、各県の県庁所在地に居住しているような都会の人達が想像できるように書いています。
そしてライバルとなる日本各地の研修病院は都会に固まっているため、相対的に田舎となってしまう相馬の良さにも気付いてもらえたらなという意味で書いています。
また当院のことを「小さな病院」と書くことも多いのですが、これも相対的に小さな病院という意味で書いているわけで、本当はベッド数が230床もあり設備や臨床科も揃っているしっかりとした大きな地域中核病院です。
しかし比較となるのは研修病院によくある500~1000床もあるような超巨大病院ですので「小さな」という表現を使ってしまっています。
田舎で小規模であることは、よくある他の研修病院と比較して、特異で独自の良さがたくさんあります。
これまで比較対象を説明していなかった事と、ブログの読者には相馬市在住の方など様々な方がいることを意識しないといけないですね。

ところで地域や病院に誇りを持つことは大切ですが、奢ることなくありたいものです。
昔の当院の内情を耳にすると、医者というのは医局から勝手に送り込まれてくるものだと思っていた節があったといいます。
そして研修医一号の先生も昔のブログに書いているように、相馬には卑しく要求を訴えるよりも耐え忍ぶ気性がありそうです。
ですが段々と受け身の姿勢では医療者が確保できない時代になってきました。
このブログもちょっとした変革であり、小さな努力なのです。

そういうわけで、今日も拙いブログを読んでいただきありがとうございました。


白い夏

2016年07月18日 | 日記

研修医の濱近です。
暑くなってきてはいますが、それでも四国出身の僕には、
東北の夏は涼しくて本当に過ごしやすいです。


今頃ふるさと丸亀ではみんな上半身裸で、両手に持ったガリガリ君を振り回しながら、
あは、あは、あはははは...と虚ろな目でさまよい歩いていることでしょう。
というのは嘘ですが、岡山や四国の7月8月と言うのは、
強くて白い光が街を押し殺してしまって、昼間は静かに感じるほどでした。
遠くに来たんだな、と季節ごとに実感しています。


少し前の話になりますが、外来受付に設置された熊本地震への募金箱です。
患者さんが「お金が入らないんだけど」と言うほど、箱がいっぱいになったそうです。
当院の患者さんたちは素敵です。



時々、ネコ好きなのでブログ見てます、と声をかけていただくので、
ちゃーくんとみゅーすけです(^^)

相性は大切

2016年07月17日 | 日記
先週は友人の結婚式に行ってきました、研修医の名取です。
お二人の魅力溢れる素晴らしい式でした。
忙しい研修生活を送っていますが出席できて本当に良かったと思います。

久しぶりに大学の同級生と会いざっくばらんに研修の話をしてきましたが、
同級生同士本音が出たのか、まだ始まったばかりの研修生活でも疲れきった発言がちらほらと聞かれました。
わりと楽しく研修ができている身としては、自分は恵まれていることを実感しました。
楽しいとラクは異なりますからね、ブログを更新できないくらいには毎日疲れますがそれでも出来るようになっていく楽しさがあります。

ところで疲れきった理由を聞いてみると、勤務時間が長い、仕事自体が辛いといった量や質から、聞いていた研修内容と違う、仕事を任せてもらえないといった満足度に関わるようなものから様々あったように思います。

ハイパーな病院での仕事の質や量は壮絶なので。
そのような病院はよく知られていて、そういった質や量を望んでその環境に飛び込む人が多いので、覚悟のもとに行く人が多いのです。
話を聞くと、ちょっと私には耐えられませんが…。
その代わりに乗り越えた暁にはかなりの実力がつくのだとは思います。

満足度の方は難しいですね。
思った研修と異なるというのは辛いです。
職場との相性も大事です。
病院を選べる研修医という立場というのはとても恵まれた立場なので、せっかくなのでしっかりと調べたいところです。
立地やブランドやプログラムだけで選ぶと相性の面で辛い思いをするかもしれません。
と言っても事前にしっかり調べた上で分からなかったということなのでしょうけれど。

ですのでブログで研修環境を綴るのは、そういったミスマッチを防ぐ上でも大切かなと思います。
とりあえず申しますと、公立相馬総合病院は、田舎で、涼しくて、研修医に優しく、いろいろ仕事を任せてくれるので拘束時間はありますが、所謂ハイパーというほどでもなく、少し飲み会が多いような気がしますが?、そのためか同僚同士の関係も良好で、アカデミックな部分は弱いのかもしれないけれど、遠隔地の勉強会の費用は出ますし、論文なども自分次第で書けるし、研修医の数は少ないですが、それが故に手技の数もこなせて、要望も通りやすく、そして、震災後いまだ困難が続く福島県沿岸部の医療圏の医療を実感しながら研修医であっても戦力としてそれを支える責任を感じることができる環境にあります。
そういったことを発信して、学生さんが知って、双方にとって相性がよい方が来てくれたらよいかと思います。



懐かしい場所

2016年07月03日 | 日記


今週末もまた東京に向かっている研修医名取です。
医師不足の中こんなに相馬を留守にして地域の医療が守れるのでしょうか?

というのは冗談で、前回は出張、今回は友人の結婚式ですので正当で普通の生活の営みの中での相馬不在です。
例えば医師がこうした普通の生活を送るだけで地域医療が崩壊するようであれば、それは医師個人の問題ではありません。
地域全体の問題です。
なんとか解決して欲しいものです。
しかしながら理想論は置いておいて、留守中に相馬の医療を守ってくださっている先生方には本当に感謝しています。
そして私も相馬地域の一員ですので、医師不足解消に向けて少しでも力になりたいと思います。
本当に、心ある方に相馬に来てもらえないかなと思うわけです。

ところで今日は仙台から新幹線に乗りましたが、発車時に「青葉城恋唄」が流れてきて驚きました。
つい先日、仙台の新幹線の発車メロディーが27年ぶりに変わったみたいですね。
青葉城恋唄いいですよね。
仙台で青春を送った人は皆懐かしい気持ちになると思います。
ちなみに福島駅の新幹線発車メロディーは「栄冠は君に輝く」ですが、これもまたいいですよね。
夏の甲子園が好きなので、爽やかな高校野球の光景が浮かびます。
作曲者の古関裕而先生が福島出身とのことです。

そして写真は、先日の東京ガイダンス会場近くの市ヶ谷で撮った写真です。
東京バイバイと相馬に出てきたもののこんなにすぐに東京に戻り、それは懐かしいのか?と思いきや意外と懐かしく感じました。
東京は広いため久々の場所もあるので。
写真は「帯坂」といって、四谷怪談の皿屋敷に出てくる、いちま〜いにま〜いのお菊さんが帯を引きずりながら逃げたと言われる坂です。
後方に見えるクリーム色の建物は日本棋院会館です。
ここで囲碁のプロ棋士が切磋琢磨しているんでしょうね。

この辺はよく散歩をしたので懐かしくて写真を撮りました。
これからは相馬でも同じように思い入れのある場所が出来ていくのだと思います。
楽しみです。