私が幼少の頃、仲が良い時の父と母の会話は洋画の話だった。
アゲイン良かったね~母に責められ、マイ・フーリッシュハートだの
そこには何か二人の楽しい思い出があったのだろうね。
ちょくちょく母は僕を映画へ連れって行ってくれた。
洋画から日活の裕次郎、森繁のコメディ、時代劇、怪談ものまで。
映画が終わって帰り際には決まって母は恥ずかしそうに僕に言う。
「関係ない所で笑っちゃだめだよ。みんなが振り向くでしょ。。」
なぜなら
笑いの意味が分からない僕は遅れて人が笑い終わった後に笑っていたから
叔父も洋画好き。ローレンス・オリヴィエと似ている、と言うと喜ぶ。
母は自分はグレース・ケリーのつもりだ。
父はグレゴリー・ペックだと自分で言っていたが、息子たち(兄たちは)
ジョン・ウェイだ!と言っていた。
小学校は映画禁止だったが、イタリア映「鉄道員」などは父が勝手に許可を出した。
そう言えば、タイロン・パワーとキム・ノバックの「愛情物語」も。
そんなこんなで高校時代は学校を途中で抜け出し、映画館の中がほとんど。
夢の中で生きていた。夢の世界の中で。いや、今も続いている。現在に至る。