今年は「作曲家」マーラーの生誕150年だとかで、音楽雑誌には特集が相次いでいる。
私は彼を「指揮者」だと思っていたが、どうやらこれは少数派らしい。彼の預言が当たったのか。
彼は自分の作品を同時代人のためでなく、後世の人々のために作ったと公言していたようだ。
「やがて自分の時代が来る」と。
実際のところ20世紀前半までの、彼の作品に対する評価はあまり高いものではなかったと思われる。
たとえば、あらえびす著「名曲決定盤」等をみても、大作曲家との扱いは受けていない。
録音は愛弟子ワルターによるものくらいで、今日の大流行からみたらあきれるほど少ない。
演奏時間が長く、SPに収めるのに不利だったという背景はあるものの、あの感情が前面に出てくる
音楽というものが、時代による向き不向きに大きく左右されることはありそうなことだ。
私自身は全曲を通して聴いたことがない。最後まで付き合う気がしなかった。
だから私の中では、いまだに彼は歴史上の大指揮者に過ぎないのである。
こんなことを書いたらマーラー教信者に殺されそう。
ワルターが折に触れ演奏したからこそマーラーの曲は100年後に花開いたのだと。
(2010.9.11記)
最新の画像[もっと見る]
- 調所広丈に会いたい 4年前
- ラジオ体操第三の謎(続) 5年前
- 骨董市に行きたい2 6年前
- デジタル遺品について 6年前
- 林竹治郎に会いたい 7年前
- 徳田球一に会いたい 7年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます