ポルトガルの空の下で

ポルトガルの町や生活を写真とともに綴ります。また、日本恋しさに、子ども恋しさに思い出もエッセイに綴っています。

シントラの秘境:コルクの修道院(1)

2017-08-30 15:07:16 | シントラ
2017年8月30日  

シントラ山脈には樹齢何千年もの樹木が生い茂っており、古くから「大地の気」が感じられる「聖なる月の山」と呼ばれてきた。

うっそうとした森の中の離宮や小宮殿が姿をのぞかせるシントラは、王侯貴族や芸術家を見要してきた町だ。 ここを訪れた詩人バイロンは「地上のエデンの園だ」と記述しており、シントラは今もその幻想的な華麗さで多くの人々を惹き付けている。

一般に「コルクの修道院」または「Convento dos Capuchos」と呼ばれる「サンタ・クルス修道院(Convento da Santa Cruz)」は、シントラの旧市街から8キロほど上った山中に無人でひっそりと建っている。

樹木と岩に囲まれた修道院へ道

セバスチャン王の顧問、 Álvaro de Castroの支援を得て、厳格な清貧主義で知られるフランシスコ修道士8人が住み始めたのは16世紀半ば。Capucho(カプーシュ)は頭巾のことで、フランシスコ派が頭巾のついた衣をていたことからこの呼び名が広まった。

岩の入り口をくぐるとかつては来訪を告げたであろう紐がついて鐘が見かけられる↓

修道院内はまるでミニチュアハウスのようで、人間が辛うじて起居できるスペースがあるだけだ。
山で拾い集めたコルク樫の皮と意思を利用して作られた修道院は、この自然とのハーモニーに溶け込むかのように質素である。

修道院内への入り口。全て近辺の森で拾い集めたコルクで造られたと言われ、ほとんど手がかけれれていない。

入り口天井に見られるダビデの星こと六芒星がいくつか見られる。


院内通路はわたしが始めて訪れた2008年にはなかったライトが取り付けられている。
 
 

現在の修道院の中庭↑と↓数世紀前の中庭。十字架が立てられた大きな岩をのぞいてはほとんど変化がみられない。下の図右に見えるのは礼拝堂で現在もそのまま残されています。

Wikipediaより

カプーシュ修道院は山の静寂さと祈りの中でひたすらスピリチュアルな黄金生活を求めた修道たちの遺跡である。

続きます。