ポルトガルの空の下で

ポルトガルの町や生活を写真とともに綴ります。また、日本恋しさに、子ども恋しさに思い出もエッセイに綴っています。

あの頃ビア・ハウス:「思い出のグリーングラス・弘前編」

2018-03-22 09:57:43 | あの頃、ビアハウス
2018年3月22日        
  
翌朝、台風はどうにかそれてくれたようだ。
夕べの一回生たちとの再会の興奮も冷めやらず、結局頭が冴えて早朝に起き出してしまった。大事なお役目を終えることができたし、ホテルで一路東京へ向かう準備をし始めたのであります。

荷物を引っ張り出し、衣類を畳み込んで旅行かばんに入れ始めたのだが、念のためにとバッグの中身をふとチェックしてみた。「あれ?大きい財布が見当たらんぞ・・確かバッグの底に入れてたはず
なんだが・・・」
バッグをひっくり返してみた。が、あるはずの、その大きい財布がない・・・
「えぇ!だって、あれには帰路のためにとユーロ札と、それよかパスポートが入ってたのだよ。ウソやん!」と、ほぼ悲鳴に近い独りごと!

もしかして、タクシーでお金を払うときに座席に落ちたかも・・・あぁあ、タクシー会社の名前、覚えとらんわ!
さぁ、大変!朝の7時からフロントのおじさんに頼み込んで、あちこちのタクシー会社の電話番号を調べてもらい、公衆電話からかけまわした。どこもその時点では、落し物の届け出はないとのこと。
 
フロントのおっじさん、「あのね、警察に届けたほうが早いかもしれないよ。」アドバイスに従って警察にも電話してみた、が、それらしい物は届け出がないそうだ。おまけに紛失物はすぐに手渡しはできなくて、数日かかるのだそうな・・・そんな・・・、待っておられまへんて^^;
   
うぬ?待てよ。そう言えば、夕べ「あすなろスナック」で財布に入れていた名刺が切れて、大きい財布の方に入っている名刺を取り出すためにバッグから引き出したんではなかったか?・・・

もしかしてあそこに落ちてはいまいか?誰かが見つけたとしても、わたしの弘前での連絡先は誰も知らぬのだからきっと見つけた御仁は困っているにちがいない。早朝でまっこと申し訳ないとは思うものの、前夜一緒だった同窓生のゆりこさんに電話をしてみた。

すると、「最後までいたけど、落し物などなかったように思う」との返事。電話を切りしな、「気になるから結果を知らせてね」と、彼女。
 
やもえない、あすなろママに聞いてみるしかない。夜遅くまでの仕事でお疲れのところではあろうが、背に腹は変えられん。わたしは今日帰らなあかんのだ~。震える手で彼女の電話番号をダイヤル、じゃない、プッシュボタンで押した。

なかなか出てきぇへん^^; あ、出られました、ママさん!「スンマセン、こんな朝早くに。」と事情を話したら、早速、彼女、店に行って見てくれると言う。 

シャワーを浴び洗髪したその髪も乾かさないまま、電話をかけまくっていたわたしを、フロントのおっさんも心配顔で見ておられます。

ママさんが店に着くまでしばらく時間を要するので、いったん部屋にもどることにした。もしも見つからなかった場合のことを想定すると、ガックリと肩も落ちるとこまで落ち込み、階段を上る足も重く、夕べの幸せはすっかり吹っ飛んでしまいました。
  
隣室に泊まっていた妹夫婦の部屋をコンコンと元気なくノック。
「あ、おはよう。」妹。
「う、うん^^;あのね、パスポートの入ったお財布、なくしてん・・・」
「え?なくしたの?あららら・・・」
「でね、今あちこち電話で頼んで探してもらってるねん・・・」
「んもう、いっつもこんなんだから・・・
 でもね、パスポートなんて普通は国内で持って歩かないでしょ」
  「・・・・!!!!!!」
  
も、もしかして最初からなかったのん?え・・・?その場で妹の携帯から所沢で留守番をしている娘に電話をした。
  
「あんね、机の中の引き出しに茶色い大きな財布、入ってない?
しばらく受話器を持ったまま待つ。すると、
「んんん?あるぅー?!パスポートも入ってる~?!!キャッホー、ハレルーヤ!」
  
どこが、名刺が切れて、デカ財布をバックから取り出しただ?と、自分の思い込みにがっくり。傍でこれを聞いていた妹いわく、
「実は最初からありませんでした、なんて同窓生たちに言えないよね」苦笑。

ご~~ん。い、言えまへん・・・36年ぶりの今の段階ではとてもとても言えまへん^^;」
トントンと足取りも軽く階下に下りて電話です。

フロントのおっさんには、
「あのぉ、ありましたのよ、おほほほほ」で誤魔化しw
「はい、よくあることなんですよね。」としっかり言われました。
連絡を待っているであろうゆりこさんとあすなろママには・・・
「あ、ありましたぁ~~~!」で、済ますしかなかったのであります^^;
ごめんよぉ~、同窓生!

36年ぶりの再会が、とんだ騒動で終わった次第。「思い出のグリーングラス」がこのようなオチになり、赤面の至りではあった。

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