ポルトガルの空の下で

ポルトガルの町や生活を写真とともに綴ります。また、日本恋しさに、子ども恋しさに思い出もエッセイに綴っています。

中川君のブロマイド

2018-07-23 15:57:34 | 思い出のエッセイ
2018年7月23日

自身はそれに染まりませんでしたが、20歳の頃の大阪京橋時代、まわりには上に素人と呼び名のつく、演出家、役者、シナリオライター、作家志望と、演劇関係の知り合いがたくさんいました。

そしてわたしはその中で、いつのまにか、これまた上にへんちくりんなものがついて「自由人yuちゃん」で呼ばれていたのです。どこが自由人か、と問いますと、常識の枠にとらわれないで行動するからだそ褒められているのか呆れられているのか、複雑なとこではありました。

わたしは素人劇団の何のお役目も担っていないのに、その仲間からはあちこちと引っ張りまわされ、出来上がったばかりのシナリオを読まされたり。団長はかつて「劇団四季」に籍を置いたことがあるという人で、彼らはサマセット・モームの作品のみ手がける劇団だったのですが、そのお芝居を観にいったりして、一応仲間に入っていました。

そんな役者仲間に、ただ一人、プロダクションには属していないものの、中川君という素人ではない役者(!)がおりまして、これが顔がデカイもので、現代劇より時代劇でよく映えるのですね。

案の定、彼は京都四条にある南座で、よく歌舞伎公演での役回りをしていたのでして。なに、役回りといってもハシッパの役(笑)

これが、ある日浮かぬ顔をして現れまして、
「舞台でドジッた。トップの役者さんにこってりしぼられてん」と情けない顔で言います。何をしたかと言いますと、出番寸前にどうにも我慢ができなくなってトイレに行った。そしたら、出番の合図が聞こえたので慌てて舞台に飛び出して行ったのだ。

出てしまってからハッと気がついたのが、足に履いてる「便所」と書いてあるスリッパ!(爆)
おまけに、手に持ってなきゃならないはずの十手をトイレに置いてきてしまって、「御用だ!御用だ! 」と突き出す手には、十手なし・・・周りの小役人の役を演じている人らの後ろに後ろにと隠れて誤魔化そうとしたが、そんなもん、ロケじゃあるまいし本番なんやから、どうやって誤魔化すのよ(笑)

これを聞いたときには、気の毒よりも大爆笑が起こってしまって、我らは抱腹絶倒。

役者さんの世界って、NGがたくさんあるでしょ?あれ、爆笑ものが多いですね。ただし、劇場での本番は、やり直しがきかない。困りますよね。

中川君によると、立派な役者さんも時には失敗するのだそうで、そういうときは、舞台が終わった後に、役者さんからはちゃんと陳謝として、全員に何がしかが配られるのだそうです(笑)

あれから40年ほども経つというのに、今思い出しても、「便所」と書かれたスリッパを履いて、「御用だ、御用だ!」と空の手を突き出し、にっちもさっちも行かなくなっている彼の姿を思い浮かべると、あっはっはと笑わずにはいられないわたしです。

中川君、どうしているでしょう^^中川君からもらったヅラをつけたサイン入りのブロマイド、どこへ行って
しまったかなぁ^^


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2 コメント

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ガラスの動物園(^_-)、ああ恥ずかしや(^_-) (やまひろ)
2018-07-24 07:26:33
当時、八丁堀に御座いました、勤労福祉会館で、劇団四季の当時の🙆🙆昌子氏のご指導で、テネシーウイリアムスのガラスの動物園の、倉庫番のジム役を演じているなか、大向こうの客席から、「ヒロシチャン、頑張って!」の激励の声が(^_-)
思わず焦って、手に持っていた、pipe が舞台に「コロコロ...と.」落下、やんやの「喝采」(^_-)
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やまひろさん (spacesis)
2018-07-24 16:04:45
まぁ、懐かしい。ガラスの動物園だなんて!

わたしの好きな本でもありましたよ。
最後のトムの台詞がお気に入りでした。

僕は月へは行かなかった。月よりももっと遠くへいったのだ。・・・・

時代が変わり、こんな本の話をする人も少なくなりましたね。 いや、わたしたちが歳をとったのか(笑)

そう言えば劇団四季の創立者も先日亡くなりましたね。
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