近年「“気象台” 始まって以来の 大雨・強風 が発生しました」と、天変地異を告げる予報に不安が募ります。 その災害が、‟地震” なのか ‟台風” なのか ‟火山噴火” なのか? 「天災は 忘れた頃に遣って来る」のんびり構えている場合でないのが昨今です。 「取り敢えず、身の回りだけでも安全を確保したい」しかし、想定外の 地震 や 台風 に備える術はありません。 震度 7以上の揺れに耐える事も、風速 50メートル以上の風に耐える事も、古い我が家では 無理があります。 我々は、自然の猛威に太刀打ち出来るのか? ここ 100年、人間の齎した自然破壊(地球温暖化)は絶望的です。 しかし 人間の過ちは、人間の知恵で修復する事は可能です。 何を遣るか? 草の根レベル(ボランティア精神)で、身の回りからコツコツと 改善・改良 を 心掛ける事です。 無駄 でも 無理 でも 引き算的発想で、不都合な状況を徐々に改善する必要があります!
“瓦屋根” です。 “瓦” は、飛鳥時代に中国から伝わった 優れた “屋根材” です。 藁 や 板 の屋根より 雨・風・火 に強い為、長らく重宝された素材だと思います。 お寺 & 神社 & お城 の屋根に使われているので、瓦の風格は絶大です。 その瓦を庶民が真似し、新築家屋に採用するのは 分かります。 確かに、家の品格が上がります。
数百年の伝統が、家屋の進化を阻んでいるのかも知れません。 粘土を焼いた瓦は 耐久年数がある反面、衝撃 や 振動 に弱い。 また、重い瓦を屋根職人が作業し易い様に、小さく(半紙一枚ほど)製造しているのが問題です。 気密性がなければ、安定性も脆弱です。(取付が甘い) 結果的に 瓦の下地である防水シートが、雨漏りを防いでいるのが現状です!
◎ 風格ある瓦屋根「城」
ご存知でしょうか? 僅か150年の歴史しかない北海道は、カラートタンの屋根(長尺・横葺き)が主流です! 瓦屋根の伝統はありません。 北海道は、“北国” であっても “雪国” と違います。 屋根の雪を落とす為、薄鋼板(トタン)を使う訳ではないのです。 瓦職人がいないから、トタンを使う訳でもありません。 ただ、機能的だからです。 50坪程度の屋根であれば、数人で一日程の手間(工期)で、雨から家を守ってくれるからです。(仕上げは5日程度) 瓦であれば、コツコツと少数の職人で屋根を施工する様ですが、いかんせん日数( 1ヵ月ほど)を要します。 それでも、瓦に拘るのであれば申し上げる必要はありません。 しかし、実用性を考えると時代遅れは明らかです。
神社仏閣の様に、メンテナンス に 時間 と 費用 を充てられるのなら、住宅に瓦を使って結構です。 しかし、簡単そうで 難しい。 一般住宅なら、我々北海道人が重宝している “カラートタン” は如何でしょうか? 「トタンは夏場 室温が上がる」「雨音がうるさい」と言うのなら、天井裏に厚い断熱材を敷き詰めると、問題は解消する筈です。 住宅は、安全と機能性が最優先です。 台風・地震 で「自宅の瓦が飛んだ」「飛んで来た瓦で被害を受けた」住宅の一部が 凶器になるのは、あってはならない ‟人災” です!
北海道は 地球温暖化が原因か、年々降雪量が減少しています。 そのせいか、住宅の屋根様式が進化しています。 急勾配の屋根を止め、雨水が流れる程度の “ゆるい屋根” に切り替える傾向があります。 冬場 屋根に雪が積もっても「風が雪を吹き飛ばす」「太陽熱が雪を溶かす」「屋根に登っても 落下の恐れがない」利点は多い様です。 風格を重視した屋根から、機能性を狙ったデザインと思います。 災害に強い家は、地震 や 風雪 に強い機能が求められます。 “頭でっかち”(重い瓦)で見栄えがいい家は、災害に弱いと言うと 暴言でしょうか? しかし “時代錯誤” は、知恵ある日本人として見るに忍びない。 今後 襲い来ると思われる天災に備え、“カラートタン” を 採用する事をお奨めします。 安い施工費で、早く高い機能を 得られると思います! ただし新潟県など、豪雪地帯には不向きです。
◎北海道では珍しい “瓦屋根”
確かに、トタン屋根は地震・台風対策としては優秀なのでしょう。でも、5年に1度ほどの定期的なメンテナンスを考えると・・・という声も聞きます。
瓦にもトタンにもメリット、デメリットあるんですね。