“苗字” は、平安時代以降に生まれた様です。 その後 天皇は “姓” とし、貴族や武士は “氏” として、庶民の間にも認識が広まったそうです。 その頃の “苗字” は自称であって、自由に変更できたそうです。 江戸時代の浮世絵師「葛飾 北斎」は、生涯 30回以上 改名を繰り返し、晩年は「画老人 卍(まんじ)」を、名乗っていたそうです?(「北斎」の名は売ってしまった) 案外「名のるほどの者ではない」そんな時代だったのではないでしょうか? 明治以降 戸籍制度が導入され、全ての国民に “苗字” と “名前” を登録する義務を課した。 そこで “氏名” と言う概念が定着した様です!
◎「氏名」と「名刺」
“苗字” の数は、日本中に十数万あるそうです。 多い “苗字” は、① 佐藤 ② 鈴木 ③ 高橋 ④ 渡辺 ⑤ 田中 ⑥ 伊藤 ⑦ 山本 ⑧ 中村 ⑨ 小林 ⑩ 斎藤、数年・数十年(出生&死亡)で多少の変動があっても、トップ10 は揺るがないと思います。 私の氏は 8位「中村」ですので、比較的上位置に居座っています。 座り心地は良いのかと聞かれると、可もなく不可もなしと言うより他はありません。 なぜなら、平凡だからです。 ただ 子供の頃、嫌な思い出がありました。 確か、小学校 3年生だったと思います。 歌手「若原 一郎」が歌う 「お~い 中村君」が、流行った時でした。
♪ お~い 中村君 ちょいと待ちたまえ~ いかに新婚ほやほやだとて~ 伝書鳩ではあるまいものを~ 昔なじみの二人じゃないか~ たまにゃ付き合え~ いいじゃないか中村君 ♪
同級生 & 先生に「お~い 中村君 ちょいと待ちたまえ~」と呼び止められるのは、心底 嫌でした。 挙句の果てに “新婚” とか “サラリーマン” とか言われ、齢(よわい)9歳にして “オヤジ” のニックネームを付けられたのですから最悪でした。(以後 7~8年続いた)
“珍名” については、数多くあると思います。 しかし、日本中に1世帯だけが名のる苗字は、案外 少ない様です。 一例ですが「蓼丸(たでまる)綾」が その一人です。 女優「綾瀬 はるか」の本名です。 もう一人も女優で、「榮倉(えいくら)奈々」です。 まだまだ、珍名さんはいます。 「東京(とうきょう)」も、大阪に 1世帯だけです。 私の知人で「あらきち」がいます。(苗字です) 漢字で書くと「荒木地」と平凡ですが、呼び名としては珍しいと思います 「小鳥遊(たかなし)」も珍名ですが、世帯数は多い様です?
“名” については、有史当時から、個々を認識する意味で使われていたと思います。 明治以降は、“漢字”・“平仮名”・“片仮名” と 苗字にくらべ、名前の選択肢は無限です。 ただし 自分の名前を、自分で付けるのは不可能です。(戸籍の氏名変更は容易でない) 同級生に「明美」と言う名の男がいました。 彼は「あきよし」と誤魔化していましたが、幼馴染みには通じません。 名前 「明美」は、あくまで「あけみ」です!
あくまで、思い出しました。 25年ほど前 役所の戸籍課に、我が子の名前を「悪魔」と記載し却下され、裁判沙汰になった事がありました。 私としては、否定も肯定も出来ませんが、親の独断で子供に名前を付けるのであれば、それなりの責任が伴うと思います。 名前は “ID” や “PW” と違い、唯一無二に拘る必要はないと思います!
“同姓同名” も、現実に存在します。 平凡な “氏名” は、時に重複を生みます。 昔(20年ほど前)、電話帳検索ソフト(シャーロックホームズ)で、私と同姓同名を探すと、全国で 400人以上ヒットしました。 電話帳に登録した数ですので、推定で 1,000人はいると思います。 それでも、困る事はありません。 強いて言えば、ホームページ や ブログ で検索すると、私と “同姓同名” が ヒットします。 “東京大学大学院・分子学教授” で、ノーベル賞候補の人物です。 偶々、年齢も同じですので紛らわしい。 私は困りませんが、おそらく先方は 迷惑していると思います。 それゆえ ブログでは『 エゾ・中村 』を 名乗っています。