◎ 詩人「与謝野 晶子」
『 友よ 』
友よ みだりに 世を嘆き 世を儚むな
人と生まれ 人と生きる
それぞれの道に それぞれの悲しみ
それぞれの道に それぞれの苦しみ
友よ しかしみんな生きてきた道 みんな歩いてきた道
君ひとりだけが 疲れたもうな
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『友よ』を始めて読んだのは、50年前でした。 友人の お土産(壁掛け)で知りました。 私「素晴らしい詩だね! ありがとう。 作者は誰なの」友人「詠み人知らず? たぶん サトウ ハチロウ では」 そんな会話と共に『友よ』の 作者が気になっていました。 数年後、新聞のコラムで『友よ』に関する情報が載っていました。 コラム「京都の直指庵で、歌碑が見付かった。正確な記録ではないが『与謝野 晶子』が、記した詩に違いない」と言う内容でした。 意外でした。 力強い男性の詩と思いきや、繊細な女性の詩だったのです。
『友よ』は、京都嵯峨野 の 直指庵 に立つ歌碑に刻まれた一文です。 冒頭の「友よ みだりに世を嘆き 世を儚むな」は、余りにも鮮烈です。 老若男女の隔たりなく、万人に向けた「心のメッセージ」と 称賛いたします!
直指庵に関わりのある女流詩人『与謝野 晶子』が記した銘文! 心に耐え難い傷を持った女性が「直指庵」(駆け込み寺)に辿り着き、細やかな癒しとして読んで欲しいと『与謝野』が、名を隠し記した人生訓であれば、誰しも納得できます!
苦しい時・悲しい時・寂しい時『友よ』を思い出してください。 「君ひとりだけが 疲れたもうな」が 総ての答えと、私は解釈しています。
◎ 京都嵯峨野の「直指庵」