私は、北海道に生まれ育ち年を重ね、郷土愛は確実に高まったと思います。 しかし 日本に対する愛国心は、年々薄れると感じる昨今です。 その理由は、日本人の偏った民族意識(差別)です。 琉球人に対しては、まるで同胞を認めない偏見としか思えない。 また アイヌ人に対しては、存在すら認めない差別そのものと感じるのです。 本来、“アイヌ民族”も“琉球民族”も祖国を有する人々であり、勝手に先住民・少数民族と線引き出来ない筈です。 日本政府は、過去(侵略)に対する謝罪と弁済を、国連決議に則り確約する義務があります!
今から150年ほど前、北海道 も 沖縄 も日本ではありませんでした。 1869年、明治政府は“蝦夷”と呼ばれた アイヌ人 の土地を、強制的に占領し支配下に置いた。 それから10年後の1879年、“琉球王国”と 琉球人 を日本政府は、実質的に支配し日本に統合したのです。 その政策は「 アメ とムチ 」だったと言われています。 「他国の侵略から守って遣るから 地権を日本に委ねろ」と、半ば騙しの手口で土地を奪った。 子供達に教育を与えると言い、日本語と戸籍(日本名)を強要したのです。 その結果、アイヌ人も琉球人も先進国の一員として、幸せな将来を確約されたのでしょうか? 残念ながら、何も報われていません。 アイヌ人・琉球人は、人権・尊厳・地権・・・あらゆるものを、言葉巧みに奪われたままです!
不思議な事に、“アイヌ人”と“琉球人”は遺伝子的に、日本人や中国人・韓国人より近い関係と証明されています。 それは一体何を意味するか? 縄文時代以前、アジア大陸から渡った日本人の先祖が、本土をアイヌ人と琉球人から略奪し、彼等を北(蝦夷)と南(琉球)に追い遣った事になります。 日本政府は、大昔の事で資料も記録もないと高を括ると思います。 しかし 我々の祖先は、戦いに長けた民族です。 戦国時代を経験した血筋です。 明治時代、日露戦争でロシアに攻め入った事も、第二次世界大戦で中国や朝鮮またアジア諸国を侵略した事も、日本の軍国主義には「美談など一切ない」と言いたい。 力(伝統的な戦術)で、周辺諸国を実行支配した民族です。 勿論 “蝦夷”も“琉球”も!
今まで私は、曖昧に“アイヌ民族”・“琉球民族”と言って存在をはぐらかして来たと反省しています。 彼等は、決して“放浪の民”でも“移民”でもありません。 我々日本人は、開拓者と誤魔化さず“侵略者”と認識する必要があります。 私は「アイヌ人」・「琉球人」と彼等の人権を尊重し、150年前の真実(正しい日本史)を改めて学びたいと考えています。 自然に恵まれた大地の住人 北海道人として!
〖 アイヌ人関連 〗
文化庁は、国立「民族共生象徴空間・ウポポイ」を、幻の“東京オリンピック”と並行して建設しました。 その“ウポポイ”が、7月10日に開館の予定です。 我が家から東へ60キロ(白老町)と近いので、ドライブがてら拝見するのが楽しみです。(旧“ポロトコタン”アイヌ民族博物館は何度か見学) 新装された“ウポポイ”を、目と肌で感じる必要があると思っています。 ある意味、道民による審査です!
過去、アイヌ人の聖地(東京で言えば靖国神社)二風谷を、ダム建設の為に水没させた非道を考えると、政府の善意なる方向転換に驚きました。(偽善も考えられる) おそらく 国連の提言で、アメリカ合衆国における“インデアン”や“イヌイット”と比較し、“アイヌ人”に対する冷遇を“民族問題”として指摘されたと思います。 国連は「“ウポポイ”を建てて 過去を清算せよ」と、アドバイスしているのではありません。 150年前、先住民族から「奪い取った土地や資源を返還せよ」と言っているのです。 果たして 博物館“ウポポイ”の建設が、アイヌ民族に対する謝罪となるのか、甚だ疑問です。 現在 北海道に住むアイヌ人は、1万3000人に激減しているのです。 どうして彼等の意見や希望を、国に訴える事が出来るのか? 人権や差別を、抗議しようとしても“多勢に無勢”、聞き入れられる耳すら ありません!
〖 琉球人関連 〗
数年前、沖縄県で米軍基地(ヘリパット)の建設に反対する地元の人々に対し、大阪府警機動隊員がフェンス越しに「土人(ドジン)が・・・」と罵りました。 20代の隊員が発した暴言です。 「それを言ったら御終いです」 国・警察の思想や指導が、先住民族(琉球人)を差別している証しです。 沖縄県民が、政府の基地政策に反発するのは当然です。 日本政府は、2007年の「先住民族の権利に関する国連宣言」を、アメリカ合衆国と共謀し、無視する積りなのでしょうか? それとも 沖縄(琉球)は、元々“米軍基地”と言うのでしようか? 何方にしても、国際社会の流れを無視・軽視する限り、日本の民主主義は“絵に描いた餅”です!
昨年11月、琉球王国の遺産“首里城”が焼失しました。 沖縄県民は、再建を願っていると思います。 “ウポポイ”と同じ様に、国による再建を期待しているのでしょうか? 日本政府は 贖罪の為、豪華な“首里城”を建てると約束する筈です。 しかし 安易な妥協は、琉球人の尊厳を失う結果になります。 “首里城再建”は、是非とも沖縄県民の総意(自力)で成し遂げる冪です!
なんだか、読んでいて嬉しくなりました。