開き直ったハゲ

最初の会社は建築資材を扱う中小企業で、私は本社に配属されたのですが、本社といっても、会長から社長、平社員まで合わせて１１人という規模。
２０代は３つ下の同期と４つ上の先輩と私の３人だけで後は５０歳以上という超高齢化会社ｗ
まぁ営業所には若い人たちいましたけど

そんな超がつく高齢化会社には髪の毛の薄いおじ様たちが５人ほどいまして、内３人は一目でそれと分かるコントで使うようなカツラでした

カツラが悪いわけじゃないんですけど、カツラなのに社内では実にＯＰＥＮで、明るく開き直りすぎているおじ様たちにかなり戸惑ったのを覚えています。

例えば社内ではこんな耳を疑うような会話がいつも流れていました。

常務「Ｉ君、お客さん来る前にカツラと資料のココなおしておいて」

Ｉ部長「常務すみません、(カツラを直しながら)これで真っ直ぐですかね？」
常務「あ、ＯＫだね」


私はいつも隣の席の同期と目を合わせて無言の会話をしましたｗ

「・・・（イマナンテイッタ）」
「・・・（カツラ）」

しかし少人数でシンとしたオフィスで、間違っても上司のカツラのことで笑ってはいけません


ある時は、

Ｓ部長「Ｍさん、今日の髪型いいじゃないですか」
Ｍ課長「やっぱ６０近いのに髪が真っ黒っていうのもね～人毛と悩んだんですけど、合成繊維の白髪まじりにしたんですよ」

くれぐれも、絶っっっ対に笑ってはいけません

こういう時私たちは絶対に話し掛けられないように、仕事にちょ－集中してるフリをすることもとっても大切なことでした。
なぜなら突然話をふられるからです
ぼ－っとしてようものなら・・・

Ｍ課長「Ｏ君、この髪型どうかな？やっぱり人毛の方がよかったかね？」

（しらね～～～～）

こういうふりは要注意です
当然上司のカツラを笑うわけにも褒めるわけにも適当に答えるわけにもいかずｗｗ一番リアクションに困るパターンorz

からかわれてるのか、本気で“素”なのか、社会人としての質を試されてるか、ほんと－に困りました


私の４つ上にＯさんという男の先輩社員がいましたが、彼は２０代後半とはいえかなり予備軍的存在で、チームカツラのおじ様たちからはかなりウェルカム的な雰囲気でよく頭髪ネタをふられていました。

そんなある日、その日も例のごとくチームカツラに絡まれていた彼が上司であり、ある意味で先輩(笑)であるおじ様たちに、

「俺は開き直ったハゲ目指すんで、カツラとか見苦しいことはしません」

と真面目な顔で“開き直ったハゲ宣言”をしましたｗｗｗ

チームカツラは、

「ファッションだよ、Ｏ君～」

「ぼくらもある意味開き直ったハゲだよ～」

としきりに勧誘（？）してましたｗ

仕事中にこんな会話を永遠されては、ある意味拷問です

もう笑いこらえるのにあんなに苦しいと思ったことはその後そうそうないです
結局この時はもう笑いこらえるのが苦しくて限界で同期と２人で吹き出しちゃったんですが、やっぱりというか、その後モラルとかマナーとかいろいろい怒られました
やはり笑ってはいけなかったんですな
でも私たちからしたらかなりひどい仕打ちｗｗｗ

ってかこんな話をシーンとしたオフィスでする方もどうかとｗ
Ｏ先輩はパワハラならぬハゲハラと言ってましたが


まぁいろんな意味で和気あいあい楽しい職場ではありましたが、１つ不思議なことがありまして。

同期は総務とか庶務もかねていたので、社内の文房具の発注なんかもやっておりました。
何が不思議かと言うと、社内にあってもそんなに頻繁には使わないであろう両面テープの消費がものすごかったんです
しかも誰が何に使ってるのかもわからない状態で、いや、正確には知らなかったのは私と同期だけだったんですが、

あんなに毎週いくつも買ってるのになんですぐなくなるんだろ？

と素朴に疑問に思っていました。
理由は程なくわかりました

チームカツラのＩ部長が同期に、

「両面テープ切れてるから買ってきて～」

と言ったんです

買い物に行ってきた同期から両面テープを受け取ったＩ部長、
おもむろに自分のカツラをガパっと取り、

「今日は暑かったから汗で両面テープすぐダメになるな～」

と言いながら自分のデスクで堂々とカツラの内側に両面テープを貼っていたのでした

どんだけ時代遅れのカツラだよｗ
ってか両面テープの消費が激しいのはあんたかいｗｗ
しかも会社の経費だしｗｗｗ


開き直ったハゲには要注意です

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