続・バナナピッキング☆オーストラリアつれづれ日記

誰もが恐れる最強の作業、それはいつからか、

“恐怖のバナナの袋取り”
と呼ばれるようになりました。

その言葉からわかる通り、バナナの袋をとる作業です。

バナナの木は３Ｍ弱で、そこにバナナがぐるっと３６０度とリング上に幾重にも連なった1.5M位の大きな房がぶらさがっており、（私たちか見知っているあのバナナが１００本以上ついてるわけですが）、これを男の子達が収穫してくるのですが、収穫といっても80kg位あるので、足の上にバナナが落ちて、複雑骨折して緊急帰国した日本の男の子なんかもいましたけど、この巨大なバナナの房、人間１人丸々入りそうな袋がかけてあります。

収穫後、作業場に運ばれてきたバナナたちは、直径１０cm以上はあろうかという房がついてる元の軸茎に、ロープを巻いて吊るし、袋をとってナイフでおおざっぱに切り分け、そしてようやく女子が待っているプールの状のベルトコンベアーに流れてきます。

一見ただの袋とりに見えますが、これはある意味史上最強のびっくり玉手箱です(οдО;)

なぜなら、数ヶ月もの間開封されることのなかったその袋の中には何が入っているかわからないからです。
バナナの腐った匂いと大量の虫の死骸（たまにネズミなどの小動物の死骸も腐ってる）が入った水を全身に浴び、袋を開けた瞬間に飛び出してくるものは、ある時は手のひらサイズの蜘蛛や数えきれないほどの子蜘蛛たち、ある時は養殖してるのか、ってほどのゴキブリの群れ、ある時は房に巻き付く猛毒のヘビ、・・・etc。
これらが袋を開けた瞬間ににびっくりして一斉に飛び出してくるのです！！

ちなみにこの作業は女子の仕事です。
ある者は悲鳴をあげ、ある者はそのあまりな匂いに嘔吐し、ある者は気絶をしてしまう。

そんな恐ろしい作業でした。
ちなみに私は身長が１５４cmと小さかったことから（吊されたバナナに届かないから）この作業をやることはなく、もっぱらヨーロピアンの仕事でしたが、彼女達は毎晩、袋の中身について語っていました(^^;)


私と一緒に行った私の友人にはもう１つ悩みがありました。

私たちの部屋は２段ベットが２つ置かれた４人部屋で、その内１つの２段ベットの下の段はダブルサイズになっているという、変わったベットでした。
最初の１週間は私と友達だけの快適な生活でした。
２週間目、ある日本人のカップルを同居人に迎えました。
彼らはこのオーストラリアで出会った年の差あ姉さんカップル。しかも出身は九州と北海道(^^;)

はじめ、私たちは同室の同居人が同じ日本人であることを喜びました。

文化の違いでしょうか、白人やアジア人関係なく、ほとんどの国の人間は生活騒音がひどく、だらしないといったことはもちろん、夜中に他の人が寝てても電気つけてガタガタやったり、ルームメイトに気を使う、ということが日本人より欠けるからです。

しかしまぁすぐ喜んだことを後悔しましたよ(´ω｀)
彼らはすごくいい人たちでした。
礼儀はもちろん、気を使うということもちゃんとできる人たちでした。
ただ問題は夜中です。

彼らは例の１段目がダブルベットになってるベットを使っていましたが、ぶっちゃけて言えば、夜中に毎晩“してる”んです。
信じられますか？
同じ部屋に赤の他人が２人もいるのに。。
そしてそのベットの上に寝ていた私は声だけでなく、そのベットの揺れによって最初の２日は全く眠れませんでした。
睡眠不足でのバナナの仕事は死ぬほど辛いものでした。。
３日目、私は友人のベットの下の段へ移りましたが、声は毎晩朝方にかけてまで聞こえ続けました。

ある意味、昼間あんなに過酷な仕事してるのに、すごい体力だと感心しました。

他のヨーロピアンに、
“毎晩地震で眠れない”
って言ったら、すぐに察したらしく、
“人間、過酷な環境にいるとそういう欲が普段より強くなるんだ”
って言って大爆笑してました。

私たちは睡眠不足によりますます仕事がきつくなり、その週でリタイア(別に期限が決まってるわけではないので、１週間ごとに更新するかしないかを決めればいいんですけど、本当は１ヶ月位やろうと思ってたので)。　

バッパーで会ったヨーロピアンたちや工場の人たちとX'masパーティをしたり、それなりに楽しい思い出もありますが、２度と戻りたくないとも思いました。


そして私はそれ以降バナナをほとんど食べなくなりました。
嫌いなわけではないのですが、バナナを見ると、あの時の辛い思い出を思い出すからです。

貴重な体験でした(^^)

 

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