これは学生時代に、会席料理屋さんで配膳のバイトのようなことをしていた時のとある宴席でのことです。
登録制のバイトのようなものだったので週に一度入るかどうか位のバイトだったのですが、その日は特に入っていなかったんです。
でも前日に、どうしても人がいないからと頼まれ仕方なしに急遽バイト(@_@)
会席料理屋なのでお店に着いて、着物に着替え、スタンバっていると先輩たちは口々に
「今日本当は入りじゃなかったのに突然頼まれたんだよね~。急にバイトのドタキャン何人もでたとかで。」
「私もそう言われて懇願された!」
「そんなに急に何人もドタキャンっておかしくない?!」
確かに( -_-)
私もそうだし、、、。
ちなみに大きな宴会の時の臨時要員としての登録制バイトなので見知った顔は1人くらい。
そうこうしているうちにお客さんが来たとかで宴席の部屋に入りました。
・・・・・・
明らかに今日のお客はおかしい。
誰もが心の中で呟いきました。
かなり大きなお座敷に50人くらいはいたでしょうか、見るからにガラの悪そうなそちらの方面(と思われる)のお仕事の方々がすごい威圧感で座ってらっしゃいました(-。-;)
やられた( ̄△ ̄)
前に先輩から聞いたことあったんですよ。
ここの店はたまに○○組の人たちが宴会に使うって。。
複数のバイトのドタキャンもなんだか納得( -_-)
ただこうなっては逃げるわけにもいかないんで、なんとか宴会が終わるまで乗り切るしかありませんでした。
腹をくくって宴会が始まるのを待っていましたがなかなか始まらない。
上座の主賓席にはお膳が2つあり、1つは組長と思われる方と、もう1つはまだ空席。
すると襖が空き、若手の組員が
「到着しました。」
と言ってもう一人を招き入れました。
その人が入ってきた瞬間、全員立ち上がり、体育会系の部活のような勢いで、
「お疲れさまでした!!」
と。
どうやら幹部クラスの出所祝の宴らしい(^。^;)
何でわかっちゃうんだろ私~、みたいな自分ツッコミをしつつ・・・宴会がスタート。
うちらは食事を出したり下げたりしながらお酒を注いだり空いたグラスを下げたりするわけですが、
お銚子をもって、「どうぞ(^^)」なんてやるのも一仕事です。精神的に( -_-)
だって半袖の襟刳りや袖周り逞しい腕の辺りに素敵な模様が見えちゃってるし。。
お猪口を持つ指が全部見えなかったり(^。^;)あれ?指の数が少なく見えるのは私酔っちゃったかな~なんて。
すると突然、年配の1人が、
「おい!おまえらコンパニオンだろ、誰か脱いで兄さん楽しませろやー!兄さん久々のシャバなんだからな。」
と私たちに怒鳴るようにいいました(゜Д゜)
なんじゃそりゃ?
と思っていると、先輩が丁寧に、
「私たちは配膳やお酌をするだけのスタッフなんでそういうコンパニオンとかじゃないんです」
と言いました。
すると気分を悪くしたのかお客様たちは口々に、
「あー?!スーパーコンパニオンいるんだろ!今日よべっつったろ!」
ってな具合に一気に雲行きが怪しくなりました。
よく間違われるんですよ。そのスーパーコンパニオンとやらに。
男性の人は知ってるかもしれませんが、お酌をしたりしながら脱いだり、とてもここでは説明できないような特殊な芸をやる職業の人たちです(@_@)
まぁそういうことをする人たちがいないとわかり、ガヤガヤ騒然となりまして、そのうち、
「おい、今日の幹事は誰だ~(`Д´)」
「はい、自分です(゜o゜;」
「おま、兄さんの出所祝に何考えとんじゃ(`Д´)そんぐらい気をきかさんでどーするんじゃ(怒)」
と、何だかただならぬ雰囲気。。
つーかすげー怖い(*_*)どーなっちゃうの~と思っていたら、一番お偉い方が、
「静かにせんかい!!今日は○○の祝いの席だっていうのにおまえら何しとんじゃい!!コンパニオンがいないならもうしょうがないだろ」
「ねーちゃんたち怖がらせて悪かったな(`_´)ねーちゃんたちの仕事がお酌と配膳なら全力でその仕事しいや!」
と、鶴の一言ならぬ組長の一言でなんとか収束(^。^;)
全力でお酌というのもなんだか(^。^;)
そして、こういうパターンでも酔い回るにつれてお尻とか胸とか触ろうとしてくるお客さんはよくいるんですが、私たちがコンパニオンじゃないとわかったからなのか、組長がいてそういうことを言ったからなのか、なんかそういうことをする人は最後まで誰もいなくて、ある意味では紳士的といえなくもない筋の通ったものでした。かなり怖かったけど(^。^;)
あんま言いたくないですけどこういう場での態度はとある公務員の団体さんたちの方がひどいです( -_-)
まぁ何事もなく宴も中盤、なんとなく担当エリア的なものは決まってたんで、宴会が始まってからちょいちょい担当エリアの中の何人かと会話はしていたのですが、まぁその中でも割と話をしてくれる中間管理職的な中年とも若手とも断定できない歳の方がいまして、そろそろ宴会も終盤という位に、
「携帯番号はよ?」
って聞かれたんです。
「えっ?(^。^;)」
ってなりますよね。
思わず、
「いや~持ってないっていうか、壊れてるっていうか~アハハハσ(^_^;」
って言ったら、
「今時携帯持ってないわけねーだろ!早く番号教えろ!!」
ってすごいドス聞いた声で言われまして、嘘ついたら東京湾に沈められそ~(゜o゜;って思ってリアル番号教えちゃったんですわ(T_T)
「おまえ、今日から俺の女の1人にしてやる!これからはブランドもんでもマンションでも何でも買ってやるから電話でろよ(`_´)」
ひえ~(゜o゜;
まさかのリアル極道の女デビューか?orz
さようなら、私の平穏な日々(T-T)
なんて思ったら何だか恐怖とショックで涙出てきて、そうこうしてる内に宴会お開きに。
電話番号を教える。
こんなことで人生変わってしまうなんて。。
控え室に戻って、先輩たちと話していると、電話番号を聞かれたのは私だけではなかったようで、少しホッとしていると、
「えー!? バタ子さん本当の番号おしえちゃったの~(゜o゜;そりゃヤバいよ(-。-;)」
って言われて、
再び気分はどん底に(T_T)
つまりは、こういうことがあるから今日入るはずだったバイトたちがドタキャンしたわけだ、と妙に納得。。
女将さんにこういう場合の心得みたいの聞いておけばよかったなーなんて自分の軽はずみな行動を深く反省(T-T)
よくよく考えると、極道の女ならまだしも、ヘタしたら海外の風俗店に売り飛ばされたり、臓器売られちゃうかもしれない( -_-)
でも言い訳を言うとすれば、
相手が相手なだけに、どーやって断ればいいかわからなかったんですよねー。
というわけで、生きた心地もしないような気持ちで翌日。。
電話かかってきちゃったんですよ~(゜o゜;
「おう、俺だ」
って。
私は相手の番号を聞いてなかったので、うっかりでてしまいまして。。
とりあえず、その場はなんとかごまかして電話を切り、すぐにその電話番号を『やーさん』という名前で電話帳に登録しました。
次はうっかり出ないようにするために。
その後2週間位、
コードネーム『やーさん』からしつこく電話がありましたが、二度とでることはありませんでした。ってか怖くて出れなかった(^。^;)
そして時は流れ1年くらいたって、そんなこともすっかり忘れていたころに、突然コードネーム『やーさん』から1度不在着信があった時は飛び上がるほどビビりました(*_*)
その後は何事もなく今に至ります(*・ω・)ノ
いや~今考えると、あれはある意味人生の分岐点でした(@_@)
長い人生でいくつかある人生の分岐点のお話でした(^。^;)
つーか、やーさんに携帯番号を教えちゃったお馬鹿さんのお話ともいいますけどww人気ブログランキングへ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます