Sujak do 〜SujaのDNA〜

興味深く感じたことや読んだ書籍について書いたりしていきます。天然石については、一休み。

数珠つなぎ読書〜帝銀事件〜

2020-08-20 15:29:59 | 本を読む
新型コロナウイルス感染者の対応に関わっている医療従事者の方々の勇気ある姿勢に心から感謝します
そしてに全うできる事を心から祈っています


こんにちは
Sujaです

発端は、京極夏彦さんの小説『邪魅の雫』なんです

物語は、戦後間もない昭和28年の設定で
連続毒殺殺人の話なのですが

話の中で
昭和23年に実際に起きた「帝銀事件」の事に少し触れていて
興味を持ったのです

私が生まれる遥か前の事件で
毒盛って人を殺したとしか知らず

いつ頃のどんな事件で
犯人などの詳細も知らないレベルです

『邪魅の雫』の中では
帝銀事件の犯人が無実を訴え控訴中という話になっていました

いったい帝銀事件は
どういう結末だったのだろう?

で、図書館で借りてきました
松本清張さんの『小説 帝銀事件』



小説というより
『実録 帝銀事件』と言ってもいいほどの内容でした

作中に引用されている資料は全て本当で、人物もほぼ実名でした

戦後まだ日本がGHQの占領下だった
昭和23年1月26日 pm3:00過ぎ
帝国銀行(現:三井住友銀行)椎名町支店に
都衛生課員を名乗る男が現れ
「近くで赤痢が発生したので、予防薬を飲んで下さい」と指示し
持ってきた液を行員16人に飲ませ
苦しんでいる間に、現金16万4千4百55円35銭と小切手1万7千4百50円を奪って逃走
行員16人中12人死亡

という事件でした

捜査班は
この事件の前に
他の銀行でよく似た未遂事件があり
その際、犯人が行員に渡した名刺を手掛かりに搜索する『名刺班』と

犯人が、液を湯呑みに分けるときに使用したピペット(スポイト)が、軍が使用していたものと似ていて、薬品や医療に詳しい旧陸軍731部隊(関東軍防疫給水部)の関係者を捜査する班の
二手に分かれて捜査は進められるんですが

結果、名刺班が
画家の平沢貞通氏を逮捕するんです

平沢貞通氏は
非常に厳しい取調べを受け
約1カ月後、自白します

しかし、裁判では一転無罪を主張するのですが

死刑判決を下されてしまいます

この事件は
平沢貞通氏の自白のみで
自白の裏付けも
物的証拠も無く
16人中助かった4名の証言も
平沢貞通氏が犯人かどうか
当初は曖昧だったようです

私は
なぜ、平沢貞通氏は自白して一転無罪を主張し続けたのか
本当は犯人ではないのではないか?

知りたくなりました

そして
平沢貞通著『遺書 帝銀事件』
という本を見つけたのです