こんにちは
Sujaです
私を含め大半の人たちが
戦時中の経験が無いことと思います。
近頃の私は
近頃の私は
経験が無いからこそ知りたいと強く思い
小説を読む時も
昭和初期や戦前戦後の時代背景の小説を好んで読んでいます。
その中でも
その中でも
三浦綾子著『銃口』は心に刻まれる作品です。
舞台は北海道の旭川。
昭和初期から終戦後まで主人公の男性が
この時代に翻弄されながらも
愛と慈しみを育んで生きようとします。
上下巻の文庫本で
上巻では主人公の幼少期から青年になり
教師という職業に就いて
やさしく明るい先生として理想の教師に邁進する日々をおくります。
読んでいても和やかな気持ちになり
純粋で素直な主人公に好感を抱きながら読み進めることができました。
しかし
上巻の終わりに差し掛かるころ
身に覚えもない事で警察に連れて行かれてしまい下巻へと続いていくのです。
下巻では
下巻では
当時の時代ならではの理不尽さと不条理な現実に晒された
主人公の苦悩が描かれています。
その中で
『綴り方教育連盟事件』という事件を知りました。
調べると1940年から41年にかけて実際い起きた思想弾圧事件だということです。
この事件は
教師らが生徒に日常生活のありのままを綴り方(作文)で表現させる教育が
治安維持法違反になるとして
北海道で大勢の教師が逮捕されたそうです。
自由に表現するということが
資本主義の矛盾を自覚させ
階級意識を植え付け
共産主義教育をしようとしたとされたそうです。
これにはかなり衝撃をうけました。
これにはかなり衝撃をうけました。
日常の生活を自由に描くよりも
国家や天皇への思いを綴らせる教育を良しとしていた時代だったとは。
主人公は
主人公は
この事件に関わってもいないのに
不幸にも逮捕され
取り調べや訊問を受け
半年以上留置されます。
読んでいても非常に辛く
読むスピードが一気にスローになってしまいました。
留置から解放されたとて
留置から解放されたとて
なかなか穏やかな日々には戻れません。
今度は
彼のもとに召集令状が届き
結婚を直前にして
主人公は満洲へ行くことになります。
ここから先を読み進めていくうちに
ここから先を読み進めていくうちに
私はなんとなく
トルストイを読んでいるような錯覚に陥りました。
または聖書のたとえ話を読んでいるような気分になったのです。
著者自身クリスチャンだそうで
主人公の婚約者もキリスト教徒だったり
主人公自身が言動を振り返り
内省する様子などもあり
悟りや気づきを所々に織り交ぜたストーリーでした。
兵隊となった主人公は
兵隊となった主人公は
非常に善良な上司たちに恵まれ
互いに尊敬と思いやりとで平和な人間関係を築いていくのです。
終戦となり
主人公は信頼する上司と共に
満洲から日本へと帰ろうとするのですが
困難な場面では幾度となく救いの手に助けられ
命からがら生還します。
終盤は「良かった良かった」と思いながら読み進めることができ
終盤は「良かった良かった」と思いながら読み進めることができ
戦争を題材にした作品の中では
いずれまた読み返したい大切な作品になりました。
当時を知るには非常に参考になり
当時を知るには非常に参考になり
なにより美しいと感じた作品でした。