Sujak do 〜SujaのDNA〜

興味深く感じたことや読んだ書籍について書いたりしていきます。天然石については、一休み。

数珠つなぎ読書〜帝銀事件〜平沢貞通氏〜

2020-08-22 15:08:26 | 本を読む
新型コロナウイルス感染者の対応に関わっている医療従事者の方々の勇気ある姿勢に心から感謝します
そして無事に全うできる事を心から祈っています


こんにちは
Sujaです

京極夏彦さんの『邪魅の雫』が発端で
帝銀事件に関心をもち
松本清張さんの『小説 帝銀事件』を読む中で
平沢貞通氏とはどんな人なのか
知りたくなり
平沢貞通著『遺書 帝銀事件』に辿り着きました

この本は
平沢貞通氏の支援者である
森川哲郎さんに宛てた手紙をもとに
森川哲郎さんの解説や
支援者たちの会談などが書かれていました



平沢貞通氏は
1892年(明治25年)2月18日に東京で生まれ
出身は北海道の小樽市だそうです

子供の頃から絵が上手く
帝展にも出品し
横山大観の弟子として画家として活躍していたようです

『小説 帝銀事件』と
この『遺書 帝銀事件』を読んでみて
私個人としては
平沢貞通氏は【無罪】
なのではないかと思うのです

平沢貞通氏が
帝銀事件の犯人として逮捕され
死刑判決を受けるに至ったのは

数々の不運な時期が重なったが故のように思われるのです

まず
犯人の手掛かりとなった名刺

この名刺は
《厚生技官 医学博士 松井蔚 厚生省予防局》

松井蔚という人物は実在し
彼と名刺交換した人物
更には
その名刺を持っていない人物が
犯人の可能性があるということです

平沢貞通氏は
以前にこの松井蔚さんと名刺交換をしていて
その名刺を財布に入れたまま
スリに遭ったということなのです

だから当然名刺は手元になく
容疑は晴れないのでした

そして、当時のアリバイも
非常に微妙なところで
全く犯行出来ない事はないと
判断されたようです

更には
当時、平沢貞通氏が帝銀事件で奪われた金額と同額に近いお金があった事
このお金に関しては
何のお金なのか明確にはしていないようです

平沢貞通氏は
狂犬病予防接種の副作用で
コルサコフ症候群に罹っており
記憶障害や辻褄の合わない虚言をする傾向にあったそうです

そして、悪い事に
平沢貞通氏は、帝銀事件の数ヶ月前に詐欺行為を働いていたことも発覚し
益々容疑は深まります

そして
動かぬ証拠もないまま逮捕に至ります

当時は新憲法と旧法との境い目だったようで
平沢貞通氏は
自白を重要視する旧法での裁判となったようです

警察としては
自白さえさせれば裁判に持ち込めるのだから
どんな手を使ってでも自白させると意気込んでいたのでしょう

相当に厳しい取調べだったようです
肉体的、精神的に追い込んで
平沢貞通氏は
3度自殺を図りますが
失敗します
そして
警察に上手く誘導されながら
自白したようです

平沢貞通氏は
死刑判決を受けますが
執行されぬまま
1987年(昭和62年)5月10日肺炎のため獄中死します
95歳でした

犯行に使ったピペットも薬品の容器も見つかってない
薬の入手経路も定かでない
人相も曖昧
指紋に至っては、合致していない

これ、現代の裁判では
死刑判決にはならないし
有罪にするのも難しいでしょう

もう一方の捜査では
旧日本軍の元731部隊の軍医を
捜査していたのに
そちらは平沢貞通氏が逮捕されて
打ち切りになったそうです

しかし
当時捜査担当だった
成知英雄警視は
かなり核心についたところまで
捜査は進んでいたことをこの本に記しています

【731部隊】通称【石井部隊】
この名は『邪魅の雫』でも出てきました

この部隊は戦時中
満州で何かを研究しています
【マルタ】という隠語で
人間をモルモットにしています

そして私は

青木冨貴子著『731』
という本を見つけました


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