神代植物公園の大温室には睡蓮の花が咲いています。
昨日、一枚のファックスが入っていました。
吉野大巨先生からです。
何もコメントは書かれていませんが、桑原翆邦先生遺稿と題されていました。
昭和11年9月号所載と記されています。
内容をご紹介いたします。
「書とかをり」
夏になりました。
いろいろな花が咲いて居ます。
真っ白い花、まっかな花、きいろい花、紫の花、どれもみんなきれいです。
大きな花もあります。
小さな花もありあます。
一輪さきのものもあれば、たくさんの花が房のやうになったものもあります。
ちっとも目立たない色をしながら、気高い清らかなかおりをはなつ花があります。
形も大きく、色も鮮やかなのに、少しもかをりのない花もあります。
中には頭のいたくなる様な いやなにほひの花もあります。
そんな花はいくらきれいでも人にいやがれます。
かをりのない花は、つくりばなと同じ様で、ゆかしくありません。
花には、色よりも、かたちよりも、かをりが何よりも大切です。
書も花も同じことです。
形のよい字よりも、筆使ひの上手な字よりも、かをりの高い字が、一番よいのです。
かをりの高い字はどうすれば書くことが出来るか。
それには昔の人の立派な手本を習はなければなりません。
人格を願いて、気高い人となる様に心がけなければなりません。
(魚目)
本来はであれば縦書きでカナをふってご紹介出来れば、桑原翆邦先生の想いが少しでもお届け出来たのかも知れません。
今日は少し、書道仲間である「むさしの墨友会」のブログ内容になったかと思います。
ご紹介した花が邪魔だったかも知れませんね。
お許しを・・・。
(萬 鶴)