連載シナリオ『ハートに火をつけて』
3 商店街の床屋(冬)
美容室のようなオシャレで明るい店内。
床屋の主人(マスター)、カットの最中、
軽快なリズムで鋏を動かす。
呼び鈴が鳴り、ガラスの扉が開く。
髭面でポニーテールの慶次、入ってくる。
慶次「こんちは」
マスター、手先を見たまま
マスター「へい、いらっしゃい」
ママ「いらっしゃいませ」
ママ、慶次に近付き、
ママ「ご予約、戴いてますか?」
ママ、慶次の顔を覗き込み
ママ「あら、慶ちゃん!パパ慶ちゃんよ」
マスター、慶次を見て
マスター「お!この外篭もり野郎、久し振り
だな、サーファーから山男に変身か?」
慶次、苦笑い。
ママ「予約でいっぱいだけど、最後まで待ちますか?」
慶次「ええ、待ちます」
ママ「じゃ座って」
慶次、ソファに座る、隣にママも座る。
ママ「2年以上、会ってなかったわよね」
慶次「2年半かな」
ママ「今度は何処に、行ってたの?」
慶次「フィジーとニュージーランド」
ママ「あ!そお言えば、ニュージーランドか
ら年賀状来てたわよね」
ママ、掲示ボードを見る、ニュージーラ
ンドの絵葉書が画鋲で一点留めで射してある。
ママ「それで2年半も海外?」
ボードに絵葉書が何枚か刺さっている。
慶次「いや1年半」
ママ「あと1年は?」
慶次「日本で引篭もり」
ママ「嘘だ!」
慶次「本当!俺、就職しようと思ったけど・・・・
面倒臭くなって」
ママ「それで、就職決まったの?」
マスター「就職決まったら、そんな頭してね
えだろ」
ママ「あら!そうよね」
ママと慶次、顔を見合わせ笑う。
マスター「おばさん、シェイビング頼む」
ママ「あ!はい」
ママ、そそくさと洗面台へ向かう
入れ代わりに、マスターが慶次の隣にす
わり、煙草に火を付ける。
マスター、煙草を一服吸ってから、
マスター「武彦、離婚したの知ってっか?」
慶次「ええ、俺そんとき日本に居ましたもん」
マスター「あ!そうか、あいつ離婚したの3
年前だったもんな、しかし早えなー」
マスター、遠くを見つめる感じで、
煙を吐く。
煙の向こう側に、オーラソーマの
105本のカラーボトルがディスプレイされている。
3 商店街の床屋(冬)
美容室のようなオシャレで明るい店内。
床屋の主人(マスター)、カットの最中、
軽快なリズムで鋏を動かす。
呼び鈴が鳴り、ガラスの扉が開く。
髭面でポニーテールの慶次、入ってくる。
慶次「こんちは」
マスター、手先を見たまま
マスター「へい、いらっしゃい」
ママ「いらっしゃいませ」
ママ、慶次に近付き、
ママ「ご予約、戴いてますか?」
ママ、慶次の顔を覗き込み
ママ「あら、慶ちゃん!パパ慶ちゃんよ」
マスター、慶次を見て
マスター「お!この外篭もり野郎、久し振り
だな、サーファーから山男に変身か?」
慶次、苦笑い。
ママ「予約でいっぱいだけど、最後まで待ちますか?」
慶次「ええ、待ちます」
ママ「じゃ座って」
慶次、ソファに座る、隣にママも座る。
ママ「2年以上、会ってなかったわよね」
慶次「2年半かな」
ママ「今度は何処に、行ってたの?」
慶次「フィジーとニュージーランド」
ママ「あ!そお言えば、ニュージーランドか
ら年賀状来てたわよね」
ママ、掲示ボードを見る、ニュージーラ
ンドの絵葉書が画鋲で一点留めで射してある。
ママ「それで2年半も海外?」
ボードに絵葉書が何枚か刺さっている。
慶次「いや1年半」
ママ「あと1年は?」
慶次「日本で引篭もり」
ママ「嘘だ!」
慶次「本当!俺、就職しようと思ったけど・・・・
面倒臭くなって」
ママ「それで、就職決まったの?」
マスター「就職決まったら、そんな頭してね
えだろ」
ママ「あら!そうよね」
ママと慶次、顔を見合わせ笑う。
マスター「おばさん、シェイビング頼む」
ママ「あ!はい」
ママ、そそくさと洗面台へ向かう
入れ代わりに、マスターが慶次の隣にす
わり、煙草に火を付ける。
マスター、煙草を一服吸ってから、
マスター「武彦、離婚したの知ってっか?」
慶次「ええ、俺そんとき日本に居ましたもん」
マスター「あ!そうか、あいつ離婚したの3
年前だったもんな、しかし早えなー」
マスター、遠くを見つめる感じで、
煙を吐く。
煙の向こう側に、オーラソーマの
105本のカラーボトルがディスプレイされている。