『隠者の館』
毎週土曜日はタロット劇場『放蕩息子foolの旅』
Camoin Tarot(マルセユ版)Ⅰ『大道芸人』
アフリカを歩いて旅をしているFool君です！
大きな港町に着くと、
お腹が空いたので食堂を探していたら
何だか人だかりができています。
野次馬根性が旺盛なFool君は、
人混みをかき分けて、
人だかりの原因を突き止めます。
大道芸人がサイコロ賭博を開帳しています。
次々と人だかりの当事者たちが、
大道芸人にサイコロ賭博でお金を巻上げられていきます。
ギャンブル好きのFool君は、
よせば良いのに食堂で使うつもりだった、
農婦にお駄賃としてもらった
なけなしの銀貨1枚を
サイコロ賭博に賭けてしまいました。
いつもは博打運がなく
ギャンブルに負けてばかりfool君が、
今日に限って連戦連勝で勝ちまくります。
fool君は勝金をそのまま動かかさず、
次の賭け金にするので、
連勝中のfool君の前には、
倍倍ゲームで勝金が山のように積み上げられていきます。
野次馬A「あんちゃん、その辺で止めといたほうが良いぞ」
fool君、意に介さず勝負を続行します。
テーブルに載りきらない程の金、銀、銅貨が
山のように積まれています。
大道芸人「お客さん、私には今日はツキがないようだ、次の勝負で最後にしよう」
野次馬A「あんちゃん、ここで止めとけ！次は負けるぞ」
fool「大丈夫だよ、負けても最初は銀貨1枚しかなかったんだから、僕が負けても銀貨1枚の負けさ」
fool君、よせばいいのに、そのまま勝金丸ごと賭けて大勝負にでます。
観衆が固唾を飲み見守る中、
大道芸人がサイコロを振ります。
野次馬A「オー！スゲー！勝っちゃったよスゲースゲー・・・・」
fool君「ヤッター、ヤッター」
飛び跳ねて喜ぶfool君です。
大道芸人「お客さん、実は私には払うお金がもうないのじゃ」
大道芸人、頭陀袋から何かをとりだしfool君の目の前に差し出します。
大道芸人「これで、勘弁してくれないか？」
fool「何だガラス玉じゃないか」
fool君、ガラス玉を手に取り
fool「でも綺麗なガラス玉だね、これでいいよ」
野次馬A「好いのかよ？兄ちゃん太っ腹だね」
fool「だって銀貨1枚がこんなになったんだもん十分さ」
fool君、林檎を入れていた大きな頭陀袋に山のよう貨幣を詰め込みながら、
fool「オジサンありがとう、でもウソはダメだよウソは泥棒の始まりと言うだろ、オジサンは泥棒じゃなくてペテン師かもね」
苦笑する大道芸人
(※タロットカードⅠ『魔術師』本来の名称はペテン師)
次週へつづく・・・・
『クロスの中はあなたの宇宙です・・・・』
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