『隠者の館』
毎週土曜日はタロット劇場『放蕩息子foolの旅』
GOLDEN DAWN タロット12『吊るし人』
お供の子犬を連れて西へ歩いて旅するfool君です。
海辺の町に来ると、波打ち際の洞窟の入り口に男が吊るされています。
fool「どうしたんだい？」
吊るし人「助けてくれ～」
fool「分った今助けるよ」
男の声「バカヤロー！助けるんじゃね～」
fool「だって、このまま潮が満ちたら死んじゃうよ」
崖の上からガラの悪い男たちが大勢降りてくる
男「こいつはサイコロで負けてイカサマまでしてやがった」
fool君、吊るし人に向かって
fool「イカサマはダメだよ」
男「そうだ、だから縛り首だ」
fool「でも殺すことはないだろ」
男「金貨10枚盗んだら縛り首だ！こいつもサイコロの負けとイカサマで縛り首だ」
fool君、頭陀袋から金貨10枚を取りだし、
fool「コレで助けてやってくれよ」
男「お～スゲー！本物の金貨じゃねえか」
fool「コレあげるから助けてくれるね」
男「分った！てめーら下ろしてやれ」
ガラの悪い男たちは、吊るし人の縄をほどき下ろしてやる。
吊るし人「ダンナありがとうございます」
fool「僕もギャンブル好きだから分かるけどイカサマはダメだよ」
吊るし人「へいスミマセン、ダンナも賭け事好きなら、これから一勝負どうですか？」
吊るし人、前を歩く男たちに向かって
吊るし人「親分、ダンナもサイコロ好きだそうで、これからどうですか？」
男「そりゃ好いな～ダンナ一杯やりなが一勝負いきましょう」
男(モノローグ)「あの頭陀袋にはもっと沢山金貨が入っているはずだ、サイコロでイカサマするより今、ふん縛って全部巻き上げるか？」
fool「ダメだよ！これは僕のお金じゃないもん」
次の瞬間、砂浜を歩いていたfool達は大津波に呑み込まれる！
気が付くとfool君だけ砂浜に倒れている。
fool「お～い、みんないないのかい？」
何の返事もありません。
海は何事もなかったように、海面は鏡のように静かです。
次週へつづく・・・・
『クロスの中はあなたの宇宙です・・・・』
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