毎週土曜日は『放蕩息子foolの旅』

プーケ姫ご一行は、エトナの森に到着しました。

子犬のハチが先導するように先頭を歩き、次にプーケ姫、しんがりにfool君と続きます。

プーケ姫「お昼なのに夜みたいに暗いわ、わたし怖い！何か出てきたらfoolさん守ってくださいね、ハチは天使様に変身して助けてください」

ハチ「ワン」

・・・・数十分後

fool「あ！井戸が見えてきたよ」

プーケ姫「誰もいませんね？」

天の声「プーケ姫一人で井戸の中に入れ」

プーケ姫は井戸の中を覗き込み

プーケ姫「中は暗くて何も見えませんわ」

fool「本当に真っ暗で何も見えないね」

プーケ姫「私怖いわ、foolさん一緒に中に入ってください」

天の声「それはダメだ、姫ひとりで入るのだ」

プーケ姫「私いやです！ひとりで入るなんて無理です」

ハチが天に向かって吠える

ハチ「ワンワンワンワン・・・・」

天の声「天使風情が神にものを申すな！」

突然、例の老婆が現れる

老婆「アイオロス、foolとハチも城まで行かせてやれ」

アイオロス(天の声)「でもヘラ様・・・・」

fool「お婆さんはやっぱり、ヘラ様だったんだね」

老婆はヘラ神に変身する

ヘラ「アプロディテ親子には私から言っておく、foolとメタトロンも一緒に行かせてやれ」

アイオロス「分かりましたヘラ様」

ヘラの姿は一瞬で消える

アイオロス「それでは皆の者、井戸の中に入れ」

fool君が先に井戸の中に入る

fool「あれ？水も地面もないのに、浮いてるよ？」

プーケ姫「うそ！」

プーケ姫も井戸の中に入る

プーケ姫「本当だわ、何か不思議ですわ、ハチいらっしゃい」

ハチがプーケ姫の腕に抱かれた瞬間

プーケ姫「キャー！」

プーケ姫、fool、ハチは井戸の底が抜けたように、奈落の底に落ちてゆく

プーケ姫、fool、ハチは、別の井戸から吐き出される

井戸は草原の中にあり、草原のむこう立派な宮殿が見える

アイオロス(天の声)「あの城に姫ひとりで向かうのだ」

fool「アイオロス様、僕はここで帰りますが、ハチは姫と一緒に行かせてください」

アイオロス(天の声)「分かった、foolは井戸の中に戻れ」

fool「それでは姫、さよなら」

fool君は井戸の中に飛び込む

次週へつづく・・・・

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