拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

背中の肖像 - その1(クロード)

2011年08月12日 | 人間観察録
 ボクの必撮シリーズの一つ 「背中の肖像」の キッカケとなったのが この写真。
      

 これは友人 クロード の背中 であるが 後ろ姿で顔は見えないが なんとなく人のいい彼らしさ・・・が 感じられる気がする。
 それは もしかしたら単なる錯覚かもしれない。 彼のことを知っているからそうみえるのだろう・・・かもしれない。

 クロードは丸坊主頭にしいるので ローザンヌのような小さな街では 結構目立って街のあちこちで見かける
 変な男ぐらいの印象しかなかったのが、 ニコルがジュネーブで働いていた時 いつの間にか彼女の通勤友達
 の一人になっていた。ニコルは通勤でもよく電車カフェを利用していたが そこにこのクロードもよく来ていて
 友達になったらしい。偶然彼等のアパートも近所で よく彼と彼の奥さんガブリエルを我が家に招いたり
 招かれたりして 友情を深めていった。 実は彼は もう20年以上坐禅をしている自称坊さんで 
 ローザンヌにある 禅道場を 友人のベアトリスと共に支えている主要メンバーである。

 街で見かけた彼の第一印象は なんかフラフラしている焦点の定まらない 気の弱そうな男・・・。
 であったが、 友達になると 禅の“ぜ”の字も感じさせない 天然のコメディアン・・という印象
 に変わっていった・・・。
 

 

 嗚呼! 日瑞の恋

2011年08月02日 | 人間観察録
 ニコルの従姉妹の息子 テル は大の日本好きで 去年12月念願がかなり東京近郊の家庭に
 ホームステイしながら日本語学校へ通っていた。 それで311を体験、 毎日のように続く地震に
 嫌気がさして 九州へ飛んだ。 何のあてもなく福岡空港に着いた彼は しばし途方にくれていた
 わけだが、 同じ飛行機に乗り合わせていた ヒミコ という女性が困っている様子のテルに声を
 かけた。
 ・・・・それが この恋のなりそめであった。

 その数週間後 テルは東京のヒミコの アパートに居候。 2ヶ月あまりを一緒に過ごし、愛も深まり
 テルは ズーッと彼女と日本に滞在したいと ヒミコの友人の助けを得て 就職活動をしたが、
 まだ初心者の域をでない日本語、それと経済活動の停滞もあって 仕事を見つけることが出来ず
 ビザの期限切れで 帰国を余儀なくされ帰ってきた。

 7月の下旬 たった一週間の滞在であったが ヒミコが テルを訪ねてスイスに来た。
 テルの両親は 彼女を手厚く向かい入れ もてなし、 彼女もまたよくそれに応えたようだ。

 一昨日、我々は テルの両親宅へ遊びに行き、ボクは親父さんに 彼女の印象を聞いてみた。

 親父曰く 「非常に気の利く娘で 1云えば 10理解する・・・そんな具合で驚いたよ・・・」
 さもありなん、と ボクは心のなかで 微笑んでいた。 黒く長い髪の彼女の写真を見た時
 スカイプでの ほんのつかの間の会話で ボクは彼女がどんな女性なのか 解っていた。

 いずれにせよ この二人の恋は いろいろな意味で 前途多難 であることは 間違いない。
 普通の国際結婚の困難の他に 3・11 の 震動・津波・放射能 付き なのだから・・・・。 頑張れ!
          
      
 

 マユミ~18歳の旅立ち

2011年07月10日 | 人間観察録

  マユミは 友達の娘。 日本人の父、スイス人の母を持ついわゆる ハーフ娘。
  ボクとニコルは 彼女の血のつながりのない 叔父、叔母みたいなもの。

  事あるごとに招いたり、招かれしながら 彼女の成長ぶりを楽しむだけの ボクは無責任なオジサンだ。
  人間観察研究家として、子のないボクには大変貴重な ティーンエージャーと接触する機会を提供して
  もらっている。
  しかも、彼女は「ハーフ」・・・ボクは何故か この「ハーフ」の立場の人種に異常に興味を持っている。


 
  親の勝手な都合で 異文化の間に生まれた 「ハーフ」が この先どのような役割を担うのか、ないのか。
  どのような葛藤を生み、それをエネルギーにしてゆくのか、ゆかないのか。・・・などなど。

  ボク自身も 江戸っ子の母と道産子の父のハーフ、の上に 産みの親、育ての親を持つ境遇を経てきたせいか
  血のつながり、情のつながり、運を天に任せためぐり逢いなどが、その人間をしてどのような人生を歩ませる
  のか?・・・というような点に大変興味があるので、それもボクの必撮テーマのひとつになっている。
 (寅蔵、二葉百合子の講談・浪花節好きの菊池の母さんの影響があるのだろうか?・・・古いなぁ~!)



  それと「ティーンエージャー」。自分自身を振り返っても、自分という芯がありながらも、未だ自分の
  道を歩めていない"じれったい時期”で、解っているような、いないような。美しくも悩み多き不思議な時期。
  なかなか、写真にしにくいテーマで、あるが。
 
  そのマユミも いわゆるバカロレア試験を突破して 9月からいよいよ大学に挑戦するらしい。
  日本の大学と違い、入学は簡単だが、出口は狭き門。さてどうなるか。
 
  マユミは今日から 1ヶ月半の予定で英語の修行にでかけた。 Take Care!!
                     
      
 


うだる暑さの下で・・・

2011年06月28日 | 人間観察録
 昨日の暑さが、可愛いく感じられる今日の気温33度だって。

 ホコリ高き 引越し稼業としては ちょいとキツイ気温なのだが、ボクはひんやり気味の地下室
 担当で助かった。 そのうえ、 客の子供、三人姉弟の8歳の長女 カミちゃんが怖いパパに似ず
 じつに愛らしく 隠れんぼ をして遊んでくれた。 両親はフランス人であるが、父親の仕事の
 関係で日本に5,6年住んでいて少し日本語、そして英語、もちろんフランス語が出来る女の子だ。

 日本に長いこと住んでいたせいか? 顔は可愛い赤毛の洋風だが、雰囲気がふんわりとした和風?
 で8歳の子にしては なんか深いものを持っている将来楽しみの女の子と見た。

 ところでボクの相棒のアフリカ系ポルトガル人の老師ミカエルは仕事仲間としては非の打ち所が無い
 のだが、ただ一つ凄い弱点があるのだ。
 (ミカエルについて詳しく書いてある昔の記事を参照)
  http://d.hatena.ne.jp/syaraku-sai/searchdiary?word=%A5%DF%A5%AB%A5%A8%A5%EB

 朝起きに 非常に弱い。 今日も寝坊で 約束の7:30に来なかったのだ。仕方なく彼の住んでいる
 地区までトラックで迎えに行く。 彼を雇っている 親方のアントニオは事あるごとに「奴のあの
 欠点の為にだれもアイツを雇うものがいないんだよ。」と・・・。
 
 たしかにこの欠点は困りものだが、それでも 彼の存在はボクにとって欠点を補って余りあるもので、
 朝あったとき 子供のように小さくなっている彼を見ると どうも強く叱れないのだ。

 それにしても トラックでの移動中は うだる暑さ に こんな風景を 逆想像して涼しさを求めた。
  散歩コースちょっと遠目のモルジュの1月の寒い風景
 
 
 
 
 

色情狂症・・・?

2011年06月08日 | 人間観察録

昨日、ニコルが仕事で関わった人が、ローザンヌの写真美術館エリゼの仕事をしたとかで、ちょうど昨日の夜

新しいテーマの展示”フェリーニ展”のオープニング入場券をニコルにくれたので、二人で観に行く。

................ http://www.elysee.ch/en/homepage/

(Federico Fellini, 1920年1月20日 - 1993年10月31日)子供の頃、フェリーにという有名な人の映画を何本か見たけれど

サッパリ”わからん”・・という思いでしかなかった。 エリゼ写真美術館の新進ディレクターによるこの企画は、ボクには

写真そのものから滲み出てくる作品性を楽しむというより、フェリー回顧展そのもので、好きな人には”タマラン”

のだろうけれど。だいいちこのパーティに集まっている連中や菓子盆を持って人の間を歩きまわるやたら背の高い

尻のでた黒人女性をみたときフェリーニ展にふさわしいコンパニオンスタッフを選ったのかいな?・・と思った。 

とにかくこの展示をみるかぎりこのフェリーニという人も稀代の女好きなのだなぁ~との感想を持って帰宅。

そして今日、夕食を食べながらTVニュースを見ていると、例のDSK事件(とこちらでは云っている強姦未遂罪)の

関連でSEX病というのか、色情狂症というのか?抑制の効かない人達を病人とみなして治療する病院を取材していた。

男は女に、女は男に興味を示すのは当然・・・と普段認識しているボクはどのへんを境に病気というのか?

と、ふと心配。(今日駅で若い女の子二人が強烈なキスシーンを堂々としていて、時代の変遷を垣間見る。)


ヒマワリな女達

2011年05月29日 | 人間観察録

30日にレストラン“ひまわり”を経営するロゴンスの誕生日会を前倒しで昨日
土曜の夜に彼女のアパートでおこなった。
今年彼女は何歳になるのだろうか?聞くのを忘れたが、だいたい45歳ぐらい。
25,6歳のときレストランをひとりで始めたそうだから、早20年ほどこの
レストランをひとりで切り盛りしてきた・・・とここまで書いてきて一昨年
の11月に“ひまわり開店25周年記念”パーティをやったんだっけ・・・を
思い出した。ということは一体、彼女は何歳になるのか??
写真は2009年の25周年記念に常連を招いたパーティの様子。


彼女の店でユニークなのは約3ヶ月おきにウェイトレスが代わる・・・という
システム。しかも、彼女たちはスイスドイツ語圏からやってくることになって
いる。部屋と食事付き、それにささやかな給金。フランス語に磨きをかけたい
という若い女の子がズーッと来ている。ほとんどクチコミで友達の友達状で
継続しているようだ。

この夜の誕生会も姉妹でウェイトレスを続けた二人とロゴンスの姪(医学
を志す女の子)、そして我が妻、当人のロゴンスの女5人に取り囲まれて
白一点の自分は狭いテラスで肩を寄せ合って、ロゴンスの料理に舌鼓を
打つ幸せを噛みしめる夜であった。


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2011年05月22日 | 人間観察録

バカンス考  

2011年 05月 22日

 いよいよバカンスが終わろうとしている。
バカンス=旅行・・みたいな風潮がこちらではあるけど、ボクに言わせれば
それはとんでも無い勘違いと言う事になる。大金を払ってたいした普段と
代わり映えしない世界を見聞するよりは、「目から鱗」の一冊をひもとく
事のほうがどんなに充実感を得られることだろうか。
しかし、これって「オタク」とか「引き籠り」系の生き方であろうか?
ボクの場合はどちらかと言えば単なる「貧乏系」であるが。

第一、滞在20年になると言っても、かって憧れた外国はスイスに住んで
いる身としては、仕事のないバカンス中ぐらいその日常をじっくり味わい
楽しむほうがより開放感があるというものである。
ただ、我が妻ニコルの立場にすれば、朝、昼、晩、の食事仕度、掃除
洗濯、買い物はバカンス中ぐらい「真っ平御免」というのも御もっとも。

というわけで、貧乏系としてはパリ2泊3日へでかけ、くたくたになって
帰ってきて、やっぱりローザンヌはいいね、という結論に落ち着く。

が、・・・ボクも日本人、原発事故が覆う暗い雲がたえず
頭の片隅に影を落とす。ネットのおかげで様々な情報がえられる。
原発事故の恐ろしさがじわじわ感じられる晩春。


ローレンスの楽園

2011年05月21日 | 人間観察録



 

2011年 05月 21日

 
この土、日曜とレンタカーを借りたので、午後にローザンヌ郊外のコソネ村までドラ
イブ。四季ごとに2回ぐらいずつ訪問するローレンス宅へ。
5月だというのに真夏並みの陽射しの中 郊外の緩やかな丘状の畑、遠くにジュラ山
を眺めているうちに15分ほどのドライブは終了。ローレンス等4家族がシェアーする
馬小屋付きの元農家を改造したアパートの裏では・・・子供たちがトランポリンの上
でこんな遊びをしていた。


ボクも早速仲間入りしてトランポリンに入りたかったのだが、所有者である隣家の
オッサンが監視しているので、写真を撮るだけにして我慢。

ニコルが声をかけてくるのでそちらに目線を移すと、ボクは信じられない光景を
目にしたのだ。なんと生後一週間のロバの赤ちゃん!ぬいぐるみ・・ではないか?
その愛くるしい仕草、姿に感動。都会派のボクはこんな赤ちゃんを初めて見た。

夕食が済んで ハイテク教室がはじまる。ローレンスの家に行くたびに最新の
グッズが必ずあり、いつも感嘆させられるのだ。
今回は「ティクタック」というアップルがだした腕時計兼MP3だった。 


あぁ!女よ・・・

2011年05月19日 | 人間観察録



 

2011年 05月 19日

きょうは 義父 80歳の誕生日。数日前にボクが一日がかりで仕上げたファミリー
アルバム、娘であるニコルがパリで買った“達磨さん”人形(これは絶対、義父に
受けないとボクは思ったが・・・)を持って義父母宅へ。

今日の地元新聞にも 義父の写真と記事が掲載されていて、この2週間で3紙目
3枚目の写真で、真正面から撮った義父の顔は 鷲を思わせる強い眼つきに写って
なんか彼らしくない・・・気がして、本人はさぞかし御不満であろう、と思い
本人に聞くと「イヤイヤ、なかなか良い」・・とのこと。

誕生日プレゼントを渡す段になり、何を貰っても喜んでくれる流石の義父もやはり
“達磨人形”はピンとこない様子であったが、ちょうど電話が入り、義父も救われた
ように席をはずす。 もどって いよいよボクのアルバムの番になり・・・。


義父母に大いに受けること、受けること。義父母、その2人の娘、孫娘、
そして僕ら娘婿のそれぞれの思い出の写真を散らせたアルバム。
とくに最後の3ページは先日行なわれた義父のCDと本の出版パーティの様子の
撮りおろし、二人とも涙を拭いて喜んでくれる。 ところが・・・

最後の見開きページの写真、左に彼等の大好きな若い友人アランの写真これは良し
右の義父母のカフェでのくつろいだ写真に目が移った時、悲劇が始まったのだ。

義母が自分の写っている「写真がひどい!とくに口元がシワだらけじゃないの~ツ!」
とのたまわるのである。義父もニコルもボクも、「イヤそんなこと全然ないよ、
とても可愛いく 写っているよ」と言っても火に油を注ぐ如き状態・・・。
 
 帰宅して我が妻ニコルと話し合い やり直す ことに あいなりにけり
                    嗚呼~っ! 女って奴は・・・ 


マリー・アニエスの箱~その2

2011年05月18日 | 人間観察録



 

2011年 05月 18日

マリーの箱 今回パリで貰ったのが これ・・・不思議の国アリスの世界の箱。
ボクらが訪ねた日の朝2時頃出来上がったそうだ。
  

今、何を見聞しても日本人であるボクには あの3月11日につながってしまう。
マリーはこの箱を作っているとき 日本のことを考えていたとは思えない。
個人的理由で このテーマを選んだのだと思う。

ボクもこの箱を撮影するに当たって 適当な場所を探して ここを選んだ。
一見意味ありげで 在るような 無いような そういうところが重要だ。

それはともかく 放射能は 新陳代謝が活発な 幼い子ほど危険度が高いという。

アリスは後ろ手に鍵を持って 針のない時計 とその先の迷路を見つめている・・・

 それって 何か暗示的なモノを 感じさせないだろうか?

 我々大人に 決断を 迫るような。