あれは今年2月17日国会の予算委員会での森友学園問題で野党が質疑していた際
安倍首相は『私が関わっていたら、総理大臣を辞める!』
・・・・と発言してから、成り行きをずーっと注目しながらも
3月の引っ越し最盛期、4月の写真展の準備と実行、5月の退職前の落ち着かない気分に花粉症が追い打ちをかけたりと
個人的にワサワサとした日常を送っていく中で、安倍政権がそれこそ想定外の事柄で墓穴をドンドン掘っていく事態が見えた。
ああ、これで安倍政権もいよいよ年貢の納め時かァ〜・・・と思ったものだが、それからなかなかそうはならなかった。
どころか、6月15日に共謀罪法案が強行採決されてしまった。
野党がどんなに頑張っても『数の力』には勝てないという現行の政治体系に愕然とし
少しずつ明らかになりつつある『加計学園問題』も、見え透いた嘘と忖度で安倍総理を死守する構えの内閣府高官や官僚に
よって、野党の追究もいよいよこれまでか!と思ったその時・・・・前川前事務次官という人物が現れたのだ。
『総理の意向』と書かれた書類が野党によって提出された時、菅官房長官によって『怪文書』と、一刀両断されてしまい
せっかく手に入れた『上からの圧力の証拠書類』と思われたが、彼の一言でほぼ落着する間際の、前川氏の登場。
一回目の登場後、他のメディアにしばしば登場し、彼の人となりが徐々にわかるにつれ、沈着な中にどこか
人をほのぼのさせる風貌、そして暴露的に『出会い系バーがよい』が新聞にさらされたが、その内実がその後の
週刊誌なのど取材で、政府の狙いと真逆の、かえって彼の人格の高貴さをさらしてしまった。
テレビのワイドショーなどでは、前川氏の登場に拍手を送っていたコメンテーターですら、出会い系バーの件になると
なにその言い訳、よりによって『貧困調査?!』・・・と鼻から彼の発言を信じていない様子に、ボクは驚いた。
まァ、エリート官僚と聞くとだいたいイメージが決まってくるのだが、彼は本物のエリートで、人情の分かる、不正をゆるせない
いまどき珍しいタイプというか、逆に古き良き日本を引き継いている人であった。
この人を見ていて、ボクは昔良く読んだジョージ秋山のマンガ『浮浪雲・はぐれぐも』に登場する世の中に清涼な風を吹き起こす
男を見ている気がした。
記者クラブ会見の最後にある記者の質問『父上からどんな影響をうけたか・・・』と聞かれて、『父の影響で仏教、特に『禅』に影響を
受け実際に禅の修行をした』・・・という答えにボクは頷いた。