逝きし世の面影

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民族と宗教の歴史『ホロコーストは無かった?』

2008年03月10日 | 9・11事件と情報操作

『ホロコーストは無かった?』

この質問の正解は”1970年以前には、『ユダヤ人大虐殺』はあったが『ホロコースト』は無かった。”です。
イランのアフマデネジャト大統領が、「第2次大戦中のホロコースト(ユダヤ人虐殺)は、欧米人のでっちあげ」と発言して、問題になっています。昨年はイランでホロコーストを検証する国際会議まで開催する。
このことに対して欧米、特にドイツでは、反論が大きくなっているようです。

アフマデネジャト大統領は、以前にもホロコーストの存在に疑問を問いかけていて、さらにその前には、イスラエルの欧州への移転を求めていました。

もともとアフマデネジャト、イラン大統領は、民族強硬派として有名でした。
イランの国粋主義者とでも言うべき人で、彼は、イランの石原慎太郎か橋下徹みたいな存在ですね。

最近のイランでは、この民族強硬派が、著しく台頭し、国際関係にも影響が出ていますが、これは、アメリカなどによるイラン敵視政策が影響しています。
アメリカは、イラン・イスラム革命によって、それまで持っていたイランにおける利権を失ったため、必要以上にイランに対する危機感をあおり、イラン封じ込めを行ったため、イラン国民に、反米感情を植え付けてしまっています。
イラン核疑惑にしても、核を持たない事による、イランの不安の現われでしょう。

ただ現在のイランでは、必ずしも民族強硬派が実権を握っているわけではないようです。
アフマデネジャト大統領の「対外強硬・イスラム改革」のグループに対し、ハメネイ師の「対外融和・イスラム保守化」のグループ、ラフサンジャニ議長の「対外融和・イスラム改革」のグループも、かなりの力を持っており、大統領の意見が、そのままイランの考え方とは言い切れません。

そもそもイラン・イスラム革命は、西欧化を勧めるパーレヴィ王朝の下で、国民の貧富の拡大に不満が募ったことが、原因として起こりました。
そもそもが、社会革命として始まったのですが、革命の指導者として亡命中のホメイニ師が、登場したことで、社会革命としての部分が消え去り、宗教革命となってしまいました。

そのため、国内では、イスラム保守化のグループと、改革派のグループの対立となり、そこにアメリカの締め付けによる反発派の対外強硬派が現れ、現在に至っています。

アフマデネジャト大統領は、対外的に危機感を煽ることにより、政権基盤の強化を狙っているフシがあります。
これは、政権基盤の弱い統治者が、よく行う手ですが、大変危険な状況に追い込まれ、修正不能な状態になりかねません。
アメリカのブッシュ政権の基礎も揺らいでいるため、アメリカとしても、引くに引けない状況に追い込まれているように思えます。

憂慮すべき事態です。

『創られたホロコースト』

ホロコーストに対して、今の若いみんなは、大きな誤解をしている。
『ホロコースト』と言う言葉は、昔から有った言葉ではない。
私の若い頃は、聞いたことも無かった。

この不思議な言葉『ホロコースト』は世界的には、1970年代以降に使われ始めました。
日本国内での使用は、80年代ごろからだろうと思われる。

『ホロコースト』という言葉が創作されるのは、第三次と四次の中東戦争が在米ユダヤ人に与えた衝撃が原因と言われています。

ちょうどベトナム戦争が終結し、ネオコンが現れた頃と同じ時期です。
そして、みんなが信じているホロコーストの歴史は、偽造されたもので、70年ごろにイスラエルとネオコンが、旧約聖書にあった言葉「ホロコースト」を政治的に利用して現在の『ホロコースト』を作り上げたのが真相です。

これ等の事柄(ベトナム戦争の敗北、第三次中東戦争、ホロコースト、ネオコン)は別々の事象でしょうか、お互い関連しあう事柄でしょうか。
ネオコンはイスラエルのリクード右派アメリカ支部とも言える、ユダヤ教ともキリスト教とも見える鵺のような得体の知れない組織です。

『ホロコースト否定の恐怖』

今ヨーロッパではホロコーストを例え学術書でも否定する事は犯罪です。

最近イギリス人の歴史家がオーストリアで裁判に掛けられ、自説を否定しても禁固三年に処せられました。
昔の宗教裁判でもガリレオ・ガリレイは自説を否定して無罪になったのに、このイギリス人歴史家は自説を撤回したが、許されることは無かった。。

現在、カナダ、米国、オランダ等は犯人を捕まえ、これ等の国に強制送還しています。
私は女房子供のいる身なので、ホロコーストに対しては何も言うべきではないかもしれません。

『ユダヤ人の大虐殺は有ったが、ホロコーストは無かった』

私が言っいるのは『ホロコースト』と言う言葉を、ヨーロッパ諸国を恫喝する道具としてイスラエルとネオコンが作り上げた可能性です。

「ユダヤ人虐殺が無かった」といって言るのではありません。靖国神社の様に歴史を偽造してはいけません。
ユダヤ人だけが虐殺されたのでは無く2000万人のソ連人800万人のポーランド人や少数民族、障害者が殺されています。
しかし今、ユダヤ人のホロコースト以外は忘れられようとしており、戦争の悲劇の全てはホロコースト、ユダヤ人差別に集約されていきます。

しかし、以前はそうではなかった。
アンネの日記でも彼女は、『ユダヤが迫害の理由では無い』、『違う場所、違う時間には違う集団がやはり迫害された居る』と書いています。

『ホロコーストを批判しているのはイスラム教徒だけの不思議』

私達の常識に反する民族強硬派アフマデネジャドにも言い分は有るのです。
イスラム教は、日本から見ると大変な強硬派に見えている。

イスラム教批判の小説『悪魔の詩』の作者に欠席で死刑判決(ファトワー)を出したホメネイ師の例を見ていると、『批判は一切許さない』ように見える。

「批判は一切許さない、イスラムは相手にすき放題しても良い」と言うイスラム教指導者が大勢居れば、一部の過激な原理主義者以外は誰も従わず、逆にイスラム社会が宗教改革の必要性にきずき、歴史が大きく動くかもしれませんね。

民族と宗教の歴史を理解することは結構難しいものです。

科学では皆で色んな疑問や批判を出し合い検討や討論の末に徐々に進歩発展して行きます。
しかし宗教では他者からの批判疑問は自閉するか、反発するか二つに一つなのです。
現代イスラム女性のかぶるチャドルから、アメリカのKKK団のマスクを連想するのは、私だけではないでしょう。

イスラムの退行がイスラム教徒に苦難を強いているのは間違いありません。
特に偏狭な戒律を強制する頑迷な聖職者達には強い怒りを感じます。
しかし宗教改革は必要ですが、内部からしか出来ません。外部からの批判疑問は多分反発を招き逆効果でしょう。
宗教と科学は相反する物で,科学では正しい方法でも宗教では反対の答えが出てしまいます。

『科学的研究や内心まで罰するホロコースト処罰法』

『ヨーロッパ社会で報道の自由は保障されている』事になっていますが、一つだけ例外が有る。
その例外が『ホロコースト』で、ホロコーストについては、疑問も批判も禁止されています。
法律で如何なる疑問、批判も犯罪とさて居るのです。

『ホロコースト否定処罰法』は、明らかに、現行法に有るような法律というよりも、大昔の宗教的な布告や法令の性格を持っている。
そしてヨーロッパ社会は、宗教裁判(異端審問)の長い歴史も持っている。

『ホロコーストは黄門の印籠』

ハマス=テロリストでは無いように、ユダヤ人=哀れな被害者では無いのです。
話はそんな、単純な物では無い。
確かに60数年前は被害者でした。しかし現在は明らかな加害者です。

今やユダヤ人達はナチ化しています。焚書や優性論を唱えたナチズムに限りなく近ずいています。

異教徒に対するイスラエルの野蛮な行いに、ヨーロッパ諸国は明らかに及び腰です。
政治家達は反ユダヤ主義と言われる事を極端に恐れています。
政治家がユダヤ団体から、差別主義者であると名指しされれば、ほぼ自動的に政治的な死を覚悟しなければなりません。

『ホロコースト』はまるで水戸黄門の印籠のように、ヨーロッパ諸国の政治家達をひれ伏させています。

そして、今日のイスラエルによる身勝手な理論が、パレスチナの人々を苦しめている。
それを無条件にアメリカが支持している事が、今日の原理主義の台頭の一因となっているため、アメリカにも改善をしてもらいたいものです。

今回のパレスチナの民主的な選挙で、ハマスの政権奪取を、きっかけとして、アメリカとイスラエルには対話の方向に向かってほしいものです。

『宗教国家イスラエルを創った欧米』

イスラエルは自分では、中東で唯一の民主主義国家を主張していますが、事実はユダヤ教を国教とする原理主義的な、(民主主義とはかけ離れた)宗教国家です。
イスラエルとアメリカの密着は異常ですが,イスラエルを作ったのはアメリカでは有りません。
キリスト教欧米諸国が作ったのです。
ユダヤ人虐殺の贖罪としてパレスチナに人造国家イスラエルを作ってしまったのです。
この時からユダヤ教とキリスト教の融合が始まりました。恐ろしい未来が有るとも知らず。

現在のキリスト教(特にアメリカ)はユダヤ・キリスト教の様に成っています。
キリスト教聖職者はユダヤ教を絶対に批判しません.(WWⅡ以前はそれが説教の大部分だったのです)
反ユダヤ主義と見られるのが、死ぬほど怖いのです。

異なる宗派の対話は必要です。
しかし融合は時に思わぬ恐ろしい結果が出る事も有ります。
原理主義の跋扈がそうです。
21世紀にこれほど宗教原理主義がはびこるとは誰が予測できたでしょう。

原理主義は諸悪の根源です。今でもナチの呪いは生きて居るのでしょうか。

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6 コメント

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逆に言うと…… (kaetzchen)
2008-03-13 19:24:33
イランは再び,イスラーム原理主義の旗のもと,○○師と呼ばれる宗教指導者が民衆を率いて,アフマデネジャト氏の政治的なモーソーを実現させようとするのでしょうかねぇ.あんな愚行はホメイニ師だけでもうたくさんですけど,アメリカも福音教会の指導による宗教国家だから,キチガイとキチガイのパワーゲームと言った方が正確かも知れませんね(笑)
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宗教問題ではなく,やっぱり政治問題 (ブログ主)
2008-03-13 19:11:15
「ホロコーストは存在しない」とアフマデネジャト大統領が主張しているのは、宗教問題ではなく政治問題として、ですね。

この記事の趣旨は、
1970年以前には、『ユダヤ人大虐殺はあったがホロコーストは無かった。』です。

70年ごろにイスラエルとネオコンが、旧約聖書にあった言葉「ホロコースト」を政治的に利用して現在の『ホロコースト』を作り上げたのが真相です。
アフマデネジャトはあくまでも政治家で、勿論この問題でも、政治的に利用できると判断しているのでしょう。
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Holocaust (kaetzchen)
2008-03-13 14:07:30
という言葉の語源を日本人が知らないということもあるのでしょうね(笑)

クリスチャンだと旧約聖書を読めば分かるのですけど,もともと holocaust という言葉はヘブライ語が語源で,「神殿で神の前で焼き尽くす献げ物の動物」という意味なんですね.

ユダヤ教では動物の死体(当然,脂がこってりしている)を焼き尽くすことで,その焼肉の匂いを神が好んでいると信じていた訳です.焼肉を神官や王が食べずに「焼き尽くす」所が凄まじい所です.(^^;)

アフマデネジャト大統領が「ホロコーストは存在しない」と言っているのは,実はホロコースト博物館に人間の骨など遺体が残っているから「焼き尽くされてない」と言っている,宗教的な解釈の問題なんですよ.その辺は布引さんもちょっとイスラームを学んで頂きたいです.

結果論としては布引さんの言われる『ホロコーストはネオコンが創った造語』というのは語源的にはハズレということになりますが.(^^;)すみません,隅つつきで
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ホロコーストは造語 (ブログ主)
2008-03-13 09:42:26
アフマデネジャト大統領が「ホロコーストは存在しない」と言っているのは、日本では余り知られていないが、中東の多くの一般市民が、そう信じているからですよ。
彼は、イランの石原慎太郎か橋下徹みたいな存在ですね。

それでは、一般の日本の市民の常識と、中東イスラム教徒庶民の常識と、どちらが正しいか。?
どうも、『ホロコーストはネオコンが創った造語』との中東の市民の方が正しいらしい。
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ついでに言うと (kaetzchen)
2008-03-13 06:16:15
中東地域担当の米中央軍ファロン司令官が辞任するそうです.ホワイトハウスがイランへ軍事行動をしろと圧力をかけたのに対し,軍人としてファロン氏はそれはますます国民を犠牲にし,イスラーム諸国との関係悪化を招くと進言したことで,ファロン氏が責任を取って辞めるというはめとなったそうです.共和党政権は最後の最後までメチャクチャですね.
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一部過激派の策動ですよ(笑) (kaetzchen)
2008-03-13 05:58:43
アフマデネジャト大統領が「ホロコーストは存在しない」などと言ってるのは,実は旧約聖書の「エズラ記」「ネヘミヤ記」の引用に過ぎません.

イスラームが引用する旧約聖書をよく研究してみると,ユダヤ人(イスラエル人)は小国のくせに戦争ばかり仕掛けてくるとんでもない連中だ,という言い訳に旧約聖書を用いることが多いようです.特にアフマデネジャト大統領やイランの宗教指導者のような過激派にはもってこいの文章なのでしょう.

実際,イスラーム諸国でもイラン革命以後,あちこちで独立運動やイスラム原理主義が蔓延ったため,コソボやチェチェンのようにイスラム原理主義の策動が罪もない民衆を犠牲にしている(実際には米軍あたりが武器を供給しているのだろうが).イスラームと仲良くしないと国が崩壊するという知恵を旧ソ連・現ロシアの外交陣はできるだけ公開してもらいたいものだ.

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