逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

福島第一原発の3・11同時多発事故は複合人災

2011年03月18日 | 放射能と情報操作

『一番不安を煽っている政府と東電の流言飛語』

この様な時に一般市民の不必要な不安を煽る『流言飛語』は厳に慎まなければならない。
ところが日本で一番人気があり有名なプロ野球では先頭を切って『放射能汚染』の流言飛語を声高に言い募り『練習試合』を突然中止して真っ先に避難して、一般大衆の不安を煽っている。
そして最も不安を煽っているのが当事者の東京電力である。
関東エリアでは計画停電で都市機能を麻痺させているし、これには何と電鉄会社も協力している。
これ以上の市民層の不安を煽る悪質な『流言飛語』があるでしょうか。
普通の流言飛語なるものは根も葉も無いデマで『実体』がなく基本的に屁のようなもので、怪しい風説を気にしない賢い人々には何の影響もありません。
ところが今回のような政府や東電、電鉄会社が率先して行っている『流言飛語』は実体を伴ったものなので、これで不安にならない人は誰一人もいない。
今では日本人(特に関東圏)で不安なく政府を全面信用して安心しいる人は多分一人もいないでしょう。
その為に全ての人々が疑心暗鬼に陥り保存食や水乾電池など非常用装備を買占めに走り被災地でもないのに東京都で手に入らない事態になっ仕舞ったが、本当に困ったことです。

『唯一の正しい解決策は情報の全面開示』

この市民の不安を解消する唯一の正しい方法とは、今の政府や東京電力や電鉄会社の行っている正反対の方向である、全面的な情報の開示と、鉄道や電気などのインフラの確保ですよ。
少し前に話題になっていた話ですが、広島と長崎で二重被曝して92歳で死んだ原爆被害者の話を『世界一、運の悪い男』として笑いのネタにしたBBCの娯楽番組が日本でも取り上げられて、日本国内では怒りや抗議の声があがっていた。
ところが、このBBCの娯楽番組の司会者(英国の人間国宝的な超有名コメディアン)が何度も強調していた部分とは、二重被曝の部分ではなくて『日本では原爆投下の翌日でも、何と鉄道が動いていた』(ヒロシマ原爆で大火傷を負ったが長崎に帰還して再度被曝)だったのです。
その他の出演者が大笑いした部分も矢張り、『信じられない悲惨な危機的事態でも正常に動く日本の鉄道事情』の凄さ正確さだったのです。
(イギリスでは強風で木の葉が落ちたとの理由でも運行停止になるらしく、この笑いは英国風の自虐ネタだったらしい)
ですから今回の日本の鉄道の運行停止は、まさに『あり得ない話』なのです。
これなら誰であれ不安になら無い人はいません。

『日本政府の許されない棄民政策』

日本がポツダム宣言受諾で無条件降服しても、部下の部隊にはソ連軍への徹底交戦を命令しておいて時間稼ぎに利用して、日本軍の高級幹部は早々と安全な日本本土に逃げ帰りアメリカ軍に投降して仕舞う。
置き去りになった満州開拓団の日本人一般市民は悲惨な大混乱に陥り中国残留孤児や日本軍捕虜のシベリア抑留の悲劇も生まれたのです。
沖縄の悲劇も同じで、『国家』の捨石として見捨てられた国民ほど惨めなものはありません。
敗戦下でも無いのに、今回の管直人政権の行った30キロ地帯の自宅での屋内退避ほど無責任極まる決定もありませんよ。
救助せず援助せずで、正に敗戦時の旧日本帝国の棄民政策に限りなく近いもので、住民には自主避難程度しか方法が無いが燃料がなく移動手段も無い、無い無い尽くし。
早急に手当てがない場合には、今の日本はまともの国家としての体を成していないとしか言えませんね。
30キロ圏内に物資がまったく入っていない現状から、早急な全住民14万人の避難(救助)の必要性が高まっているでしょう。
何と福島第一原発から半径30キロ圏では上空の高度制限の設定されていない無制限の飛行禁止が設定されていて、今でも日本の一般市民が居住しているにもかかわらず、人工衛星か米軍の無人偵察機グローバル・ホークしか上空からの撮影が出来ないのです。
なお、今までに日本で(多分世界でも)高度制限の無い飛行禁止処置を行ったは例はまったく有りません。

『無責任三羽烏 政府・通商産業省、東電、自衛隊・米軍』

『安全で無い』と任務を放棄して60キロ後方まで逃げてしまった自分だけを衛る自衛隊。
『安全』な任務なら、何も自衛隊なんぞは少しもいらない。
彼等は毎日何をしていると思っているのですか。?唯一の正統な暴力装置として国家を守る目的の『効率のよい人殺し』(戦争)の練習をしているのですよ。
警察や消防とは大きく違い自衛隊(軍)では、そもそも自分の安全や命なとは最大の価値観で有ってはならない。
防護装備を持っている自衛隊は安全な60キロだが、装備が無い一般市民は未だに20~30キロ地点で踏みとどまっている。
税金泥棒の穀潰しなどは生やさしすぎる。
全員が敵前逃亡罪として見つけ次第即座に銃殺刑に処されるのが、日本以外の本当の軍隊の真の姿、正体なのです。

『東京電力の責任』

原発事故で、もっとも責任があるのは東電や自衛隊であり福島第一原発の鎮火の責任問題の主体ですが、原発火災は如何言い逃れしても人災であり、東電に直接の責任があることは否定できない。
人が起こしたことなら、人が始末しないわけにはいか無いし、必ず終わらせられる。
それにしても東電の当事者能力には首をかしがざるをえない。
何と今頃になって外部からの電源確保による緊急冷却装置の復活を言い出していて、送電線の建設を検討しているとの話が報道されている。
全ての出発点は電気を作るのが仕事の東電が、緊急用のディーゼル発電機の故障で、電気が作れなかったからですよ。
ですから事故直後から『外部からの電源確保』の努力を行っているとばかり思っていたが、何と今頃になって思いつくとは救い難い。余りにも遅すぎる。
東電は通商産業省に言われて初めて原発に(廃炉になる)海水の注入を始めているが、この丸一日の時間的な遅れが、今の取り返しのつかない事態を招いた可能性が高いのです。

『責任のたらいまわし』

東京電力は14日の時点で『安全が担保されない』(危険である)として全面撤収を政府に打診していたらしい。
前日の電話では埒があかず15日に管直人首相自らが、東京電力本社に乗り込んで直々に『撤収せず最後まで止まり原発を守れ』と東電幹部に指示する。
これに対して東電側は『放射能で死ねというのか』と不満を漏らしたらしい。
東電としては自分達は撤収して後は自衛隊や警察、消防に任せる気だったのですよ。
ところが東京電力が『もしもの時に』と頼りにしていた肝心の自衛隊は核攻撃時でも作戦が出来るような装備は一応は持っている。
ところが自衛隊はやっぱり東電と同じで、『もしもの時に』は、本格的な全面核戦争も想定して日頃から訓練に励んでいる米軍に最後は任せる心算だったのですよ。
無責任の連鎖反応であり、不幸の手紙かマルチ商法状態の臨界反応ですね。
これがあの、お馬鹿で無責任な『安全性が担保されていない。慎重に対応すべきだ。』との14日の折木良一統合幕僚長発言の根拠なのです。
この自衛隊制服組トップは日本が危なくなって困っていれば、必ず米軍が助けてくれると本当に思っていたらしいのですね。
『もしもの時に』と自衛隊が全面的に頼りにしていた米軍は、勿論核戦争も想定した訓練に励んでいるが、日本の原発事故などには何の義務も無いし、『安全を犠牲にする』心算も無い。
そもそもアメリカは自己責任、自主防衛が基本であり『自分の命は自分で守る』と主張して個人個人が武装している国ですよ。
日本の『もしもの時』に助けるはずが無い。
自らに対して『自分の命は自分で守る』なら当然他者に対しても『自分の命は自分で守れ』なのです。
他国の救助どころか、アメリカ軍でも福島第一原発から半径50海里(93km)以内に自国軍兵士や艦船が入らないように指示を行っているのですが、アメリカ市民には50マイル(80km)からの退避を勧告したのですから、軍人と民間人では差があり、2割程度は一般市民の方が規制が緩いので、一般市民の三倍逃げた自衛隊よりは随分マシだが無責任であることには違いが無い。

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6 コメント

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得難い教訓 (ましま)
2011-03-19 09:44:38
今回の原発事故で得た教訓で最大のものは、ふたつ。一つが原発の安全神話の瓦解と、東電などの驚くべき無責任官僚主義で、原発運営認可取り消しと保安院解体が必要ということ。

もう一つは、アメリカはアメリカにとって直接利益のない同盟国のために、血を流すような愚かなことをしないということを気づかせた(気づいていない人の方が多いが・笑)ことですね。






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三つめとして (宗純)
2011-03-19 11:58:02
ましまさん、コメント有難う御座います。

人間万事塞翁が馬で、どんな災難でも何かのとり得や貴重な教訓が生まれるのですが、今回の原発の消火の失敗で、福島県民には申し訳ないが首都東京の近くなので『絶対に隠蔽出来ない』ところが良かった。
政府やマスコミがいくら隠しても、必ず情報は明らかに成るでしょう。
今の無責任に『悪い情報』を隠蔽して絶対に出さずに『安全だ』『たいしたことは無い』『安全で有る』と念仏のように繰り返している政府やマスコミを見ていると『もしも首都から遠かったら』と思わざるを得ないのですよ。
北海道とか九州四国の東京から離れた遠方であったなら、間違いなくもっと酷いことになっています。
ところが福島なら首都東京との間は200キロ。
この程度なら、遠方ではあるが東京都民でも沢山の福島県民の知り合いや出身者が必ずいる。
無視したり隠蔽したりしてしても、絶対に無視出来ないし隠蔽出来ない距離であるのですね。

今日の新聞を読んでいたらやっと、30年以内に必ず起きる東海地震の予定された震源地の真上にある静岡県浜岡原発の危険性が書かれていた。
静岡県では震度5強の直下型地震が数日前にも富士宮市で起きているのです。
震源地の真上にある稼動40年を超えた日本一の老朽原発を、今まさに福島第一原発の炎上の最中にも動かし続けているのですから正に恐れを知らない常識はずれな大和魂である。
世界に冠たる日本独特の恐るべき野蛮な風習のハラキリ・カミカゼ・ハマオカゲンパツなのです。
浜岡原発以外でも、巨大活断層の真上にある愛媛県の伊方原発など地震大国日本の現実を無視した、身の毛もよだつ恐ろしい原発が日本国では目白押しなのですね。
ですからこの福島第一の事故がスリーマイル程度で治まれば万々歳で不幸にも予想されるそれ以外の原発によるチェルノブイリ級の災難の教訓(防波堤)として役立ちそうです。
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災害危機管理体制の確立 (Black Joker)
2011-03-19 15:53:35
今回の原発事故対応の経過を見ると、東京電力側は地震や津波による深刻な事故(①冷却装置の破損 ②停電 ③原子炉溶解)に対する備えが出来ていなかったと言わざるを得ません。 原発では万一の事故が甚大な経済的損失(補償問題)を引き起こすことから、万全な危機管理は会社の生命線であるという認識が本来の基本です。 現場が手抜きをする権限を持つはずがないので、手抜きを行なった判断すべては執行部によるものであり、東電経営幹部は安全よりも利益を優先した責任を問われなければなりません。 まずは、東電経営陣の刑事的業務上過失責任が問われるべきです。 さらに同様に、関連官僚(原子力委員会)や原子力保安院の責任も追及されるべきであり、万一、未曾有の災害だからと免罪されるようであれば、将来に大きな禍根を残すことになります。

また、災害後の政府の危機管理についても、自然災害が多い日本では、「ありうる災害被害すべてを予め想定した危機管理体制の確立」が急務であると考えます。 これだけの被害を出したからには、今までよりも良い日本にすることは一種の義務です。
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安全(命)と営利(金)は相反する (宗純)
2011-03-20 10:58:52
Black Jokerさん、コメント有難う御座います。

安全を確保する為には多くの金や時間や手間が必要なのですね。
小泉竹中の悪魔の碾き臼である新自由路線で、タクシーや貨物などの規制緩和が大幅に進み殆ど陸運局の管理が行われていない状態になり、とんでもなく運輸会社の競争が激化して、各社は生き残りをかけて経費節減に励んでいるのですが、、もともと利幅がある商売ではないのですね。
全ては運転手にしわ寄せされてしまい、トンデモナイ労働強化が行われ事故が頻発している。
安全とは基本的に金がかかるのです。
公的な規制が無くなれば、当然恐ろしいことに成るのは極常識的な話では無いでしょうか。
一番手抜きしやすい個所とは『安全』であるのです。
表面的なサービスの悪さは誰にでも判るが。素人目には「安全の手抜き」見破れないのですよ。
安全の確保の為には、タクシーや貨物トラックでも一定の公的な管理が絶対に必要だったのです。
ましてや原発はタクシーやトラックなどとは『もしもの時』の危険度は比べられないくらいなのですから営利会社の東京電気など電気会社に任せている今の状態は矢張り危険すぎる。
地震大国に住む日本人の命を守る為には、是非とも全ての原発の国家による管理が早急に求められています。
タクシーでも対立するが、金もうけと命は原発でもやっぱり対立するのですよ。
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Unknown (先に同じ)
2011-03-20 22:28:22

官民あげての原子力産業の強引な推進が原発事故にかんしてはすべての原因ではないでしょうか。
活断層に立っていながら危険なプルサーマル運転をしている原子炉もあるし。

官民あげての原子力産業が国民に情報を開示してこなかった戦後40年のつけでしょう。
説明しない政府、説明を求めない(大多数の)国民、反対の声を露骨に抹殺してきたメディア。
そして危険をかけざるをえない人々を賛美する。
実に気の毒だ。

太平洋戦争とまったく同じ構図ですね。

ところで最悪の事態を想定していた広瀬隆さんを馬鹿にしていたと聞きましたが本当ですか?
真偽のほどはわからない中でのコメントご容赦ください。
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先に同じさん、はじめまして (宗純)
2011-03-21 14:46:16
コメント有難う御座います。
当ブログでは来て頂いている読者の為に、良好なブログ環境維持とコメント管理の目的でタイトルも名前も無いもの、あっても通りすがりなど個人を特定していないHNは無記名と看做して削除するローカルルールがあり、何でも結構ですから次回からの投稿ではタイトルの記入と個人を特定出来るHMでのコメントを御願い致します。

>『ところで最悪の事態を想定していた広瀬隆さんを馬鹿にしていたと聞きましたが本当ですか?』
困ったことに今でも同じで事実ですね。
現在福島第一原発で起きている原発事故ですが、決して『想定外』ではないのです。
この事態を正確に予想していた学者や技術者、ジャーナリストは日本でも沢山居たのですよ。
ところが今まではこの正しい意見の人たちはテレビや新聞など大手マスコミでは『陰謀論者』扱いで発言を封じて、表には絶対に出さなかったのです。
これは今でもそれほど大きな違いは無くて毎日テレビ系では『想定外だった』と放言する諸葛(モロクズ)東京大学大学院教授が念仏のように『安全です』と繰り返している。
お馬鹿な阿呆臭いウソである『想定外』もろクズ学者ではなくて、事実を知っていた(以前から予想していた)賢い本当の学者を出さないと話にもならないのです。
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