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大阪消防設備協同組合事務局のブログ

ご存じでしたか?(44) / 救急車を呼ぶとお金はかかる?

2008-05-28 15:00:01 | ご存じでしたか?シリーズ

幼いころ、「救急車を呼ぶと、一回数万円のお金がかかる」などという噂話を聞いたことはないでしょうか?確かに、救急車1台を緊急出動させるのにかかる車両費や燃料費、人件費などを厳密に対価すると数万円くらいの金額になるかもしれませんが、実は、救急車を利用するのに料金は一切発生しません

これは、消防組織法第1条に消防の任務の内容として「消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減することを以て、その任務とする。」と規定され、同じく消防組織法第8条に市町村の消防に要する費用として「市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない。」と規定されているからです。
一見救急業務については書かれていないように感じられますが、救急業務については「災害による被害を軽減する」ことに該当すると解されているため救急業務も消防業務と同様と考えられ、よって救急車を利用しても料金は一切かからないのです。
アメリカなど一部の外国では救急車を1回呼ぶと100ドルくらいの経費はかかると言われていますが、現在の日本では料金はかからないため、所得等に左右されることなく地域医療の一環として国民が平等に受けることができる権利という位置づけとなっています。【HP「士別地方消防事務組合」より抜粋】

以前にもこのブログで述べましたが、緊急性を要しない119番通報が全国的に増え続けています。「救急車にかかる費用は市町村が負担している」ということは、つまり我々の税金から捻出されているということであり、必要のない119番通報をすることは、社会全体にお金を使わせているという見方もできます。また、あまりにも救急車を必要としない程度の119番通報が多いために、「本当に急を要した場合に救急車が不足して利用できない」ということが起こらないよう、緊急自動車の有料化を推奨する意見があることも事実です。
当然、傷病者の状態が明らかに悪い場合や重篤なのかどうなのか判断できない場合等において救急車を利用することを制限しているわけではありませんし、結果的に重症でなかったとしても、そのような場合は躊躇せずにすぐに救急車を要請するべきです。

自分のことはもちろん、家族や職場の方々の健康状態に気を配り、時には救命講習などに出席して知識を身に付けるなどして、少しでも見極められる力を養いたいものです。

事務局 農澤

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