早朝に軽く雨が降ったらしく、いつものジョギングコースは、うっすらと湿った箇所が所々に残っていた。
スタートは少し遅めの午前9時。
今日は、腰も膝も異常なし。ただ、やたらと体が重く感じられる。
先週は、体が軽かった。
昨夜は早めに体を休めたというのに…。
定期的に走ることで、自分の体調が良くわかる。
いつものコースを走りきれるかどうか、微かな不安を抱えながら、ゆっくり走り出す。
ウェアは新調したが、中身は古くガタが来る一方。鍛える前に壊れそうな、そんなお年頃だ。
歩道を走っていると、足元からトンボが弱々しく飛び立った。
踏まなくて良かった。でも、あの飛び方を見る限り、寿命が尽きるのもまもなくだ。
豊平川の河川敷は、すっかり秋の気配。
ランナーも夏に比べると、めっきり減った。
気温の低い早朝より、陽ざしが暖かさを増す時間帯に、ランナーがぼちぼちと増える。
ひばりをはじめとする、賑やかに美声を響かせた小鳥達もどこへやら。
カラスばかりが目につく。
今日は、芝をむしりながら、土の中に隠れている虫をついばんでいる様子。
雪が降れば、彼らにとって厳しい毎日になるだろう。
彼らだけじゃなく、道民にとってもだが。まあ、家屋の無いカラス達の比ではないが…。
アスファルトの上を甲斐甲斐しく往来していた働き者のアリ達も、天気が良いのに今日は一匹も見当たらない。
夏場は踏まないよう足元に気をつけていたが、これで気を使わなくて済む。
気を使っていても、知らずに殺生しているとは思うが、たかが虫とはいえ、命に変わりない。せめて気づいたときぐらいは、不要な殺生は避けようと思っている。
とは言いながら、部屋の中で見つけた虫には、「家宅侵入罪で死刑」と言う判決を下す私だ。ほめられたものじゃない。
ジョギングコースは測ったわけではないが、500メートルをほぼ4分ほどで走行しているので、3キロ位だろうと思う。
たったそれだけの距離だが、最近は走りきれるかいつも不安だし、距離も長く感じられる。
そんなわけで、もっぱら走りながら色んな事を考えて、距離感を無くすようにしている。
サッカー選手のロナウドがCMに出ていた、電気刺激で筋肉を鍛える製品の会社が、新製品を出した。
足をその機械に置いておくだけで、脚の筋肉が電気刺激で鍛えられると言う。
そのCMで、おばあちゃんが、「編み物しながら足だけ(鍛えられる)」なんて笑顔で言っているのを見て、そんなんでいいのかなーと思ったのは私だけだろうか。
脚の筋肉の増強維持の為に、機械を使うのはどうなのだろうか。
ほんとは1日一回でも戸外に出て、陽の光を浴び、空気を吸って、戸外の景色、季節に触れる事が大切なのでは無いか。
別のバージョンのCMでは、子育てに忙しいお母さんが、絵本を子供に読んでやりながら、脚をその機械で鍛えるというのもあり。
そんなの使わないで、子供と一緒に走ったらいいじゃん、と思う。
まあ、あくまで売らんかなの戦略で作られたCMだから、みんなが皆、共感するとは思えないけれど。
病の回復の途上にある人の筋力回復の為に使用したりと、用途は多いと思うが、病気でもなんでもない人には、機械を使わず「歩こうよ」と言いたい。
筋肉を鍛えるのには、ながらではなくその鍛えたい部分に意識を集中する事が大切と言うじゃないですか。
と、そんな事を考えながら、我が身を振り返ると、走りは脚に任せ、全く集中していない自分なのであった。
コース上、小さな川に橋がかかっているのだが、往路、この橋をいつものペースで渡りきったら、ラスト200歩はジョギングペースでは無くランナーペースで走る事に決めている。
十分に温まった体で、最大限の走りを。たった200歩だけど。ちょっとだけ、若さを感じさせる走り。
走り終えて、今日も無事に走り終える事が出来た満足感と快い汗。
機械に足を乗っけただけじゃ得られない物がこれなんだな。
機械で増強された筋肉。その結果は実際に歩いたり、走ったりして確かめてね。