白髪が気になり出したのは、三十代後半頃。白髪がチラホラ出て来ていた。
そんな時に、インドで使用されているという100%植物の「ヘナ(ヘンナ)」という製品を生協で知った。
どんなものか、使い方を教える講習会に参加した。
ヘナは植物の乾燥した葉を粉末状にしたもので、化学染料を含まない。
色の悪い抹茶の様な粉であり、ぬるま湯に溶かして、ペースト状にして使用する。
匂いは、例えるなら畳の様な香りと言うか、ヘナ独特の香りで、悪臭では無いが、かと言って良い匂いでも無い。
頭髪の毛束をすくいながら、ペーストを丁寧に頭全体に塗り、45分程そのまま放置した後、洗い流すというものだ。
100%植物なので髪や地肌に優しい。
生協の組合員さんが被験者となった。
組合員さんの髪にペーストが塗られ、シャワーキャップを被り、しばし待つ。
その間、ヘナにまつわるアレコレを聞く。
ヘナは白髪しか染まらないので、黒髪に色が付くことはない。
色は何種類かあるが、ヘナ100%は、真っ白な髪は最初オレンジ色に染まる。
様々な説明を聞きながら、時間が経過しいよいよ組合員さんの頭からヘナを洗い流すと…。
総白髪の方だったので、頭が燃えるようなオレンジ色になってしまい、その場に居合わせた皆、かなりビックリした。
しかし、ヘナは回数を重ねるごとに、やや明るめの茶色に落ち着いていく。
そういった説明を聞きながら、色が落ち着くまで、組合員さんの心は落ち着かないだろうなと思った。
私は最初ヘナ100%を使用していた。
使い始めの頃は白髪も少なかったので、メッシュの様で、気に入っていたのだ。
しかし、白髪の割合が増えるにつれ、全体がかなり明るめの茶色になり、見た目やんちゃな「ヤンキー」みたいになってしまった為、ヘナの色を変えた。
長い間ヘナのダークブラウンを使って来たが、今の年齢になると、これまでと染まり具合が変わって来てしまった。白髪の割合が増えたからだろう。
今年の4月頃から、周囲の人に髪の色がピンク色だと数人に言われた。
光の当たり具合で見え方も変わるのだろう。
北海道の桜の時期にピンク色も悪くないと思ってはみたものの、どうにも具合が悪い。
ヘナの調合した成分のバランスのせいなのか、その年のヘナの出来の違いなのか、同じブランドの製品でも色味が安定しない。
そこで、思い切って今話題のメラニンで染める花王の「リライズ」をAmazonで購入してみた。
“メラニン”は、私にとってキラーワードだった。白髪はメラニン色素が無いから白いのだ。それをメラニンで染めると言うのだから、説得力しかない。
買う前にレビューを読んでみると、5段階評価で1から5まで、様々な評価があった。評価が低かったのは、染まらない、高価だといったものだった。
しかし、高評価の方々の文章を読むと、使用の効果や使用感が詳しく書かれ、説得力があった。
百聞は一見にしかず。
早速、使用してみた。
確かに1回目、2回目では効果が無い様に見えるが、説明通り3回目になって、自然な黒色に染まった。
染まったあとは、週に一度の利用で色のキープが出来るらしい。
匂いも、鼻の良い方は微かに感じるかも知れないが、ほとんど気になら無い。
何と言っても、5分放置するだけという時間の短さがうれしい。
「髪にハリ・コシを与え、くり返し使っても負担をかけない」と書いてあるが、正にその通り、ふんわりして若い時の髪の感じが、戻ったようだ。
使用感は個人差があるので、あくまで私の使用感という事だが、宣伝通りの効果があり、気に入った。
今は価格的には高めだが、売れている様なので、価格が下がるのも時間の問題だろう。
これを書くために調べて初めて分かったのだが、毛を染める商品の分類で“染毛料”と“染毛剤”がある事を知った。
染毛料(化粧品)
ヘアマニキュア・ヘアトリートメント・カラーリンスなど
毛髪の表面を着色するので、髪や肌に優しい
染毛剤(医薬部外品)
ヘアカラー・ヘアダイ・白髪染め
薬剤で髪の毛の中まで染めるので、その成分が髪や地肌に負担がかかる
「リライズ」は染毛料。だから、使わないでいると、1~2ヶ月で元の髪色に近づくと書いてある。
今回も使用の時、節約道を貫き使用量の目安をけちって少なめにしてみたが、丁寧に塗ると問題なく染まった。
気になるのは、洗い流したあとのお湯。成分は環境にどうなのかなー。人に優しいのと同様に、環境にも優しくあって欲しい。
職場の年の近い同僚と「いつまで髪を染めるか」と言う話になった。
そう言えば、ロマンスグレーで思い浮かぶ作家の藤本義一氏は、確か私の記憶によると「60歳で髪を染めるのをやめた」とテレビで言っていたと思う。私の記憶だから、当てにならないが…。
同僚は「会社を辞めたら止める」と言っていた。
私は…往生際が悪いと自覚しているが、70歳超えたら止めようと思う。