そう言えば、夫も同じアプリを使っている。当たれば2倍だ。
夫に知らせて、次回抽選があったら、引いてみてと伝えておいた。
そんな話をして2日もしない内に夫が「ドリンクが当たったよ」と私に当たりの画面をスマホで見せてくれた。
ボトルコーヒーで、ブラックかラテのどちらかが選べるクーポンが当たっていた。
「あ、ホントだ。私も引いてみよー」と引いたら、ラッキーな事に私も当たったのだ。目論見通りで、私はほくそ笑んだ。
当たりのドリンクを交換できるのは、どこのコンビニでも良いと言うわけではない。
今回指定されたコンビニは、ロー○ン。我が家から一番遠いコンビニである。
お天気の良い日を選んで、ウォーキングがてら、二人でロー○ンまで歩いて行った。
欲しいのは「コーヒーラテ」である。
お店には目的の「ラテ」は無く、「ブラック」しか無かった。
また今度、ある時に交換しに来ようと、手ぶらで帰ることにした。
往復30分の道程だった。
数日後、今度は大きい店舗のほうが品ぞろえが良いと考えて、先日とは違う別方向の大き目のロー○ンへと、また二人で向かった。
寒い日だった。
途中病院があり、その中にも確か一店舗入っているはずだったが、そこは小さい店舗なので素通りして、少し先のお店に行った。
お店に入り、商品の棚を見てみるとよく似た商品があったが、缶のボトルだった。
店員さんにクーポンの商品を見せて該当の商品が無いか尋ねると、「これは夏場に入っていた商品ですねー」と言って、今後この店舗では入荷しない様な雰囲気だった。仕方がない。
店を出て、帰り道、先程スルーした病院内の店舗に念の為寄ってみた。
よく似た商品がホットのコーナーにあったが、ボトルの身長が低い。クーポンの商品は500ミリリットルだが、お店にあったのは440ミリリットル。やはり交換することが出来ない品物だった。
こうなったら、しょうが無い。一番最初に行ったお店でブラックと交換しようと考えた。何も手に入らないよりはいい。牛乳を混ぜれば、ブラックもラテになる。
私は夫のスマホを預かって、一人でお店を目指した。遠いなあー…。
長い道のりを歩きながら考えた。
このドリンクの無料クーポンは、商品の一斉入れ替えのため、在庫のドリンクを処分する方策なのではないかと思った。
廃棄処分する為には、企業はそれなりのお金がかかる事だから、無料で配ることによって処分しているのではないか、などとうがった考えが浮かんだ。
クーポンで当たった商品が簡単に入手出来ないものだから、こんなよこしまな考えまで浮かんできた。
最初に行った日から数日経っているから、もしかしたらブラックコーヒーも手に入らないかも知れない。缶のボトルに変わってしまって、交換できないかも知れない。
自分の心がショックを受けないように、最悪、何も手に入らないかも知れないと思って、目的のお店に入った。
足取りは重かった。夫にどんな風に伝えようかな、と考えながら家までの遠い道のりを歩いた。雪道を1時間ほど歩いて、いささか疲れた。
玄関に入り、トーンの低い声で「ただいまー」と言った。
「どうだった?」パーソナルチェアから振り向く夫に、暗い顔をして背中から下ろしたリュックを開ける頃には、ニヤけてしまった。
ボトルを出した。目的の「コーヒーラテ」2本。期待しないで行ったら、あったのだ。
諦めずに行って良かったー。
タダ、大好き。